鹿児島の絶景と歴史文化を満喫!仙巌園の観光ガイド

鹿児島の絶景と歴史文化を満喫!仙巌園の観光ガイド

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筆者 : GOOD LUCK TRIP

鹿児島の雄大な自然と伝統的な日本庭園が調和した、日本の風情漂う絶景を眺められる「仙巌園」。
日本庭園以外にも世界文化遺産をはじめ、伝統文化を体験できる施設や郷土料理が味わえる飲食店など、見どころ満載の人気観光スポットだ。
この記事では「仙巌園」へのアクセスやお勧めの観光シーズン、観光前に知っておきたいポイントなどを紹介する。
記事を参考に観光すれば、より深く「仙巌園」を楽しめるだろう。

仙巌園ってどんなところ?

鹿児島県鹿児島市の沿岸部に位置する「仙巌園(せんがんえん)」。
江戸時代(1603年〜1868年)に第2代薩摩藩・藩主の島津光久(しまづ みつひさ)が築いた別邸・大名庭園で、地位の高い人をもてなす施設としても使われていた。
一般的な大名庭園は、大池を中央に作り、池の周りを散策できるように造られている。
しかし、仙巌園には大池や築山がなく、錦江湾や桜島などの風景を庭園に取り入れた造りが特徴。
庭園の風景と鹿児島の大自然が一体化したダイナミックな景観を堪能でき、自然の美しさを感じられる。
桜島を見ながら庭園をのんびりと散策したり、写真を撮ったりするだけでも楽しいだろう。
住居・迎賓館として使われた「御殿」には、江戸時代の面影が色濃く残っており、当時の生活を体感できる。
50,000㎡の敷地面積を誇る園内には、江戸時代末期から明治時代(1868年〜1912年)に行われた、日本の近代化に貢献した事業に関する施設もある。
その貢献が評価されて、世界文化遺産に登録された「尚古集成館」や「反射炉跡」も見逃せない。
また、幻の伝統工芸品「薩摩切子」の製造工程を間近で見学できる工場などもあり、見どころ満載だ。

様々な景観と体験を楽しめる仙巌園
様々な景観と体験を楽しめる仙巌園

仙巌園へのアクセス

鹿児島観光のスタート地点となることが多い鹿児島空港から、「仙巌園」へのアクセスをご紹介。
鹿児島空港は国際線も運行しており、国内外からのアクセスは抜群。

経路
1. 鹿児島空港のバスターミナル8番乗り場から、鹿児島交通バス「市役所前行き」のバスに乗車し、バス停「鹿児島中央駅」下車
2. 南国交通バスの「黒木三文字行」に乗り換え、バス停「仙巌園前」で下車して、徒歩約1分で到着
所要時間
約1時間10分

仙巌園の営業時間と入場料

仙巌園の営業時間と入場料は、以下の表を参考にしてほしい。
御殿に入るかどうかで入場料が異なるので、注意しよう。

営業時間
9:00 – 17:00
入場料
・大人(高校生以上)1,600円
・小中学生800円
※御殿に入らない場合は、大人(高校生以上)1,000円、小中学生500円。

仙巌園のお勧め観光シーズンは?

「仙巌園」はどの季節に訪れても美しい景観を見られるが、特にお勧めの観光シーズンは春と秋だ。
園内にはカンヒザクラをはじめとする5種類ほどの桜が約150本植えられており、2月上旬〜4月上旬にかけて、様々な品種の桜が次々と見頃を迎える。
桜越しに眺める桜島は、まさに絶景だ。
秋には「菊まつり」が開催され、約1万5000本の色とりどりの菊の花が園内を彩る。
ぜひ春か秋に訪れて、日本ならではの美しい景観を堪能してほしい。

春には園内の各所に桜が彩りを加える
春には園内の各所に桜が彩りを加える

鹿児島の歴史文化を堪能!仙巌園で巡るべき5つのスポット

「仙巌園」といえば、桜島や錦江湾などの雄大な自然を生かした庭園が有名だが、その他にも見どころは多い。
どの施設・見どころにも共通しているのは、鹿児島の伝統文化や歴史を感じられることだ。
中には世界遺産に登録されている施設もあるため、観光に訪れたらこれから紹介する5つのスポットを巡ってほしい。

1. 大名庭園

1658年に島津家19代、島津光久によって造られた日本を代表する大名庭園。
桜島を築山(人工的に作られた山)に、錦江湾を池に見立てた壮大な景観は、四季折々に移り変わる鹿児島の豊かな自然を堪能でき、訪れた人を感動させる。
また、巨岩に文字を刻んだ「千尋巌(せんじんがん)」や美味しい筍がとれる「江南竹林」など中国文化の影響を園内の随所に見られるのも特徴だ。
江戸時代に正門として使われた「錫門(すずもん)」は、屋根に瓦ではなく鹿児島の特産である錫を使った日本唯一の門で、優美な姿は現在も残っている。

鹿児島の雄大な自然を活かした庭園を散策してみよう
鹿児島の雄大な自然を活かした庭園を散策してみよう

2. 御殿

1658年に島津光久によって、島津家の別邸として築かれた御殿。
最後の藩主となった島津忠義(しまづただよし)の本邸として、また国内外の要人を招く迎賓館としての役割を果たしていた。
御殿から望む桜島の絶景はもちろんだが、一度にたくさんの人と会えるように工夫された部屋「謁見の間」や、島津忠義が一日の大半を過ごした部屋「御居間」など、殿様の暮らしぶりを体験できるのも魅力のひとつだ。
邸内には無骨な釘の頭を隠すために使用された、日本の伝統的な装飾品「釘隠(くぎかくし)」が11種類あり、当時の人のこだわりが感じられる。
御殿を訪れたら「釘隠」を探してみよう。

伝統的な日本建築の美を堪能しよう
伝統的な日本建築の美を堪能しよう

3. 尚古集成館

第11代薩摩藩・藩主の島津斉彬は大砲鋳造のための反射炉をはじめ、造船、ガラス製造・紡績など近代洋式工場群の建設を推し進めた名君。その近代化事業は「集成館事業」と呼ばれた。
1865年に船などの部品を生産する機械工場が竣工。
その工場が現在、島津家800年の歴史や文化を紹介する博物館「尚古集成館」となっている。
近代日本の基礎を築いた、当時稼働していた機械、反射炉の模型をはじめ、日本人が撮影した最古の銀板写真、島津家伝来の家宝、斉彬ゆかりの品々など約1万点を展示。
2015年には仙巌園の一部とともに世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」に登録された。

薩摩藩主、島津家の歴史を伝える博物館
薩摩藩主、島津家の歴史を伝える博物館

4. 反射炉跡

富国強兵を目指して建設された洋式工場群「集成館」。
その心臓部ともいえるのが「反射炉」で、現在は「仙巌園」にその基礎部分が残っている。反射炉とは金属の精錬に必要な施設のこと。
日本の近代化が加速する中心として大きな役割を果たした、貴重な史跡を見学できる。
反射炉跡も世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」に登録されている。

大砲製造のための製鉄が行われた日本の近代化の中心地
大砲製造のための製鉄が行われた日本の近代化の中心地

5. 薩摩切子工場

江戸時代の名君・島津斉彬によって発展した「薩摩切子」。
透明なガラスに様々な色ガラスを被せて精密にカットされたガラス器は、 見た目の美しさと高い技術力から工芸史上で高い評価を得ている工芸品だ。
しかし、製造されたのはわずか20年余りの短い期間だった。
製造が途絶えてからおよそ100年の時を経て、島津家が中心となって復元に取り組み、現在では鹿児島の伝統工芸品として復刻生産されている。
「薩摩切子工場」では、そんな伝統工芸品を手作業で製造する職人たちの卓越した技を、間近で見学ができる。

美しい薩摩切子がどのように作られるか見学してみよう
美しい薩摩切子がどのように作られるか見学してみよう

仙巌園で鹿児島の伝統文化を体験しよう

「仙巌園」では、職人の指導のもと高度な技術を体感できる切子カット体験や、伝統工芸品「薩摩焼」の絵付けを気軽に楽しめる体験など、様々な鹿児島の伝統文化を体験できる。
他にも甲冑や武家の正装などの衣装をレンタルして、庭園の散策ができたり、記念写真が撮れたりと武士気分を体感できる。
「仙巌園」を訪れたら絶景を眺めるだけではなく、ぜひ鹿児島の伝統文化を体験してみよう。

薩摩切子だけでなく薩摩焼の絵付けも体験してみよう
薩摩切子だけでなく薩摩焼の絵付けも体験してみよう

鹿児島のご当地グルメも堪能できる仙巌園

園内には、レストランやカフェなどの飲食店も充実。
「仙巌園」の中心にある「桜華亭(おうかてい)」では、地元の食材にこだわった薩摩郷土料理御膳など、鹿児島の郷土料理の数々が味わえる。
「桜花亭」と隣接しているのが和風カフェ「仙巌園茶寮」。鹿児島特産の抹茶・煎茶や薩摩の伝統菓子「かるかん」などを楽しめる。
反射炉跡の近くには、江戸時代から愛されてきた、「ぢゃんぼ餅」が食べられる「両棒餅屋」がある。2本の串がささった一口大のお餅で、仙巌園の名物グルメだ。
雄大な桜島と錦江湾を眺めながら、鹿児島の郷土料理をはじめ、特産品や仙巌園の名物グルメを堪能しよう。

絶対食べるべき仙巌園の名物グルメ「ぢゃんぼ餅」
絶対食べるべき仙巌園の名物グルメ「ぢゃんぼ餅」

鹿児島の伝統工芸や銘菓をお土産に!仙巌園でお土産選びを楽しめるショップ

「仙巌園」には、「土産処 薩摩のれん」・「土産処 島津のれん」をはじめ、お土産選びを楽しめるショップがいくつかある。
「薩摩のれん」では、鹿児島のお菓子や伝統工芸品を数多く取り揃えており、世界三大織物に数えられる「大島紬」や仙巌園限定のお菓子などを購入できる。
一方、「島津のれん」では、かるかん・鹿児島茶・黒酢など、島津家と薩摩にゆかりの深い銘菓や名品が集まっている。
「土産処 薩摩のれん」・「土産処 島津のれん」なら、家族や友人へのお土産にぴったりなアイテムが見つかるだろう。

鹿児島を代表する伝統工芸品「大島紬」など、伝統工芸品をお土産に買って帰ろう
鹿児島を代表する伝統工芸品「大島紬」など、伝統工芸品をお土産に買って帰ろう

仙巌園の周辺観光スポット3選

「仙巌園」の周辺には、鹿児島の自然を満喫できる観光スポットが満載だ。
桜島の歴史を学んだり、桜島を眺めながら足湯に浸かったりして魅力を堪能しよう。
「仙巌園」を満喫したら、これから紹介する観光スポットにも足を運んでみよう。

1. 城山公園

鹿児島市街地中心部の小高い山、「城山」にある自然公園。標高107mほどで、バスや徒歩で気軽に登れる。
頂上の展望台からは鹿児島のシンボル桜島と錦江湾を一望でき、市街地も見渡せるため、夜景も美しい。
繁華街からほど近いにも関わらず、クスの大木やシダ・サンゴジュなど、温帯・亜熱帯性植物が自生する自然の宝庫でもあり、1931年には国の天然記念物及び史跡の指定されている。

桜島と錦江湾。鹿児島のシンボルを一望できる絶景スポット
桜島と錦江湾。鹿児島のシンボルを一望できる絶景スポット

2. 桜島ビジターセンター

桜島港フェリーターミナルから徒歩約10分の場所にある桜島ビジターセンター
映像やジオラマなどの展示で「桜島・錦江湾ジオパーク」として認定される桜島や霧島錦江湾国立公園について紹介している。館内は7つのコーナーによって構成。
多彩な内容で桜島とその周辺の歴史や自然について詳しく知れる。

桜島観光の予習はこちらにお任せ! 入館無料の情報ステーション
桜島観光の予習はこちらにお任せ! 入館無料の情報ステーション

3. 桜島溶岩なぎさ公園&足湯

海辺にあり、無料で利用できる足湯が人気の公園。
地下1,000メートルから湧出する天然温泉は鉄分とミネラルを多く含む赤褐色の足湯に入れば、身体がポカポカ温まる。
全長約100メートルと日本最大級のスケールを誇り、目の前に広がる錦江湾や背後の桜島を眺めつつリラックスしたひとときを過ごせる。

全長約100m、旅の疲れを癒せる日本最大級の足湯が自慢の公園
全長約100m、旅の疲れを癒せる日本最大級の足湯が自慢の公園

仙巌園に関するよくある質問

Q

仙巌園の桜の見頃は?

A

2月上旬が見頃です。

Q

仙巌園には神社もある?

A

「鶴嶺神社(つるがねじんじゃ)」と「御庭神社(おにわじんじゃ)」があります。

Q

仙巌園は世界遺産に登録されている?

A

仙巌園自体は登録されていませんが、園内にある「尚古集成館」と「反射炉跡」が世界文化遺産に登録されています。

まとめ

「仙巌園」内の訪れるべきスポットやアクセス、お勧めの観光シーズンなどを紹介してきた。
鹿児島の雄大な自然と調和した絶景を楽しめる日本庭園や、鹿児島の伝統文化や歴史を感じられる施設が魅力の「仙巌園」。
鹿児島を観光するなら、訪れるべき観光スポットと言っても過言ではない。
自然に恵まれた鹿児島には、この記事で紹介した観光スポット以外にも、魅力的なスポットがたくさんある。
鹿児島の観光を満喫したいなら、観光スポットや飲食店、ショッピングエリアなどを厳選して紹介している、こちらの記事も参考にしてほしい。