インバウンド集客に成功したい方必見【多言語SEO・海外SEOスタートガイド】

インバウンド集客に成功したい方必見【多言語SEO・海外SEOスタートガイド】

更新 :
筆者 : GOOD LUCK TRIP

インバウンドプロモーションの施策のひとつである、多言語SEO。
海外での認知度を上げるだけでなく、実際に集客へと繋がる可能性が高い施策だ。
この記事では、多言語SEOの基礎から始めるまでのステップ、成功するためのポイント、失敗するサイトの特徴など、これから始めようと思っている方に必要な情報を網羅的に解説していく。
この記事を読めば、多言語SEOをどのように始めれば良いかが、理解できるはずだ。

検索結果で上位表示するための対策「SEO」

多言語SEOを解説していく前に、「そもそもSEOとは何か」を説明しておこう。
SEOとは、Search Engine Optimizationの略で、日本語で検索エンジン最適化を意味する。
平たく言えば、GoogleやYahoo!をはじめとする検索エンジンで上位表示するための対策のことだ。
日本の検索エンジンのシェアは、Googleが89.4%・bingが3.9%、Yahoo!が2.5%と、そのほとんどをGoogleが占めている。
そのため、Googleの検索結果で上位表示するための対策だと思っているかもしれないが、本来はbingやYahoo!などその他の検索エンジンも対策の対象に含まれる。

SEOの対象にはGoogle以外の検索エンジンも含まれる
SEOの対象にはGoogle以外の検索エンジンも含まれる

複数の言語にわたって対策する「多言語SEO」「海外SEO」

多言語SEOとは、日本語だけでなく、英語や中国語、韓国語など、複数の言語にわたるSEOのことだ。
当然ながら、使われる言語によって検索されるキーワードは異なり、そのキーワードの検索結果も異なる。
そもそも国によって使われる検索エンジンも異なるため、最適化する対象となる検索エンジンも変わる。
そのため、言語ごとにページとコンテンツを制作して、SEOを実施していく必要がある。
海外のユーザー向けにSEOを行うという文脈で使われる海外SEOは、多言語SEOと同義だ。

多言語SEOで様々な国や地域のユーザーへアプローチできる
多言語SEOで様々な国や地域のユーザーへアプローチできる

インバウンド集客において多言語SEOが重要な3つの理由

この記事をお読みの方のほとんどは、多言語サイトの制作を検討中の方か制作後の方だろう。
「多言語SEOを実施する必要はあるのか」と悩んでいるのかもしれないが、その答えは「YES」だ。
なぜなら多言語サイトやページを制作しただけでは、外国人観光客に見つけてもらえない。
多言語SEOを実施していないサイトは、例えるなら砂漠の中で施設を運営し、商品やサービスを売っているようなものだ。
ここまででも重要性はご理解いただけたかと思うが、もう少し具体的に重要な理由を紹介していこう。

1. 検索結果で自社サイトが見つからないと機会損失につながる

海外のユーザーが何かのきっかけで、自社のことやサービス、施設、店舗のことを知ったとする。
その次に起こすユーザーのアクションは、万国共通で「検索エンジンで調べる」だ。
当然、調べるキーワードは会社名・サービス名・施設名・店舗名だろう。
その時に自社サイトで多言語SEOを実施しておらず、検索結果で上位表示していなければ、ユーザーに自社サイトを見つけてもらえない。
詳しい情報や公式情報を得られなかったユーザーのほとんどは、その会社やサービスなどに興味を失ってしまうだろう。
公式サイトにない情報を頑張って調べるほど興味のあるユーザーは、ごく僅かだ。
多言語SEOを実施していれば、ユーザーにきちんと自社の情報を届けられるため、旅前のユーザーであれば観光プランに入れてくれる可能性が高まり、旅行中のユーザーであればその場で足を運んでくれるかもしれない。

興味を持ってもらった外国人観光客を逃さないように
興味を持ってもらった外国人観光客を逃さないように

2. 外国人観光客の認知度アップだけでなく来店・購入にも繋がる

基本的な多言語SEOを実施すれば、会社名やサービス名などは上位表示できる可能性が高い。
ただ、それだけでは、既に自社のことを知っている海外のユーザーにしか情報を伝えられない。
そもそも、これからインバウンド集客を始める方のほとんどは、日本以外での認知度は低いはずだ。
だからこそ、海外のユーザーが旅前や旅行中に検索するキーワードで、上位表示して認知度を高める必要がある。
例えば、東京でお店を構える飲食店が、英語や中国語で「東京 グルメ」と検索した時に、自社サイトが上位表示していれば、東京で飲食店を探している外国人観光客に認知してもらえる。
このように、多言語SEOを実施すれば認知度を高められるだけでなく、実際に来日する可能性が高い海外のユーザーや、外国人観光客に施設・サービス・商品を利用してもらえるだろう。

多言語SEOが成功すれば海外ユーザーの認知度向上と集客にも繋がる
多言語SEOが成功すれば海外ユーザーの認知度向上と集客にも繋がる

3. 海外ユーザー向けにブランディングできる

自社サイトを多言語SEOせずに、インバウンド集客を実施する場合、広告や他社が制作するサイトやメディアに情報発信を任せる形になる。
そうすると、自社の施設やサービスなどの魅力や世界観を伝えきれないだけでなく、誤った情報や誤解を生むような情報を発信してしまう可能性もある。
ただ、多言語SEOを実施し、自社のことを伝えるコンテンツを届ければ、競合他社との差別化が図れてブランディングにも繋がるだろう。

外国人観光客へのブランディング効果も見込める多言語SEO
外国人観光客へのブランディング効果も見込める多言語SEO

多言語SEOを始める際に注意すべき5つのポイント

ここからは多言語SEOを実施する際に、注意すべきポイントを紹介していこう。
どのポイントが欠けても、多言語SEOでは成果が出ないため、ぜひ参考にしてほしい。

1. ターゲットの国で利用されている検索エンジンを確認する

前述した通り、国によって使用される検索エンジンが異なり、それぞれ検索結果の順位を決めるアルゴリズム(ルールやロジック)も異なる。
そのため、ターゲットの国が使用している検索エンジンを把握しておくことが重要だ。
インバウンド需要・消費の大きい国で、トップシェアを誇る検索エンジンは以下の通りだ。

中国
百度(Baidu)
台湾
Google
韓国
NAVER
香港
Google
アメリカ
Google
ヨーロッパ
Google

ご覧の通り、Googleがトップシェアを誇る国は多い。
多言語SEO初心者であれば、ターゲットはGoogleがトップシェアを誇る国を選ぶのがお勧めだ。
日本のGoogleのアルゴリズムも海外のGoogleのアルゴリズムも、重要な部分は大切であるため、施策が立てやすいからだ。
百度(Baidu)やNAVERは、その検索エンジンのアルゴリズムやアップデートの情報を得ること自体もハードルが高いため、多言語SEO初心者にはお勧めできない。

ターゲットとする国で使用されている検索エンジンを確認しておこう
ターゲットとする国で使用されている検索エンジンを確認しておこう

2. 1つのページに複数の言語を入れない

1つのページに複数の言語を入れても、評価されず上位表示もされないので、やめよう。
例えば、同じページに

  • こんにちは
  • Hello
  • 你好

と書いてあったとしても、日本語・英語・中国でそれぞれ上位表示はされないということだ。
なぜなら、複数の言語が同じページに載っていると、ユーザーは読みにくいから。
特にGoogleはユーザーにとって価値があるものを上位表示させることを最も大切にしているため、複数の言語を同じページに入れることに多言語SEO上の意味はない。
必ず言語ごとにページを分けよう。

1ページにつき1言語とするのは基本中の基本
1ページにつき1言語とするのは基本中の基本

3. 機械翻訳・生成AIツールだけで翻訳を完結させない

様々な言語に日本語を翻訳してくれる機械翻訳・生成AIツールは多い。
翻訳家に依頼するよりもコストが少ないため、機械翻訳・生成AIツールだけで済ましてしまう方も少なくない。
ただ、多言語SEOという観点では、機械翻訳・生成AIツールの翻訳では不十分だ。
なぜなら、その言語のネイティブが読んだ時に違和感のある文章になっている可能性や、意味や意図が正しく伝わらない文章になっている可能性があるから。
ネイティブが読みにくい文章や、きちんと理解できない文章になっていることは、多言語SEOでもマイナスに働く。
機械翻訳・生成AIツールを利用しても良いが、必ずその言語のネイティブスピーカーがチェック・修正するという工程を入れよう。

機械翻訳・生成AIだけでは不十分
機械翻訳・生成AIだけでは不十分

4. SEOの基本を疎かにしない

対策する国と言語を変えても、SEOも多言語SEOも基本は同じだ。
ユーザーにとって価値のある高いコンテンツを制作し、検索エンジンがコンテンツを理解しやすくする、という基本ができていないと、いくら多言語対応しても検索結果で上位表示はできない。

SEOも多言語SEOも基本は同じ
SEOも多言語SEOも基本は同じ

5. テクニカルな面だけでなくコンテンツの質も大切

多言語SEOでは、やらなければいけないことがたくさんあるが、上位表示するにはコンテンツの質も大切だ。
検索エンジンに評価される、つまりはユーザーにとって価値のあるコンテンツがないと、いくらテクニカルなことをしても成果は出ない。
だからこそ、ターゲットとなる海外のユーザーにしっかり向き合い、理解して、そのユーザーにとって価値のあるコンテンツを作る必要がある。
もちろん、これから説明するテクニカルな部分にも対応していかないと、検索エンジンにコンテンツを理解してもらえず、成果は出ない。
テクニカルな部分とコンテンツの質は、両輪の関係にあると思って欲しい。

コンテンツの作り込みも大切
コンテンツの作り込みも大切

多言語SEOをスタートする7つのステップ

ここからは多言語SEOを実践するための7つのステップを紹介する。
このステップを踏まないと、上位表示できなかったり、上位表示できても集客に繋がらなかったりする可能性がある。
いきなり多言語対応するのではなく、しっかり一歩ずつ歩んでいこう。

STEP1:ターゲットを設定する

まずはどの国のどんなターゲットを多言語SEOで集客するか、決めてほしい。
国によって言語も検索エンジンも異なるだけでなく、文化や特定のキーワードで知りたいことも異なるからだ。
また、ざっくりとこの国をターゲットにする。というレベルではなく、ターゲットの属性まで絞り込んでほしい。
例えば、台湾をターゲットにするといったイメージではなく、少なくとも以下のレベルまで決めておこう。

台湾
性別
女性
年代
20代〜30代
訪日の経験
1回

同じ日本人でも性別や年代によって、知りたいことやニーズは異なるのと同じで、ターゲットの設定が甘いと、質の高いコンテンツを作れない。

まずはターゲットの設定から始めよう
まずはターゲットの設定から始めよう

STEP2:ターゲットとなる国に詳しい人材をチームに入れる

次はターゲットにする国に詳しい人を、多言語SEOを実施するチームに入れてほしい。
できれば、ターゲットの国に在住し、その国の言語がネイティブであることが望ましい。
それが難しければ、その国のことに詳しい人をチームに入れよう。
これができるかできないかで、ターゲットに対する理解度の深さが決まる。

ターゲットとなる国のネイティブスピーカーか在住経験者をチームにアサインしよう
ターゲットとなる国のネイティブスピーカーか在住経験者をチームにアサインしよう

STEP3:多言語SEOの精度を高めるためにペルソナを作る

次はターゲットをより具体化した「ペルソナ」を作っていこう。
ターゲットを設定した時の項目をより増やし、細かくして、架空の人物を作り上げていく。
その際、家族構成や交友関係だけでなく、日本の文化についての理解度・日本の文化の何に興味を持っているかまでしっかり設定していこう。
この段階で、その国に詳しい人の意見を取り入れると、より役に立つペルソナが作れる。
さらにSTEP1で設定したターゲット像に近い人物に、インタビューやヒアリングを実施して、その結果を元にペルソナをブラッシュアップできるとベストだ。
ただ、コンテンツを作る際は、ネイティブの人の意見を参考にしすぎないようにしよう。
ネイティブの人の意見を参考にしすぎると、オリジナリティがなく、日本のディープな体験を知りたいユーザーに答えられないコンテンツとなり、成果が出なくなる。

ペルソナの生活をイメージできるレベルまで作り込もう
ペルソナの生活をイメージできるレベルまで作り込もう

STEP4:狙うキーワードを選定する

ペルソナを作ったら、次は狙うキーワードを選定していこう。
まず、ペルソナが検索する可能性が高いキーワードから探してほしい。
検索回数が多いキーワードでも、ペルソナが検索しないキーワードを狙っても意味がない。
また、その言語のネイティブスピーカーが検索するキーワードであることも重要だ。
機械翻訳や生成AIで翻訳した言葉が、本当に検索される可能性があるか、その言語がネイティブな人に確認しておこう。

キーワード設定で多言語SEOの成果が決まると言っても過言ではない
キーワード設定で多言語SEOの成果が決まると言っても過言ではない

STEP5:検索エンジンにコンテンツを理解してもらう環境作り

キーワードを選定したら、コンテンツを作りたくなると思うが、検索エンジンにコンテンツを理解してもらうための環境を作るのが先だ。
その環境を作っておかないと、いくら良いコンテンツを作っても、検索結果で上位表示はできない可能性が高い。
環境作りの詳細については、後ほど詳しく解説する。

コンテンツが理解してもらいやすい環境作りも重要
コンテンツが理解してもらいやすい環境作りも重要

STEP6:質の高いコンテンツを作成する

キーワードを選定したら、そのキーワードを検索する人のニーズを満たすコンテンツを作成していこう。
この時にも役に立つのはペルソナだ。ペルソナがそのキーワードを検索する時に知りたいことは何かを、徹底的に考えて、それに答えるコンテンツを作ろう。

ペルソナのニーズを満たせる質の高いコンテンツを制作しよう
ペルソナのニーズを満たせる質の高いコンテンツを制作しよう

STEP7:検索エンジン・ユーザーの反応を元に改善する

多言語SEOはコンテンツを作ったら終わりではない。
コンテンツ制作後、そのページが狙ったキーワードで検索順位が取れているかを継続的に確認してほしい。
多言語SEO初心者であれば、最初に作ったページがそのまま上位表示されることは、まずないだろう。
検索順位や競合他社、ペルソナ、アクセス解析の情報を元に、コンテンツをブラッシュアップしたり、キーワードと関連性が高いキーワードを狙うページを作ったりと改善していくことで、ようやく上位表示できるページとなる。

検索エンジンやユーザーの反応をデータで確認して改善行動へ
検索エンジンやユーザーの反応をデータで確認して改善行動へ

多言語SEOで重要なコンテンツを正しく理解してもらうための環境作り

ここからは、コンテンツ作成前にやるべき環境作りについて、詳しく解説していく。
具体的には、検索エンジンとユーザーにそれぞれの国・言語ごとにページがあることを理解してもらいやすくする方法だ。
この環境作りをおろそかにすると、いくらコンテンツを作っても上位表示しづらいため、コンテンツ制作前に実施しよう。

言語ごとに個別のURLを用意する

多言語SEOの基本は、言語ごとにURLを用意することだ。
その方法には、以下4つのパターンがある。

  1. 国別のドメインを用意する
  2. 言語ごとにサブドメインを用意する
  3. 言語ごとにサブディレクトリを用意する
  4. 言語ごとにURLパラメータを用意する

それぞれのパターンを具体的に紹介していこう。

国・地域別のドメインを用意する

インターネット上の住所となるドメインには、「ccTLD」という種類がある。
ccTLDとは、国と地域ごとに割り当てられた固有のドメインのこと。以下がその一例だ。

日本
jp
URLの例:test.jp
中国
cn
URLの例:test.cn
台湾
tw
URLの例:test.tw
アメリカ
us
URLの例:test.us

ccTLDを利用し、国・地域ごとにドメインを作る方法のメリットは、ユーザーと検索エンジンに、その国や地域をターゲットとしたサイトであることを明確に伝えられることだ。
ただ、ドメインを複数維持・管理するコストが高く、一部のccTLDはドメインを取得する要件が難しいなど、デメリットも大きい。
そのため、国際的なドメインであるgTLD(.comや.netなど)を利用し、これから紹介するサブディレクトリやサブドメインで分ける方法をお勧めする。

国・地域ごとの固有ドメインccTLD
国・地域ごとの固有ドメインccTLD

言語ごとにサブドメインを用意する

「test.com」を例にすると、「cn. test.com」や「tw.test.com」のように、ドメイン名の前に文字列を追加してドメインを区分したものがサブドメインだ。
手軽に利用できるだけでなく、ある程度はメインのドメインのSEO評価も影響する。
ただ、サブディレクトリと比べると、メインのドメインのSEO評価はしづらく、別々のサイトに近い形で認識・評価される。

ドメイン名の前に文字列を追加してドメインを区分するサブドメイン
ドメイン名の前に文字列を追加してドメインを区分するサブドメイン

言語ごとにサブディレクトリを用意する

「test.com」を例にすると、「test.com/cn」や「test.com/ tw」のように、ドメイン名の後ろに文字列を追加する、ドメイン内の階層構造のことだ。
手軽に利用できるだけでなく、メインのドメインのSEO評価の影響を強く受ける。
サブドメインとサブディレクトとの違いを、マンションで例えるなら

  • サブドメインを作る=同じ敷地に別のマンションを建てる
  • サブディレクトリを作る=マンション内の部屋数を増やす

といったイメージに近い。

メインのドメインのSEO評価の影響を強く受けるサブディレクトリ
メインのドメインのSEO評価の影響を強く受けるサブディレクトリ

言語ごとにURLパラメータを用意する

URLに「?loc=cn」「?loc=tw」のように、「?」から始まる文字列をつけて分割する方法だが、あまりお勧めできない。
検索エンジンもユーザーも、どの言語のページなのか区別しづらく、アクセス解析もしづらいなどデメリットが多い。

改善するためのデータ集計もしづらくなるためお勧めできない方法だ
改善するためのデータ集計もしづらくなるためお勧めできない方法だ

hreflangタグでページの言語を検索エンジンに明示する

ドメインやURLを分けるだけでなく「hreflangタグ」を使用して、そのサイトやページがどの言語や地域に向けたページなのかをGoogleなどの検索エンジンに明確に伝えよう。
詳しい書き方は割愛するが、hreflangタグを設置することも多言語SEOにおける基本だ。

言語を検索エンジンに明確に伝えるhreflangタグ
言語を検索エンジンに明確に伝えるhreflangタグ

海外のユーザー向けのサーバー設置

近年では、検索順位にページの表示速度も影響しており、良いコンテンツを制作してもページの表示速度が遅いと、評価されづらい。
ターゲットの国へ、物理的に近い場所にサーバーが設置できれば、その国での表示速度の向上ができる。
物理的にサーバーを分散させなくとも、CDNを活用すれば各国での表示速度を向上させられるので、新規サーバーの設置も検討しよう。

新規サーバーの設置が実現可能かも検討してほしい
新規サーバーの設置が実現可能かも検討してほしい

言語切り替え機能の実装

多言語SEOを実施するなら、以下のようにサイト上に言語を切り替える機能を実施してほしい。

GOOD LUCK TRIPの言語切り替え機能
GOOD LUCK TRIPの言語切り替え機能

様々な国で高いシェア率を誇る、Googleの公式サイトの「多地域、多言語のサイトの管理」でも、ユーザーがページの言語を切り替えられるようにすることを推奨しており、言語切り替え機能があった方がユーザーの利便性だけでなく、Googleの評価も高める。

ユーザーが言語を切り替えられる機能を実装しよう
ユーザーが言語を切り替えられる機能を実装しよう

多言語SEOで成功するための3つのポイント

ここからは多言語SEOで成功するために、押さえておくべきポイントを3つ紹介しよう。
基本ではあるが、この3つのポイントを押さえておかないと、望むような結果は得られない。

1. ターゲットとする国の人々が知りたい情報をわかりやすく伝える

多言語SEOを始めるに当たって、自社サイトや特定のページをただ翻訳するだけでは、上位表示は難しい。
もちろん、社名やサービス名などでは上位表示できる可能性はあるが、その他のキーワードでは、日本人向けに作ったコンテンツを翻訳するだけでは、上位表示は見込めない。
当たり前だが、国によって、ターゲットによって知りたいことが異なるからだ。
作成したペルソナが知りたい情報を、対策するページに掲載してほしい。
その上で、注意してほしいのは、その内容がターゲットとする海外ユーザーに伝わりやすいかだ。
翻訳家のスキルにも依存してくるが、日本特有の文化や日本の歴史は、日本人では前提だと思う部分まで、言語化しないと伝わらない。
海外のユーザーが知りたい情報を、海外のユーザーにわかりやすく伝えることが、多言語SEOの基本であり、最も大切なことだ。

ターゲットが知りたい情報について仮説を立てるところからスタート
ターゲットが知りたい情報について仮説を立てるところからスタート

2. ターゲットが実際に検索するキーワードを選定する

この記事の「STEP4:狙うキーワードを選定する」部分でも触れたが、ターゲットが実際に検索しないキーワードで上位表示しても意味がない。
例えば、社名やサービス名で上位表示できても、海外のユーザーの認知度がなければ検索されないだろう。
また、機械翻訳や生成AIで翻訳した単語が、実際にユーザーが意図した文脈で使用して検索するかも確認しておく必要がある。
キーワード選定を間違えると、多言語SEOに費やした時間やお金は無駄になる。
無駄に思えるかもしれないが、適当にキーワードを選ぶのではなく、時間をかけてしっかりキーワードを選ぶことがとても大切だ。

ターゲットが検索するキーワードは時間をかけてでも設定しよう
ターゲットが検索するキーワードは時間をかけてでも設定しよう

3. 日本人だからこそ伝えられる情報を伝える

多言語SEOの競合サイトは、ターゲットとなる国の会社や人物が運営していることが多い。
なぜなら、SEOそのもののハードルが低くだけでなく、その国やターゲットへの造詣が深いため、ユーザーニーズを満たすコンテンツを作りやすいからだ。
ただ、日本人だからこそ得られるメリットがある。それが「日本人目線でコンテンツを作れること」だ。
近年のSEOでは、オリジナリティのあるコンテンツの重要性が年々高まっている。
オリジナリティのあるコンテンツとは、平たく言えば、競合サイトやネット上にない情報や経験、知識のこと。
つまり、ターゲットとする国の検索結果上にないコンテンツが、オリジナリティのあるコンテンツとなる。
ターゲットとなる国の会社や人物が運営しているサイトは、概ねその国の人々がネットなどで手に入れた情報を元に、その国の人々の目線で作られている。
そのため、日本人だからこそ得られる情報や経験、知識をコンテンツにすれば、オリジナリティあるコンテンツが作れるということだ。
また、リピーターの外国人観光客が増えており、より深い情報を求めるユーザーも増えているため、日本人だからこそ得られる情報や経験、知識がユーザーニーズを満たすことも多い。
だからこそ、コンテンツを作るなら、日本人だからこそ伝えられる情報をしっかり盛り込もう。

リピーターが増えている外国人観光客に刺さる情報を伝えよう
リピーターが増えている外国人観光客に刺さる情報を伝えよう

多言語SEOで失敗するサイトの特徴

日々、多言語SEOを実践するGOOD LUCK TRIPの編集部が見てきた、多言語SEOで失敗するサイトの特徴も参考にしてほしい。
もちろん、これまで紹介してきた基本やポイントを押さえていないサイトも失敗しているが、より深掘りしてその特徴を伝えていこう。

1. ビッグキーワードから狙っている

キーワード選定する際にやりがちな失敗が、検索回数が多いビッグキーワードから狙う、ということだ。
近年では、いくら良いコンテンツを作ったとしても、そのページ単体で上がることは難しい。
検索エンジンの多くは、対策するキーワードにおける専門性や権威性などをページだけでなく、サイト単位で評価しているからだ。Googleは特にその傾向が強い。
これから多言語SEOを始める方が、いきなりビッグキーワードを狙うのは、野球の初心者がいきなりメジャーリーグに挑戦するようなもの。
成功するどころか挑戦する機会すら与えてもらえないだろう。
野球の初心者が小学校や中学校の大会で実績を重ねていくように、初めは検索回数も少なく、競合サイトも弱い、難易度の低いキーワードから狙っていこう。
そうすれば、色んなキーワードで検索結果上での露出が高まり、サイト内にコンテンツも増えて、サイト全体の専門性や権威性などが評価されるだろう。
このステップを踏んで初めて、ビッグキーワードを狙えるサイトに成長する。

まずは競合サイトが弱いキーワードから狙っていこう
まずは競合サイトが弱いキーワードから狙っていこう

2. 機械翻訳や生成AIだけでコンテンツを作成・翻訳する

これまで解説してきたように、機械翻訳や生成AIだけで翻訳を完結していると、ターゲットとなる国のユーザーにとっては、読みづらい文章や意図した内容が伝わらず、検索結果で上位表示もできない可能性が高い。
また、生成AIだけでコンテンツを制作し、それをネイティブな翻訳家がしっかり翻訳したとしても上位表示できる可能性は低い。
現段階の生成AIで作るコンテンツでは、オリジナリティがなかったり、ユーザーの検索意図を満たせなかったりするため、少なくともビッグキーワードでは上位表示できない。
生成AIを活用した上で、人の手をしっかり入れて、文章やコンテンツの内容を調整して初めて、多言語SEOで成果が出せるコンテンツとなる。

生成AIで完結せずに人の手もしっかり入れてこそ質の高いコンテンツとなる
生成AIで完結せずに人の手もしっかり入れてこそ質の高いコンテンツとなる

3. 日本人目線だけの情報で完結している

成功するポイントで紹介した内容と矛盾しているように思うかもしれないが、日本人目線のコンテンツだけでも上位表示できない。
例えば、リアルタイムで日本人に流行している施設やサービスをただ紹介するだけでは、上位表示できない。
海外のユーザー目線で考えると、その施設やサービス自体の紹介だけでなく、なぜその施設やサービスが日本人の間で流行しているか、海外のユーザーが訪れたらどんな体験ができるのか、施設やサービスを海外のユーザーが利用するハードルは低いのかといった点も知りたいはずだ。
日本人目線と外国人観光客の目線、どちらも持ち合わせてコンテンツを作っていないと、狙ったキーワードでの上位表示は難しいだろう。

日本人なら前提となる知識もコンテンツに含めてほしい
日本人なら前提となる知識もコンテンツに含めてほしい

4. コンテンツの量が足りていない

制作するコンテンツ、簡単に言ってしまえばSEO目的のページが少ないことも、失敗するサイトの特徴のひとつだ。
コンテンツの量、もう少し具体的に言えば、検索結果に露出している自社ページの量が少ない状態だと、サイト全体の専門性や権威性が検索エンジンから評価されづらくなっている。
もちろん、質の低いコンテンツを大量に作っても検索エンジンから評価されるわけではない。
ユーザーに役立つコンテンツをある程度の量作らないと、ビッグキーワードやミドルキーワードを狙うのは難しい。
20〜30ページ作成してから、多言語SEOの効果が出てくることが多いため、ひとつの目安にしてみてはいかがだろうか。

まずは20〜30ページを目標にコンテンツを制作していこう
まずは20〜30ページを目標にコンテンツを制作していこう

5. 短期間で成果を評価する

短期間で成果を評価してしまい、成果が出ていないから多言語SEOをやめる、というのも良くある失敗のパターンだ。
新しいサイトやページを制作した場合、Googleでは以下の流れで検索結果へと表示している。

  1. Googleがサイトやページを認識する
  2. Googleがサイトやページの内容を把握する
  3. Googleのデータベースにサイトやページを登録する
  4. 登録された内容を元に検索順位をつけて表示する

検索エンジンからサイトやページを認識してもらうまでの期間や、検索順位をつけるまでの期間がそれぞれかかるだけではなく、検索結果に表示された直後は検索順位の変動が激しく、評価が定まるまでにも時間がかかる。
サイトやページの状態にもよるが、評価が定まるまでには、3ヶ月〜6ヶ月かかるケースもある。
サイト制作から1ヶ月間程度では、多言語SEOの効果はわからないのにもかかわらず、上位表示できないから多言語SEOや作ったページは効果がない、と評価してしないでほしい。
また、制作したサイトやページの検索順位が定まらないうちは、日々の検索結果に一喜一憂するのではなく、他の施策を実行しよう。
評価が定まらない期間に改善をしても、どの施策やコンテンツに効果があるのかが、判断しづらくなる。
また、最初に制作したページがいきなり上位表示するのは稀であるため、ページを公開後は何度も改善する前提でいてほしい。

多言語SEOの成果が出るまでには時間がかかる
多言語SEOの成果が出るまでには時間がかかる

ハードルが高くコストもかかる多言語SEO

ここまでの内容を理解すると、多言語SEOは実践するハードルもコストも高いと感じるだろう。
確かにその通りだが、多言語SEOで安定して上位表示さえできれば、広告とは違い、ページが表示されている期間中、継続的に費用がかかることはない。
また、観光プランを立てている海外ユーザー、なんとなく日本に興味を持っている段階の海外ユーザー、日本旅行中のユーザーと幅広いターゲット層にアプローチできるのもメリットのひとつだ。

ハードルもコストも高いがメリットも大きい多言語SEO
ハードルもコストも高いがメリットも大きい多言語SEO

多言語SEOに強いインバウンドメディアの活用も視野に入れよう

多言語SEOはメリットが大きいだけに、その高いハードルとコストをかけてでも実践しようと考えている方は少なくない。
ただ、自社サイトで多言語SEOを始める前に、多言語SEOに強いインバウンドメディアの活用も検討してほしい。
ビッグキーワードをはじめとする様々なキーワードで上位表示しているサイトなら、自社のターゲットにアプローチできるだけでなく、自社の施設やサービスなどを外国人観光客へ刺さる形で紹介してくれるはずだ。
多言語SEOに強いインバウンドメディアを活用すれば、自社サイトで多言語SEOを実施するよりも、短い期間・低コストで成果を見込めるだろう。

既に多言語SEOで結果が出ているインバウンドメディアの活用も検討してほしい
既に多言語SEOで結果が出ているインバウンドメディアの活用も検討してほしい

多言語SEOに強いインバウンドメディア「GOOD LUCK TRIP」

コラムを掲載している「GOOD LUCK TRIP」は、旅行ガイドブック「地球の歩き方」を制作する企業が、世界中の旅行者に向けて日本の魅力を発信する多言語対応の旅行メディア。
月間PV1,000万、月間UUは約400万の国内最大級のインバウンドメディアだ。
特に台湾・香港向けのSEOに強く、日本語訳で「東京 観光」「東京 グルメ」など様々なビッグキーワードで上位表示している。
GOOD LUCK TRIPのことをもっと知りたい方は、こちらのページも併せて確認してみよう。

まとめ

これから多言語SEOを始めようと思っている方に向けて、知っておくべき情報を網羅的に解説してきた。
多言語SEOはハードルやコストが高いものの、成功すれば大きな成果が得られる。
記事の内容を参考に、ぜひ多言語SEOを実践してみてほしい。
また、ハードルが高すぎると感じた方は、多言語SEOに強いインバウンドメディア「GOOD LUCK TRIP」の活用を検討してほしい。
「GOOD LUCK TRIP」への掲載はもちろん、自社サイトの多言語SEOに関するお問合せも受けているので、媒体資料までしっかり目を通していただきたい。

資料請求・お問い合わせ

媒体資料のご請求や、詳細説明、お申込みご希望の方は、まずは以下のフォームからお問合せください。

内容によりいただいたメッセージにすべてご返信できないこともありますので、予めご了承ください。

*マークは必須です。

送信中...

お問い合わせありがとうございました。

媒体資料のダイジェストはこちら

送信中...

お問い合わせありがとうございました。

※ご記入のEメールアドレスに媒体資料ダイジェスト版のダウンロードURLを送付します。