
【旭川市旭山動物園楽しみ方完全ガイド】動物たちの命の躍動に触れる特別な体験を
北海道・旭川市に位置する旭川市旭山動物園は、日本最北端の動物園でありながら、年間140万人以上が訪れる人気スポット。
国内外から多くの人が訪れる理由は、動物たちが自然体で過ごす姿を観察できる、旭川市旭山動物園ならではの「行動展示」にある。
この記事では、旭川市旭山動物園の見どころや楽しみ方、また冬の風物詩である「ペンギンの散歩」について徹底解説。
これから旭川市旭山動物園を訪れる方はぜひチェックしてみてほしい。
旭川市旭山動物園とは?
旭川市旭山動物園の最大の特長は、動物ごとの特徴的な能力や行動、感性を発揮できる環境を作り、動物が自然体で過ごす姿を観察できる「行動展示」。
野生に近い環境で飼育し、動物のストレスをなるべく減らすことによって、野生本来の力を引き出す展示方法だ。

例えばアザラシが縦横無尽に泳ぎ回ったり、ホッキョクグマが豪快に水中に飛び込んだりといった瞬間を目撃することができる。
ただ動物を“見る”のではなく、彼らの生き生きとした姿を“感じる”ことができるのだ。

旭川市旭山動物園の理念は「伝えるのは、命」。
動物たちのありのままの姿を観察することで、その美しさや尊さ、そして人間も動物も同じ生き物であることを実感するだろう。
ここは単なるエンターテインメントではなく、命の大切さを学び、心を動かされる場所である。
旭川市旭山動物園のアクセス
旭川市旭山動物園へのアクセスは、JR旭川駅と旭川空港から出ている路線バスを利用するのが便利だ。
JR旭川駅からは旭川電気軌道バス旭山動物園行きで約40分、旭川空港からは旭川電気軌道バス旭山動物園行きで約35分で到着する。

なお、JR札幌駅からJR旭川駅の所要時間は特急列車で約1時間30分。
札幌から日帰りで訪れることができるのも嬉しいポイントだ。
旭川市旭山動物園の見どころ7選
動物たちが本来持つ能力を存分に発揮する行動展示はもちろん、飼育員によるユニークな解説や、動物が食事をとる「もぐもぐタイム」など見どころ満載な旭川市 旭山動物園。
ここでは、そんな旭川市旭山動物園ならではの魅力を存分に味わえる、7つの見どころについて詳しく紹介していこう。
1. あざらし館
まずは、正門からすぐのあざらし館へ。
中に入ると、大きなガラス張りの水槽と、円柱状のトンネルで自由自在に泳ぎ回るゴマフアザラシたちのすがたが見える。

この展示は、アザラシが垂直方向に泳ぐ習性を活かしたもので、まるで隣で一緒に泳いでいるような不思議な感覚を味わえる。

大きな水槽では、アザラシが気持ちよさそうに泳ぎ回ったり、おもちゃで遊んだりする姿を観察できる。
ぽてっとした丸い体がぷかぷかと漂う様子は、見ているだけで癒やされること間違いなしだ。
2. ほっきょくぐま館
あざらし館の近くにあるほっきょくぐま館では、大きな体で悠々と歩き回るホッキョクグマの姿を、陸上と水中の2つの視点から観察できる。

もぐもぐタイムでは、水中に餌が落とされ、ホッキョクグマが豪快にダイブする姿を間近で見れるそう。

館内には1階と2階の観察スペースがあり、さまざまな角度からホッキョクグマの動きを楽しめる。
2階でじっと観察していると、突然ホッキョクグマが立ち上がり、こちらに向かって大きな声で「ゴォ〜!」と吠えた。
迫力満点の姿に、思わず息を呑む瞬間である。
3. レッサーパンダ舎
続いて、ほっきょくぐま館の隣にあるレッサーパンダ舎へ。
ここでは、ふわふわの体と愛くるしい表情が魅力のシセンレッサーパンダを観察できる。

吊り橋の上を歩くレッサーパンダを見上げると、お腹や手足の毛が黒いことに気が付く。
これは、木の上で過ごす時間が長いレッサーパンダが、木にカモフラージュするためのものなんだとか。

もぐもぐタイムでは、大好物のリンゴをサクサクと頬張る姿が見られる。

レッサーパンダには第6の指と呼ばれる骨が前足に突起状で存在し、竹やリンゴを手で握るようにして持つことができると、飼育員が解説してくれる。
4. オオカミの森
オオカミの森では、北米に生息するシンリンオオカミを観察できる。
かつて北海道にはエゾオオカミが生息していたが、人間による駆除によって絶滅してしまった。
その歴史を伝えるため、オオカミの森の向かいには今害獣とされているエゾシカを飼育しているエゾシカの森があり、かつての生態系を再現した展示となっている。

日中、シンリンオオカミは日陰で寝ていることが多いが、閉園時間が近づくとソワソワと歩き回る。
そして、閉園を知らせる園内放送が流れると勇ましい遠吠えを響かせるのだとか。
オオカミの遠吠えを間近で体感したいなら、閉園間際が狙い目だ。
5. えぞひぐま館
2022年にオープンしたえぞひぐま館では、日本最大級の野生動物であるエゾヒグマが、大きな体でのしのしと歩く姿が観察できる。

屋外放飼場では手すりの一部がガードレールとなっており、北海道における人間とエゾヒグマの関係性をリアルに体感できる工夫が施されている。

また、館内の奥には「しれとこヒグマ絵巻」という巨大なキャンバスがあり、知床半島に生きるヒグマの姿や、人間社会との衝突、共存への取り組みが描かれている。
「ヒグマは有害」というイメージが定着してしまった現代だからこそ、彼らと共に生きる未来について、この展示を通して考えてみたい。
6. くもざる・かぴばら館
ここでは、手足と尻尾を駆使して移動するクモザルと、世界最大のネズミであるカピバラが同じ空間で暮らしている。(夏期のみ)

クモザルが活発に動き回る一方で、カピバラはのんびりとくつろいでいる。その正反対の生態を一度に楽しめるのが、この展示の魅力だ。
クモザルとカピバラはともに中南米に生息する動物。
寒さに弱い彼らは、冬期は別々の室内に分けられるので、共存する姿は見られないが、ガラス越しに至近距離で観察できるのは冬期ならではだ。
7. こども牧場
小さな子どもに大人気のこども牧場では、ウサギやモルモットと触れ合ったり、ヤギやヒツジを間近で観察したりすることができる。

動物に直接触れることで、体温や鼓動、息遣いを感じられるのがこのエリアの魅力。

小さな命とふれあい、命の大切さを実感する体験は、子どもにとってかけがえのない思い出となるだろう。
冬の風物詩「ペンギンの散歩」3つのポイント
旭川市旭山動物園の冬の風物詩といえば、キングペンギンが園内の散歩コースを気ままに歩き回る「ペンギンの散歩」。
ペンギンたちが自分のペースでのんびりと歩く姿を、近い距離で観察できるため、注目の行動展示の一つだ。
ペンギンたちも1日2回(3月は1回)の散歩を楽しみにしているようで、時間が近づくと散歩に行きたいペンギンたちは扉の前に集まり、散歩に出るペンギンの数は毎回違うのだとか。
その日の気分や体調によって個体が変わるのも興味深いポイントだ。

ペンギンの散歩は、期間中は毎日午前11時と午後2時30分の2回実施。
ただし、3月は午前11時のみの実施となるほか、天候やコースの状況によっては中止・変更となる可能性がある。
訪問前には、公式サイトをこまめにチェックするのがおすすめだ。
ここでは、ペンギンの散歩を安全に楽しむために気をつけておきたい3つのポイントを紹介する。
1. フラッシュ撮影は禁止
ペンギンは光に敏感なため、フラッシュ撮影をすると驚いてパニックを起こしたり、目を痛めたりしてしまうおそれがある。
スマートフォンのカメラでもフラッシュが自動で作動することがあるため、事前にオフに設定しておこう。
ペンギンたちが安心して散歩できる環境を守るため、ぜひ協力してほしい。

2. 散歩コースには入らない
ピンクの線より内側はペンギンたちの散歩コース。
ペンギンが安全に歩けるよう、線の上に立ったり、カメラや体をコース内にはみ出したりしないようにしよう。
また、もしペンギンが近づいてきても絶対に触らないこと。
ペンギンたちがストレスなく散歩を楽しめるよう、ルールを守って静かに見守ることが大切だ。

3. スタッフの注意には必ず従うこと
ペンギンの可愛さに夢中になってしまい、つい周りが見えなくなることもあるかもしれない。
しかし、観覧するすべての人が気持ちよく楽しめるよう、スタッフの指示には必ず従おう。
ペンギンの散歩は、スタッフと観覧者が協力し合い、マナーを守ることで実施することができる。
ペンギンたちの安全と快適な環境を守るためにも、ルールを守りながら観察を楽しんでほしい。

2024年オープンのカフェ&ショップも必見!
2024年にオープンしたばかりの「Museum Shop ASAHIYAMA」と「Museum Cafe ASAHIYAMA」も必見。
ここには、旭川市旭山動物園での思い出をより色濃くしてくれるアイテムやグルメが詰まっている。
おいしい!かわいい!「Museum Cafe ASAHIYAMA」
北海道の冬景色と雪明りをイメージした店内は、温かみがあり、ホッと落ち着く空間。
まずはカウンターで注文し、支払いを済ませるシステムだ。

メニューを眺めているだけでワクワクしてくるが、特に注目したいのは「オオカミくん焼き」。
人の手によって絶滅してしまったエゾオオカミについて考えるため、オオカミの型にしたそうだ。
外はカリッと香ばしく、中には優しい味のあんこorクリームが詰まっている。

ほかにも、エゾシカ肉を使用したメンチカツや、美唄市のアソンブロッソとコラボしたハンドカットフライズポテトなど北海道ならではのメニューが盛りだくさん。
濃厚なミルク感が特徴の中標津町ループライズ牧場のソフトクリームは、季節を問わず大人気だ。
思い出を連れて帰ろう「Museum Shop ASAHIYAMA」
旭川市旭山動物園で動物たちの可愛らしさやたくましさ、命の尊さに触れたことで、心に残る瞬間がたくさん生まれたはず。
そのかけがえのない思い出をカタチにできる場所が、「Museum Shop ASAHIYAMA」だ。

店内には、ここでしか買えない限定パッケージのお菓子や、ふわふわで思わず触りたくなる動物たちのぬいぐるみがずらり。
あぁ、どれも魅力的で選びきれない!

旭川市旭山動物園オリジナルのポストカードを購入して、園内のご当地ポストに投函するのもオススメ。
このポストを使うと、毎年デザインが変わる旭川市旭山動物園オリジナルの消印が押されるため、旅の記念としてぴったり。
訪れた感動をポストカードに綴って、自分宛てに送るのも素敵なアイデアだ。

まとめ
旭川市旭山動物園は、動物たちがのびのびと過ごす姿を間近で感じ、命の力強さや尊さを体感できる動物園だ。
知っている動物の、まだ知らなかった一面に出会えた時の感動は、きっとあなたの心を動かすはず。
動物たちの息遣いを感じ、命の躍動に触れる特別な時間を過ごせる旭川市旭山動物園に、ぜひ足を運んでみて。