【上野公園の観光ガイド】豊かな自然と文化で心が満たされるスポット
アクセスしやすく、多くの文化施設や神社仏閣が点在する、人気の観光スポット「上野公園」。
実は日本初の公園であり、140年以上も日本人に愛されてきた長い歴史を持つ公園でもある。
広大な敷地に見どころが多く、1日では遊び尽くせないだろう。
でも安心してほしい。
この記事を読めば「上野公園」の魅力と見どころがわかるため、「上野公園」をどのように楽しめば良いかわかるはずだ。
目次
上野公園ってどんなところ?
東京都台東区に位置し、上野駅から徒歩2分とアクセス抜群の「上野公園」。
正式名称は「上野恩賜公園」で、「上野の森」や「上野の山」とも呼ばれる、自然豊かな都会のオアシスだ。
広大な敷地に博物館や美術館・動物園など、多くの文化施設が点在。
敷地内にある「上野動物園」は、日本に3ヶ所しかないパンダを飼育している動物園だ。
待ち合わせスポットにもなっている「西郷隆盛銅像」をはじめ、美しい景観が広がる「不忍池」や「清水観音堂」「上野大仏」など見どころ満載。
豊かな自然の中を散歩しながら、動物園や美術館などの見どころを巡れば、ゆっくりとした1日を過ごせる。
上野公園の歴史
元々は「東叡山 寛永寺」の境内であり、江戸時代には既に花見の名所として賑わっていた。
当時は公園として整備されていないものの、江戸幕府やお坊さんの「庶民が楽しめる場所にしたい」という思いから、様々な施設を建築し、人気の観光スポットとなっていた。
1868年に15代将軍・徳川慶喜(とくがわよしのぶ)を擁する「旧幕府軍」と、薩摩藩・長州藩を中心とする「新政府軍」との「戊辰戦争」が勃発。
「東叡山 寛永寺」の境内は、「戊辰戦争」の戦場となり、多くの建物が焼失。
新政府に「東叡山 寛永寺」の境内の全域を没収され、1872年には敷地に軍の病院を建てることが決定する。
しかし、オランダ軍の医者である「ボードワン」博士が、自然豊かな上野の山を見て、公園として整備するように日本政府へ働きかけた。
その結果、決定を覆し公園として整備され、1876年に日本初の公園として登録された。
明治時代(1868〜1912年)には、様々な文化施設が敷地内に集まり、現在の「上野公園」に近い形が出来上がる。
震災や戦争による被害を受けるが、その度に復興し、「上野公園」は常に日本の文化の中心地であり続けている。
上野公園へのアクセス
新幹線など多数の路線が乗り入れるターミナル駅である「JR上野駅」から、「上野公園」へのアクセスを紹介しよう。
「JR上野駅」から園内まで、たった徒歩2分。
「JR 上野駅」の公園口の改札から出れば、目の前が「上野公園」なので迷わず到着できるはずだ。
上野公園の開園時間と入場料
上野公園自体の入場料はなく、5時から23時まで開園している。
園内の施設ごとに入場料や営業時間は異なるため、必ず行きたい施設がある場合は事前に調べておこう。
訪れる季節によって異なる上野公園の魅力
「上野公園」では、四季折々の美しい自然景観を楽しめる。
せっかく「上野公園」に訪れるなら、その季節にしか味わえない魅力も満喫しよう。
【春】江戸時代から続く桜の名所で日本の春を感じよう
桜の名所としても有名な「上野公園」は、春になると約800本もの桜が咲き乱れる。
見頃の3月上旬から4月中旬には、桜が見える場所にブルーシートを敷き、持ち寄った食べ物や飲み物を味わいながら花見をする人々で賑わう。
江戸時代から桜の名所であり、桜が見える場所で宴会をする風習も、江戸時代の「上野公園」から始まったとされる。
園内にはソメイヨシノやシダレザクラだけでなく、早咲きのカンザクラも咲くため、長い期間お花見を楽しめる。
「不忍池」周辺の桜並木や「清水観音堂」近くのシダレザクラは必見だ。
様々なイベントが行われ、出店が軒を連ねる「うえの桜まつり」もぜひ満喫してほしい。
日没後のライトアップされた夜桜や、ぼんぼりが灯る景色の中を散策すれば、日本の春を体感できるだろう。
【夏】夏の花が彩る不忍池の美しい景観
夏の「上野公園」の魅力は、6月のアジサイと7月の蓮が咲き誇る、美しい景色。
7月下旬に見頃を迎える、「不忍池」の蓮が咲く美しい水辺の景観は、夏の風物詩として親しまれている。
蓮を見に行くなら、蓮の花が開いている午前中がお勧め。
早朝から開き始め、昼過ぎには花を閉じてしまうため、注意してほしい。
【秋】バリエーション豊かな景観が楽しめる紅葉名所
広大な面積の「上野公園」には、美しい紅葉を見られるスポットが点在。
見頃の11月下旬〜12月上旬には、サクラやモミジ、イチョウなどが色づき、寺社と紅葉のコラボレーションや、「東京国立博物館」へと延びるイチョウ並木など、バリエーション豊かな景観を楽しめる。
黄金色に色づいたイチョウを背景にした、凛々しい姿の「西郷隆盛象」は人気のフォトスポット。
日本の情緒を感じられる、秋の「上野公園」を散策してみよう。
【冬】野鳥と牡丹を親子で鑑賞しよう
冬の「上野公園」も魅力あふれるスポットが満載だ。
江戸幕府の将軍・徳川家康(とくがわいえやす)を御祭神とする「上野東照宮」では、見ごたえのある40品種160株の牡丹が咲き誇る。
年明けから2月下旬まで「上野東照宮冬ぼたん」というイベントが開催され、冬に咲く「縁起花」といわれる、牡丹の花をじっくり観賞できる。
「不忍池」には鴨やカモメ、ダイサギなど、様々な野鳥が飛来。
人に慣れている野鳥が多く、近い距離で観察できるため、子供のバードウォッチングデビューにお勧めだ。
日本の豊かな自然と文化を満喫!上野公園の見どころ7選
豊かな自然とともに芸術・歴史・文化を楽しめる「上野公園」。
博物館や美術館、動物園などの文化施設や神社仏閣が点在しており、見どころ満載だ。
数ある見どころの中でも、外せない見どころを紹介しよう。
1. 上野東照宮
江戸幕府(1603-1867)初代将軍・徳川家康公をお祀りする神社。
国の重要文化財に指定されており、その最大の見どころは金色に煌めく社殿。金色殿とも呼ばれており、外壁には豪華な彫刻が施されている。
ほかにも、唐門や、48基ある銅灯籠など、国指定重要文化財が複数ある。
また、「栄誉権現社」は受験・就職・必勝の神様として信仰されている。
2. 上野動物園
1882年に日本で初めて誕生した動物園。
東京都心部にありながら、自然を維持する都市型動物園で、約300種、3,000点の動物が飼育されている。
敷地は、東園と西園に大きくエリア分けされており、人気のジャイアントパンダは、西園の「パンダのもり」の2箇所で見ることができる。
3. 国立西洋美術館
緑豊かな上野公園の中にある美術館で、その名が表す通り、西洋の美術作品を専門としている。
ベースとなっているのは、フランス政府から寄贈返還された「松方コレクション」。
ルノワール、ゴッホ、モネといった印象派やピカソなどの絵画、さらにロダンの彫刻を中心とするフランス美術コレクションだ。それらに加えて、中世から20世紀にかけての作品および寄贈・寄託作品を常設展にて展示している。
4. 国立科学博物館
上野公園内にある、自然史・科学技術史に関する国立唯一の総合科学博物館。
「日本館」は、1931年に竣工されたネオルネサンス洋式を基調とした建物が特徴的で、国の重要文化財にも指定されている。館内では、日本列島の自然と生い立ち、日本人の形成過程と、自然との関わりの歴史を展示。地下1階にはミュージアムショップやシアター36◯がある。
5. 東京国立博物館
「東京国立博物館」は、1872年に創立された日本で最も歴史の長い博物館。本館(日本ギャラリー)、東洋館(アジアギャラリー)、法隆寺宝物館、平成館、表慶館、黒田記念館の合計6つの展示館から成っている。日本や東洋の美術作品と考古遺物を収蔵。その数は約12万件に上り、なかには国宝89件と重要文化財646件もある。
6. 東京都美術館
上野の森に佇むレンガ色のタイル貼りの建物が特徴的で、1926年に開館以来、美術の殿堂としての役割を担ってきた美術館。
日本国内外の名品を楽しめる特別展や自主企画展、公募展など多くの展覧会を開催する。また、アートを媒介として、人々のつながりを育む活動を展開する「アート・コミュニケーション事業」にも力を入れており、子どもや、障害のある方の特別鑑賞会など、様々なプログラムを実施している。
7. 不忍池
上野公園の南端に広がる周囲約2kmの天然池。
池は手漕ぎボートやスワンボートなどの貸しボート(有料)を用意する「ボート池」と7月上旬から8月下旬に見ごろを迎える蓮が美しい「蓮池」、上野動物園内にある「鵜の池」の3つの池で構成。3つの池が接している「中の島」には、池周辺のどこからでも参拝できるよう、八角形のお堂をもつ不忍弁天堂がある。
散策に疲れたら立ち寄ってほしい上野公園のグルメスポット2選
「上野公園」には休憩できるカフェだけでなく、食事をしっかり楽しめるレストランもある。
散策に疲れたら、これから紹介するグルメスポットでゆっくり寛ごう。
1. スターバックス コーヒー 上野恩賜公園店
公園のほぼ中央に位置する噴水広場の一角にあり、公園散策中にひと息つくのにぴったりの立地だ。
建物は切妻屋根の平屋で、公園の景観によく馴染む木のぬくもりあふれるデザイン。大部分がガラス張りになっているので、店内からも園内の緑をゆっくり眺めることができる。テラス席が多く設置されているのも公園ならではだ。
2. 過門香 上野バンブーガーデン店
「中国大陸を味わい尽くす劇場」をコンセプトに、時代や国境を越えた「大陸料理」を提供するレストラン。中国伝統の建築様式や意匠をアレンジしたモダンチャイニーズな空間で、贅沢な時間を楽しめる。
料理は、四川料理の本場重慶で各国要人に料理を振る舞ってきた特級料理師と、日本の飲茶ブームをリードしてきた特級点心師が、中国の伝統料理を現代風に再現。医食同源の考え方をベースに、選りすぐりの高級食材を駆使した多彩なメニューが用意されている。
上野公園と合わせて訪れたい観光スポット3選
上野公園周辺にも文化と歴史を感じさせるスポットが点在している。
それだけでなく、「上野公園」と1位・2位を争う、上野の人気スポットにも徒歩でアクセスできる。
「上野公園」を散策したら、これから紹介する3つのスポットも巡ってみよう。
1. 寛永寺
1625年に創建された天台宗関東総本山の寺院。
徳川家康、秀忠、家光公の三代にわたる将軍から深く崇敬された天海大僧正によって、徳川幕府の安泰と庶民の安寧を願って建立された。
徳川将軍家の祈祷所・菩提寺であり、現在も徳川将軍家15人のうち6人が眠る。
当時は現在の上野公園全域を超すほどの敷地を誇り、江戸きっての大寺院に発展したが、その後幕末の戦火などで多くの建物が消失し、現在の規模にまで縮小した。
2. アメ横商店街(アメヤ横丁)
JR上野駅からJR御徒町駅間の、約500mの距離に約400店の店が並ぶ商店街。
食品や菓子、衣類、雑貨、宝飾品など様々な業種の店が集まる。一年中、安売りが行われており、活気があり、東京の昔ながらの下町を凝縮したような雰囲気が楽しめる。
安くて美味しい料理が味わえる屋台や、レストランも多い。
3. 旧岩崎邸庭園
三菱を創設した岩崎家の第三代当主・久彌の本邸として明治29年(1896)に建てられた建物と庭園を都立庭園として整備。往時は約1万5,000坪の敷地に20棟もの建物が並んでいたが、現在は洋館、和館、撞球室(ビリヤード場)の3棟と庭園が保存されている。
木造2階建・地下室付きの洋館は、イギリスの著名な建築家・ジョサイア・コンドルによる設計。近代日本住宅を代表する西洋木造建築で、館内のあちこちに施されているジャコビアン様式の装飾は必見だ。
上野公園に関するよくある質問
Q
上野公園の桜の見頃は?
見頃は3月下旬〜4月中旬です。
Q
上野公園内にカフェはある?
ゆっくり休憩できるカフェがあります。
Q
上野公園内の開園時間は?
5時から23時までです
まとめ
豊かな自然と芸術・文化・歴史を満喫できる「上野公園」の見どころや、季節ごとの魅力を紹介してきた。
この記事を読めば、「上野公園」を思う存分楽しめるはずだ。
上野観光をさらに楽しみたい方は、こちらの記事も参考にしてほしい。