![「網走国定公園」で一期一会のバードウォッチングを満喫](https://static.gltjp.com/glt/data/article/21000/20631/20240226_233517_c1d7e03f_w1920.webp)
「網走国定公園」で一期一会のバードウォッチングを満喫
北海道の道東に位置し、網走市や小清水町など2市5町村からなる「網走国定公園」。春と秋の渡り鳥、夏に楽しめる海岸草原の植物、オホーツク海に押し寄せる流氷が見事な冬と季節ごとに魅力的な自然景観を楽しむことができる。今回は網走国定公園でのバードウォッチングの楽しみ方をご紹介しよう!
網走国定公園って?
オホーツク海岸沿いに広がる約3,700haの広大な自然公園。区域には、サロマ湖、能取湖、網走湖、濤沸湖(とうふつこ)、藻琴湖(もことこ)などの大小7つの海跡湖があるほか、この湖沼群を囲む砂丘や草原、丘陵などを有する日本を代表する海浜公園だ。
穏やかな起伏があり、そこに生息する生き物や植物など豊かな自然が魅力的。なかでも野鳥の宝庫として知られる濤沸湖をはじめ、園内に飛来する野鳥も多く、バードウォッチングが楽しめるスポットとしても人気を集めている。
![網走国定公園区域にある天然の花畑「小清水原生花園」](https://static.gltjp.com/glt/data/article/21000/20631/20240226_233556_14d31467_w1920.webp)
網走国定公園へのアクセスは?
網走国定公園へは、女満別空港が一番近い空港。東京・羽田空港、名古屋・中部国際空港セントレア、大阪・伊丹空港、関西空港からは直行便がある。
また北海道・新千歳空港からも発着便があるので、北海道観光のプランにも組み込みやすいのがうれしいポイント。
空港から網走国定公園区域までは車で約40分〜1時間程度。現地ではレンタカーで周遊するのがオススメだ。
![旅の起点となる女満別空港](https://static.gltjp.com/glt/data/article/21000/20631/20240227_000035_d0465726_w1920.webp)
バードウォッチングのおすすめのシーズンは?
日本で冬を過ごし北へ帰っていく渡り鳥や、繁殖のために日本に渡ってくる夏鳥が見られる春から初夏にかけてが、バードウォッチングのベストシーズンだ。オオワシやハクチョウ、ガンの仲間であるヒシクイ、オナガガモ、ヒドリガモのカモ類は3月から5月にかけて北へ帰る前に北海道で羽を休めている。月ごとに観察できる鳥が変わるため、どんな鳥が見たいか事前にチェックして、旅行計画を考えよう。
◎〜4月まで
夏の間、ロシアで繁殖するオオワシが見られるのは4月頃まで。
![3月の濤沸湖の氷上のオオワシ](https://static.gltjp.com/glt/data/article/21000/20631/20240226_235133_f77b69b8_w1920.webp)
◎春と秋
さまざまな種類の水鳥で賑わう湖沼。カモやガンなどの渡り鳥が見ることができるのは春と秋だ。
![3月の濤沸湖は多くの渡り鳥で賑わう](https://static.gltjp.com/glt/data/article/21000/20631/20240226_235140_735218e7_w1920.webp)
◎4〜5月
森の小鳥たちを観察するなら4月から5月にかけての時期がおすすめ!
![さえずりが美しいキビタキ](https://static.gltjp.com/glt/data/article/21000/20631/20240226_235153_9b5c5b55_w1920.webp)
◎5月後半〜7月前半頃
草原など開けた場所を好む野鳥を観察するならこの時期。北海道の道東に多い原生花園で繁殖する野鳥が見られる。
![頬が赤いことからホオアカと呼ばれる野鳥](https://static.gltjp.com/glt/data/article/21000/20631/20240226_235202_e06ad0ce_w1920.webp)
バードウォッチングを楽しむおすすめスポット3選
湖沼や草原、森林などバードウォッチングに適した場所が多彩にある公園内のスポットと、おすすめのシーズンを紹介します。
1. 新緑が美しい春の森
このエリアの春は少し遅いのが特徴。森や林を好む野鳥を観察するなら、4月から5月にかけてがベストシーズンだ。
新緑がはじまる時期は、例年5月頃。この時期の森林は葉が少ないため野鳥の姿を見つけやすいのが嬉しいポイント。繁殖のために盛んにさえずる鳥たちの美しい声が楽しめる。美しい花も見ることができ、癒やし効果も抜群!
![真っ白で人気のシマエナガは、冬から4月頃までが観察しやすい](https://static.gltjp.com/glt/data/article/21000/20631/20240226_235223_72acf215_w1920.webp)
![求愛シーズンで活発に動くキツツキに出会えるかも!?(写真はアカゲラ)](https://static.gltjp.com/glt/data/article/21000/20631/20240226_235252_5b618a9b_w1920.webp)
![さえずりも美しく、鮮やかな青色が映えるオオルリ](https://static.gltjp.com/glt/data/article/21000/20631/20240226_235302_92dd7085_w1920.webp)
![白いオオバナノエンレイソウや水芭蕉で彩られる美しい森は散策するだけでも楽しい](https://static.gltjp.com/glt/data/article/21000/20631/20240226_235317_9157d5a3_w1920.webp)
6月に入ると森も葉が生い茂ってくるため、思うように野鳥の姿を探すことが困難になる。6月以降は続いてご紹介する原生花園を中心に野鳥観察を楽しむのがおすすめだ。
2. 自然の草花が楽しめる初夏の原生花園
海岸近くの砂丘に広がる草原地帯「原生花園」。5月後半から7月前半にかけて、多くの草原性の鳥を観察できるスポットである。高い木がなく、鳥たちは低木の上でさえずっていることが多いため、初心者でも野鳥観察がしやすいのも特徴。
6月になると一面にエゾスカシユリやエゾキスゲが花開き、自然のお花畑が楽しめる「小清水原生花園」は、ゆっくりまわっても1時間程度。遊歩道や木道が整備されており、花と野鳥観察が一度に楽しめるためぜひ訪れたい原生花園の一つだ。
![遊歩道をのんびりと歩きながら野鳥観察が楽しめる「小清水原生花園」](https://static.gltjp.com/glt/data/article/21000/20631/20240226_235332_5f4e78ad_w1920.webp)
![オレンジ色の花が咲くエゾスカシユリと黄色の花が咲くエゾキスゲ](https://static.gltjp.com/glt/data/article/21000/20631/20240226_235337_933d1dd1_w1920.webp)
![木道側には草原が広がり、ヒオウギアヤメやノハナショウブなど紫色の花を見ることができる](https://static.gltjp.com/glt/data/article/21000/20631/20240226_235359_6ede46e4_w1920.webp)
![野生のバラ、ハマナスの上でさえずるノゴマは原生花園で見られる代表的な鳥。赤いノドがトレードマーク](https://static.gltjp.com/glt/data/article/21000/20631/20240226_235430_107f9bda_w1920.webp)
![オーストラリアから渡ってくるオオジシギ。木道の上空で盛んに求愛活動を行う](https://static.gltjp.com/glt/data/article/21000/20631/20240226_235436_91a02f83_w1920.webp)
![赤い色が印象的なベニマシコ](https://static.gltjp.com/glt/data/article/21000/20631/20240226_235453_ab5b987c_w1920.webp)
![北海道の道東を中心に繁殖するオジロワシは夏の間も見ることができる。翼を広げると2m以上にもなる大きさにも注目!](https://static.gltjp.com/glt/data/article/21000/20631/20240226_235503_a5fb3b3b_w1920.webp)
3. 山にも足を延ばしてみよう!
網走国定公園の隣には、北海道で最も歴史ある阿寒摩周国立公園もあります。日本最大のカルデラ湖・屈斜路湖(くっしゃろこ)や世界有数の透明度を誇る摩周湖と天然林に覆われた森が特徴だ。夏の間、標高の高いところで繁殖する鳥に出会うなら、こちらの公園内にある山に足を延ばしてみるのもおすすめだ。
![針葉樹でさえずるルリビタキ](https://static.gltjp.com/glt/data/article/21000/20631/20240226_235522_067e34fc_w1920.webp)
![渓流でさえずる小さな鳥・ミソサザイ](https://static.gltjp.com/glt/data/article/21000/20631/20240226_235538_522f676d_w1920.webp)
阿寒摩周国立公園には藻琴山や雌阿寒岳、さらに知床国立公園方面に足を延ばすと斜里岳や羅臼岳など日本百名山を含む登山愛好者のあこがれの山が多くある。
ただし登山には装備や経験が必要。バードウォッチングは山に登らずとも登山道の入口やキャンプ場に設けられた遊歩道などでも行うことができる。阿寒摩周国立公園の藻琴山には、標高700mの場所にある登山口まで車で行くことができるほか、キャンプ場や遊歩道も整備されているので、登山経験がなくても大丈夫!
![藻琴山の登山口にあるレストハウス「ハイランド小清水725」](https://static.gltjp.com/glt/data/article/21000/20631/20240226_235552_38275583_w1920.webp)
![「ハイランド小清水725」からキャンプ場へ続く遊歩道](https://static.gltjp.com/glt/data/article/21000/20631/20240226_235604_3181dccd_w1920.webp)
効率的に鳥を見るならガイドツアーがおすすめ!
滞在期間中、しっかりと鳥を見たい!という人には英語対応も可能なガイドツアーがあるのでおすすめ!時期によって野鳥観察に最適な場所を組み合わせて案内してくれるので、お目当ての野鳥に出会う確率がグンと上がるはずだ。
![野鳥観察ツアーやガイドについては、小清水町観光協会ビジターセンターを訪れよう](https://static.gltjp.com/glt/data/article/21000/20631/20240226_235614_8c6025a9_w1920.webp)
![双眼鏡のレンタルもあるので、初心者でも手ぶらで参加OK](https://static.gltjp.com/glt/data/article/21000/20631/20240226_235624_9da8c1e8_w1920.webp)
基本情報
- 日本語名称
- 小清水町観光協会ビジターセンター
- 郵便番号
- 099-3452
- 住所
- 北海道斜里郡小清水町浜小清水474‐7
- 電話
- 0152-67-5120
- 定休日
- 年末年始
- 時間
- 9:00〜17:00
- 料金
- 無料
- アクセス
-
1)JR釧路本線「浜小清水」駅から徒歩1分
2)女満別空港から車で約45分 - 公式サイト
- 公式サイト
バードウォッチングを楽しむ2泊3日モデルプラン
野鳥たちが活発に活動するのは、早朝と夕方。北海道東部は日の出が早く、なかでも5月から6月にかけては朝の4時から空が明るくなる。繁殖期の鳥たちの活動開始時間はさらに早く、夜明け前の3時頃からさえずり始める。早朝は人も少ないためゆっくり野鳥観察を楽しむチャンス!
せっかくバードウォッチングをするなら、滞在中は早起きして野鳥観察を存分に満喫してほしい。
続いて、おすすめのモデルプランもご紹介しよう!
◎Day1
網走国定公園着! 1日目は早めに就寝して、2日目の野鳥観察に備える。
◎Day2
午前中(8:00〜11:00)に森のコースや原生花園など2〜3箇所をまわって野鳥観察。昼食をはさんで午後(13:00〜15:00)はサイクリングを楽しめる。サイクリング途中に思わぬ野鳥に出会うこともあるかも?
![サイクリングとバードウォッチングを組み合わせたプログラムもあり](https://static.gltjp.com/glt/data/article/21000/20631/20240226_235635_7df65a9a_w1920.webp)
◎Day3
午前中(6:00〜8:00)に山のコースで野鳥観察。車で行ける少し標高の高い場所に行く。休憩と昼食をはさんで午後(13:00〜15:00)はカヤックを楽しめる。湖上からの野鳥観察はまた格別だ!
![湖面をのんびり進みながら野鳥を探してみるのも素敵な旅の思い出に](https://static.gltjp.com/glt/data/article/21000/20631/20240226_235644_50dbef7a_w1920.webp)
まとめ
網走国定公園で楽しむバードウォッチングの旅はいかがでしたか?
ほかではなかなか出会うことができない野鳥たちと出会う一期一会の旅は、驚きと感動に満ちあふれたものになるはず。日常を離れて、豊かな自然にふれる旅にでかけてみませんか?