風光明媚な禅宗寺院で、本格的な坐禅体験を~神勝寺 禅と庭のミュージアム~
天心山神勝寺は、1965年(昭和40年)に創建された臨済宗建仁寺派の寺院です。多宝塔、無明院、国際禅道場などの伽藍が立ち並ぶ境内は、「禅と庭のミュージアム」として、国内外から注目を集める禅の世界を体感できるスポットとなっています。
この寺院が拝観者向けに行っている、坐禅や写経を通じて自分を見つめることができる禅の修行体験は、大変人気の体験メニューとなっています。
体に最も大切な「呼吸」を意識して坐禅にチャレンジ
今回紹介するのは、日帰り禅体験です。5年ほど前からスタートしたこの体験は、坐禅に関心のある日本人、また割合はまだ少ないですが外国人も訪れるそう。
受付を済ませたら、まずは坐禅の時間。住職による丁寧な説明があり、初めての人でも安心して本格的な坐禅を体験することができます。ポイントは「呼吸」。呼吸法によって、心と体を整えます。
食事の場でも、修行中と意識して集中しよう
坐禅のあとは、食事です。食事の時間も修行の一環。僧侶は、決められた作法に則り食事をとります。まずは、食事の前に「五観の偈」というお経を唱えます。提供されるのは「神勝寺うどん」。神勝寺の本山・建仁寺では四と九のつく日は昼食に湯だめうどんを食します。
五観堂では、修行僧の食べ方を模した作法で食事をとります。修行では食事中も細かな作法がたくさんあります。もちろん、体験では実際の修行のように厳しくはありませんが、修行僧と同じような体験をすることができます。
写経では、雑念をなくし、書くことに没頭
阿弥陀如来立像が安置されている非佛堂にて、お経を書き写す「写経」を行います。文字を書く作業ではありますが、本来の意味は坐禅と同じ。坐禅は呼吸に集中することで心を静めますが、写経は書くことに集中することで心を静めていきます。きれいに上手く書くことよりも、いかに集中して書くかが大切です。写経は祈祷の意味もあり、書いたものを仏様にお供えします。
修行の後は、お茶菓子をいただいてほっと一息
厳しい修行には、ときに休憩も必要です。茶房として営業している含空院で、煎茶と和菓子のセットをいただきます。この建物も本来は修行の一環であり、飲み方の作法もあるのですが、ほっと一息できる時間です。
含空院は、滋賀県の永源寺より移築した建物です。1377年(永和3年)に建立、一度は兵火で消失したものの、1563年(永禄6年)に再興されました。そんな歴史的にも深い意義を持つ建物も存分に堪能しましょう。
神勝寺 禅と庭のミュージアム
神勝寺は、境内をひとつのミュージアムとして、禅・アート・建築物・庭園の魅力を発信しています。アートパビリオン《洸庭》、藤森照信氏による寺務所「松堂」、江戸中期の禅僧・白隠の禅画を常設展示する「荘厳堂」、総門を入ってすぐの賞心庭、中根金作氏による本堂の前に広がる枯山水庭園など、建築物や庭園を愛で歩くだけでも楽しく、食事処や浴室もあり、楽しみながら禅に触れられると人気のスポットとなっています。
神勝寺 禅と庭のミュージアム
- 時間
- 9:00〜17:00 (最終受付16:30)
- 拝観料
- 一般 1,500円、大学・高校生1,000円、中・小学生500円