歴史と桜を満喫できる名城・弘前城の観光ガイド
江戸時代から現存する天守と桜が有名な「弘前城」。
天守以外にも門や櫓など、江戸時代から現存する建造物は多く、敷地の構造にも江戸時代の面影が残っている。
知っておかないと見逃してしまう見どころも多いため、観光前に必ず予習してほしい。
この記事を読めば、見どころはもちろん歴史も学べるため、「弘前城」を満喫したいなら必読だ。
目次
弘前城ってどんなところ?
桜の名所として有名な、青森県弘前市の「弘前公園」の敷地内にある「弘前城」。
江戸時代に建造された天守が現存するだけでなく、5つの城門と3つの櫓も現存しており、堀・土塁などの城郭の全容もほぼ当時のまま保たれている。
その歴史的価値から、国の重要文化財に指定。
東北唯一の現存天守は、石垣を修理するために本丸内部の仮天守台に移動している。
元の位置に戻るのは、早くても2025年になる予定だ。
弘前城がある「弘前公園」には、約50種・約2600本の桜が植えられており、日本でも有数のお花見スポットとなっている。
国の重要文化財でもある「弘前城」の歴史的建造物を楽しむのはもちろんだが、「日本の桜名所100選」や「東北三大桜名所」にも選ばれている、「弘前公園」の桜も併せて楽しんでほしい。
弘前城の歴史
「弘前城」は弘前藩(現在の青森)の領主の居城として、長い歴史がある場所だ。
関ヶ原の戦いの功績で、弘前藩を立ち上げた初代領主・津軽為信(つがるためのぶ)は、1603年に津軽地方(現在の青森西部)を治めるために築城を計画。
2代目藩主・津軽信枚(つがるのぶひら)が築城を開始して、1611年に完成。
完成した「弘前城」は五層五階もの天守がある、当時としても大きなお城だった。
しかし、1627年の落雷によって天守は焼失。
1810年に辰巳櫓を改築し天守とするまでは、天守がない状態が続いていた。
現在は五層五階ではないものの、三層三階の天守が「弘前公園」に聳え立っている。
弘前城へのアクセス
国際線もある「青森空港」から、「弘前城」へのアクセスを紹介しよう。
「弘前城」へのアクセスは、乗り換えが少ないバスがお勧め。
「青森空港」から空港連絡バスに乗車し「弘前駅」へ。
JR「弘前駅」から弘南バスの100円バスに乗車し、バス停「市役所前公園入り口」にて下車して徒歩3分で到着する。所要時間は約1時間15分だ。
弘前城の営業時間と入園料
「弘前城」がある「弘前公園」は無料区域と有料区域に分かれている。
有料区域の営業時間と入園料は以下の通りだ。
弘前城本丸・北の郭
- 営業時間
-
・4月1日~11月23日 9:00~17:00
・さくらまつり期間 7:00~21:00
- 入園料
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・大人 320円
・子供 100円
弘前城植物園
- 営業時間
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・4月中旬~11月23日 9:00~17:00(券販売16:30まで)
・さくらまつり期間 9:00~18:00(券販売17:30まで) - 入園料
-
・大人 320円
・子供 100円
貴重な歴史的建造物と自然景観を満喫!弘前城の見どころ5選
「弘前城」の最大の見どころといえば、江戸時代から現存する天守だが、それ以外にも見どころは多い。
天守以外にも江戸時代から残る歴史的建造物は多く、美しい自然景観を満喫できるスポットもある。
見どころが多い「弘前城」の中でも、ここだけは外せない見どころを5つに厳選して紹介しよう。
1. 江戸時代から残る重要文化財「天守」
江戸時代から現存する国内に12基しかない「天守」のひとつであり、国の重要文化財にも指定されている。
東北地方、唯一の現存天守だ。
築城された当初は、本丸(城主が住むエリア)に五層五重の天守を構えていた。
1627年に弘前城天守の鯱に落雷し、五層目から順に燃え広がり焼失。
しばらく天守がない状態だったが、1810年に弘前藩の9代領主である寧親(やすちか)によって、三層三階の天守として再建された。
天守の屋根には耐寒性が高く軽い「銅瓦葺」を使っているのは、東北の城ならではの特徴だ。
「銅瓦葺」とは、木製の瓦に銅板を貼った瓦のこと。
その他にも雪が多い東北ならではの特徴が見られるため、想像しながら天守を眺めてほしい。
2. シンプルでありながら独特の美しさを持つ「丑寅櫓」
「丑寅櫓」は軒下や出格子の木部は、色などを塗らず自然な素朴さがある。
シンプルでありながら、独特の美しさを見せてくれるのも「丑寅櫓」の建造物としての特徴だ。
「弘前城」の櫓の方角は12支を示したものとされ、丑寅は北東を示す。
つまり、北東を守るための三重櫓としての役割を担っている。
「弘前城」が築城開始した1610年に出来たものが現存しており、国の重要文化財にも指定されている。
3. 防衛と物見の拠点として重要な「辰巳櫓」
追手門から入城した時に、最初に見える「辰巳櫓」。
二の丸の南西にあたる辰巳の方角にある隅櫓で、国の重要文化財に指定されている。
城郭へ侵攻してきた敵への攻撃や、物見に備えて造られたものであり、防弾・防火のために耐火性がある土蔵造りになっている。
中濠を挟むとソメイヨシノに囲まれた美しい「辰巳櫓」が見られるため、ぜひ桜と一緒に楽しんでほしい。
4. 合戦時の矢傷が残る見どころの多い「亀甲門」
築城後間もなくは正門とされていたが、追手門が正門となることで裏門となった「亀甲門」。
弘前藩の初代領主である津軽為信(つがるためのぶ)が、津軽地方統一戦の中で攻め落とした「大光寺城」の門を移築したものだ。
そのため、「弘前城」の現存する建造物の中で唯一、合戦時の矢傷が残っている。
矢を射るための穴の「矢狭間」がなかったり、他の門よりも長い歴史を持っていたりと、見どころが多い。
国指定の重要文化財にも指定されている。
5. 四季折々の自然景観が楽しめる「弘前城植物園」
1,500種・12,400本もの草木が植えられている「弘前城植物園」では、四季折々の変化が楽しめる。
敷地面積は約8haと広大で、23ゾーンに分割されている。
156本のブナが植えられた「白神山地生態園」や津軽地方の歴史と文化を感じられる「大石武学流庭園」、SEIKO製の「花時計」など見どころが多い。
「弘前城」の歴史的建造物だけでなく、美しい花々も楽しもう。
初めて訪れるなら桜の絶景が見られる春がお勧め
「弘前城」のある「弘前公園」は桜の名所であり、ソメイヨシノを中心に約50種・約2600本もの桜が咲き誇る。
華やかな桜と老松との見事なコントラストは、まさに圧巻。
桜の大量の花びらが濠の水面を流れる、「花筏」は「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」にも選ばれている。
桜の見頃には「弘前さくらまつり」が行われ、日没後に桜がライトアップされたり、お花見カヌー体験が出来たり、出店が並んだりと、様々な体験ができる。
紅葉の季節も美しいが、初めて「弘前城」を訪れるなら春が最もお勧めだ。
弘前城と合わせて巡りたい青森の文化史跡3選
青森には「弘前城」の他にも、見どころの多い文化史跡が点在している。
その中でも、特にお勧めのスポットを3つに絞ってご紹介。
歴史好きな方はぜひ「弘前城」と合わせて、観光してほしい。
1. 三戸城
高低差約90mの台地に立つ城跡。
室町時代後期から江戸時代初頭まで三戸南部家の居城であったと伝わる。
江戸時代に盛岡が居城となったあとも要害であったことから城代が置かれる。
貞享年間(1684~88年)の城代廃止に伴い古城となってからも、御掃除奉行が設置されるなど、江戸時代を通して城は管理が続けられた。
城跡内の要所には、石垣、土塁、堀といった遺構が保存されており、往時の様子が伺える。
現在、城跡は城山公園として整備され、春にはさまざまな桜が咲く青森県南を代表する桜の名所となっている。
2. 蕪嶋神社
蕪島は日本有数のウミネコの繁殖地のひとつ。
石段を上がった丘の上には永仁4(1269)年に創建した蕪嶋神社がそびえる。
江戸時代になると八戸藩では初代藩主以来、累代藩主の信奉もあつかった。
祭神の市杵嶋姫命は、七福神の弁財天と同じ神様で、強力な金運を授けてくれる女神様。
漁場を知らせてくれるウミネコの群れは、その弁財天の眷属として古来、地元の人々に大切にされてきた。
3. 三内丸山遺跡
令和3(2021)年に世界文化遺産に登録された大規模集落遺跡。
平成4(1992)年に県営野球場を建設する事前調査の際に発見された。
縄文時代前期から中期(約5900~4200年前)の竪穴建物跡や掘立柱建物跡(いずれも大型含め)、墓、捨て場、道路などが調査され、集落全体の様子や当時の自然環境などが判明している。
さらには、膨大な量の土器や他の地域から運ばれたヒスイ、管理・栽培されていたと考えられるクリなども出土し、従来の縄文文化のイメージを覆す大発見となった。
弘前城に関するよくある質問
Q
弘前城は誰がいつ建てた?
弘前藩(現在の青森)の2代領主・津軽信牧が1611年に完成させました。
Q
弘前城・弘前公園の桜の見頃は?
桜の見頃は、4月下旬から5月上旬です。
Q
弘前城の石垣の修理はいつ終わる予定なのか
早くても2025年になる予定です。
まとめ
江戸時代の建物と面影を残す、全国でも貴重な建造物「弘前城」の見どころと歴史を紹介してきたが、いかがだったろうか。
「弘前城」のある「弘前公園」は桜の名所でもあり、桜が咲き誇る絶景は多くの人々を魅了している。
歴史と桜を楽しめる「弘前城」以外にも、青森には魅力的な観光スポットは多い。
青森の自然と伝統文化を楽しめる観光スポットを紹介する、こちらの記事を参考に、青森観光をさらに充実させよう。