【四天王寺の観光ガイド】日本最古のお寺で文化と歴史を感じよう
ほとんどの日本人が知っている偉人「聖徳太子(しょうとくたいし)」が建立した「四天王寺」。
日本最古のお寺であり、日本最古の建築様式が特徴のお寺だ。
美しい自然景観と日本の風情を楽しめる日本庭園もあるため、日本の歴史と文化を感じられるだろう。
この記事では、そんな「四天王寺」の歴史や見どころを紹介する。
広い敷地に多くの見どころが詰まっているが、記事を参考にすればその魅力を思う存分味わえるだろう。
目次
四天王寺ってどんなところ?
大阪市天王寺区に位置し、地名の由来でもある「四天王寺」。
奈良の「飛鳥寺」と並ぶ日本最古のお寺で、聖徳太子が建立に関わったとされる「聖徳太子建立七寺」のひとつ。
聖徳太子とは、飛鳥時代(592年~710年)の皇族・政治家で、仏教を取り入れた天皇による、中央集権国家体制の確立に尽力した人物だ。
世界最古の木造建築であり、世界遺産にも認定されている、奈良の「法隆寺」も「聖徳太子建立七寺」のひとつだ。
「四天王寺」は日本仏法において、初の官寺としても有名だ。
官寺とは国家から監督を受ける代わりに、経済的な保証を受ける寺院のこと。
加えて、公的に認められた寺院の格式でもある。
日本最古の建築様式である「四天王寺式伽藍配置」が特徴で、南から北へと中門・五重塔・金堂・講堂が直線に並び、その周りに回廊が建てられている。
シンボルである五重塔をはじめ、境内には見どころが盛り沢山。
国宝や重要文化財を見学できる宝物館も見逃せない。
四天王寺の歴史
「四天王寺」が建立されたのは593年。
廃仏派勢力との戦争の形勢が不利になった際、打開するために聖徳太子が四天王(仏教世界を守る神様)像を掘り、戦の勝利を願った。
それだけでなく、戦に勝利したら四天王を安置する寺院を建立して、世の全ての人々を救うと誓う。
その願いもあってか廃仏派勢力との戦争に勝利し、聖徳太子の誓いを実行し、実際に建立された。
その後、自然災害や戦火で境内の建物が壊れても人々が協力しあって、その度に復興。現在も日々多くの人々を受け入れている。
四天王寺へのアクセス
大阪観光の移動拠点となる「大阪駅」を起点に、「四天王寺」へのアクセスを紹介しよう。
JR東海道本線の特急でもアクセスできるが、以下の経路と6分程度しか所要時間は変わらないので、気をつけてほしい。
- 経路
-
1.「大阪駅」でJR大阪環状線に乗車し「天王寺駅」で下車
2.「天王寺駅」から北へ歩いて12分ほど - 所要時間
- 約30分
四天王寺の拝観時間と拝観料
「四天王寺」の拝観時間と拝観料は、以下の表を参考にしてほしい。
門は24時間開いており、お堂の外での参拝はいつでも可能だ。
- 拝観時間
-
・4月~9月 8:30~16:30
・10月~3月 8:30~16:00 - 拝観料
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・中心伽藍:大人300円、高大生200円、中学生以下無料
・庭園:大人300円、高大生200円、小中学生200円
・宝物館:大人500円、高大生300円、中学生以下無料
四天王寺のお勧め観光シーズンは?
「四天王寺」を観光するなら、桜を鑑賞できる春がお勧め。
境内の各所で桜を見られるが、「極楽浄土の庭」と呼ばれる日本庭園には特に美しい光景が広がる。
庭園を散策すれば、日本風情を感じられる様々な景色を彩る桜を楽しめるだろう。
桜越しに見える風情たっぷりの五重塔も見逃せない。
ここだけは外せない!四天王寺の見どころ5選
「四天王寺」には見どころが多いが、これから紹介する5つの見どころをおさえれば、日本の歴史・文化や日本仏教の魅力を感じられるだろう。
重要文化財に指定された建物や日本最古の建築様式に注目して、境内を時間いっぱい探索してみよう。
1. 日本最古の建築様式で建てられた「中心伽藍」
「四天王寺」の特徴である日本最古の建築様式が見られる「中心伽藍(がらん)」。
「講堂」・「金堂」・「五重塔」・「中門」・「西重門」から成り、その建築様式と共に各建築物の魅力と見どころを満喫してほしい。
建築物ごとの魅力と見どころは、以下の表を参考にしてほしい。
- 講堂
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「講堂」とは、経典を読んだり法を説いたりする場所のこと。
内部は西側の「夏堂」と東側の「冬堂」に分かれる。
現在の「講堂」は復元されたものだが、当時は聖徳太子も利用していたとされる。
堂内の壁画や忠実に再現された古代のお寺の建築様式が見どころだ。 - 金堂
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「四天王寺」の本尊である、救世観世音(ぐぜかんぜおん)を安置している「金堂」。
迫力のある佇まいと鮮やかな朱色で装飾された外観が魅力。
救世観世音の周囲に配置された、四天王像も見どころだ。 - 五重塔
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「四天王寺」のシンボルとも言える「五重塔」。
創建時に聖徳太子が6つの国=六道(地獄、餓鬼、畜生、修羅、人、天)利救の悲願を込めて、塔の礎石心柱に仏舎利六粒と自身の吉髪六毛を納めたことから、別名「六道利救の塔」ともいわれる。
建物内部は拝観可能で、最上階から大阪市中が見渡せる。 - 中門
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「中心伽藍」の南端にある「中門」には、門の両脇に守護神である金剛力士像が配置されている。
金剛力士の別名が仁王であるため、「仁王門」という別称も。
「中門」を通る際は、迫力ある金剛力士像をよく観察してみよう。 - 西重門
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「西重門」は「中心伽藍」への入口であり、拝観料もここで納める。
鮮やかな白と朱色のコントラストが美しい外観を、じっくり観察してみよう。
「中心伽藍」へ足を踏み入れる場所とあって、神秘的な雰囲気と高揚感を感じられるはずだ。
2. 美景と風情を楽しめる日本庭園「極楽浄土の庭」
「極楽浄土の庭」は、大きな池を中心とする園路を散策して鑑賞する「池泉廻遊式庭園」。
広さ約10,000㎡の園内には、自然の湧き水を利用した小川と池がそれぞれ2つあり、
風光明媚な景観と日本ならではの風情を感じられる。
庭園を散策すれば、桜や新緑、紅葉など、その季節にしか見られない景色を楽しめるだろう。
3. 国宝・重要文化財が眠る「宝物館」
「宝物館」では「四天王寺」が所蔵する、500点以上の国宝・重要文化財などの文化財を保存・展示している。常設展示だけでなく、様々なテーマで企画展・特別展も開催。
時期によっては、聖徳太子をテーマにした企画展・特別展も開催されている。
4. 重要文化財指定の「六時礼讃堂」
境内の中央に位置し、重要文化財である「六時礼讃堂」。
名前の由来は一日で6回の礼拝を行う、六時礼讃という法要から。
供養や納骨などを行う場所でもあり、「四天王寺」の中心的な建造物だ。
六時礼讃堂の前方にある「石舞台」も、「日本三舞台」のひとつに数えられる重要文化財なので、見逃さないように。
5. 現代のお寺では珍しい光景が見られる「石鳥居」
元々は木造だったが、1294年に現在の石造りとなった「石鳥居」。
鳥居は元来結界を張るために聖地の四方に配置される建造物であり、お寺にあっても不思議ではない。
ただ、現代の日本では鳥居があるのは主に神社で、お寺にあるのは珍しい。
そんな珍しい光景を見るためにも、重要文化財に指定された「石鳥居」にも足を運んでみよう。
関西最大級の骨董市「四天王寺骨董市」
毎月21日と22日に開催される、関西最大クラスの骨董市が「四天王寺骨董市」だ。
イベント期間中は300〜500店舗が境内に出店。
食器や雑貨だけでなく、家具や着物、絵画など様々な物が販売されている。
露店もあるため、たこ焼きやじゃがバターなど食べ歩きグルメを楽しめるのも魅力のひとつ。
イベント期間中の活気あふれる境内は、市場というよりもお祭りのような雰囲気だ。
タイミングが合えば、「四天王寺骨董市」で掘り出し物を探してみよう。
大阪の魅力が詰まった四天王寺の周辺観光スポット3選
「四天王寺」の周辺には、大阪で人気の観光スポットが多い。
大阪らしさを満喫できるなんばエリアにも近く、観光プランを組みやすいだろう。
どこを観光するか迷ったら、これから紹介する3つのスポットを巡ろう。
「四天王寺」から近いだけでなく、見どころの多い大阪でも人気の高い観光スポットだ。
1. 通天閣
通天閣は特別野外展望台以下、地上5階、地下1階からなるタワーで、地上87.5mにある5階は、金色で装飾された「黄金の展望台」や、足の裏をなでると幸運が訪れるという神様「ビリケンさん」が鎮座している。ビリケンさんは3代目で、金髪が特徴的。
最上部の地上94.5m、展望回廊直径8.5mの特別屋外展望台「天望パラダイス」には、先端部分がシールスルーになっている跳ね出し展望台「TIP THE TSUTENKAKU」もある。
2. あべのハルカス
2014年にオープンした高さ(地上)300mの高さを誇る超高層複合ビル。
地下2階から14階のフロアには「あべのハルカス近鉄本店(近鉄百貨店)」と「あべのハルカスダイニング」が入居する。
展望台「ハルカス300(展望台)」は58階、59階、60階の三層構造。
最上部の60階は、足元から天井までガラス張りの屋内回廊で、空中散歩しているような体験ができる驚きの空間だ。
3. 天王寺動物園
1915年1月1日に開園、2015年に100周年を迎えた。
約11 haの園内に約180種1000点の動物を飼育、爬虫類生態館「アイファー」やカバやキリン、ライオンなどがいる「アフリカサバンナゾーン」などでは、動物の生息地の景観を可能な限り再現した「生態的展示」を取り入れている。
園内ではさまざまなイベントも開催。
ふれあい広場でのえさやり体験や、期間限定の「ナイトZOO」など季節限定のイベントもあるので、1年を通じていろいろな角度から楽しむことができる。
四天王寺に関するよくある質問
Q
四天王寺の桜の見頃は?
3月下旬~4月上旬です。
Q
四天王寺の蚤の市はいつ行われる、どんなイベント?
毎月、第二日曜日に開催されるイベントです。骨董品・美術品・古着・雑貨など様々なアイテムが販売されます。
まとめ
この記事では「四天王寺」の歴史や見どころを中心に、「四天王寺」を満喫する方法を紹介してきた。
荘厳な建造物の数々と、歴史情緒が溢れる境内の雰囲気が「四天王寺」の魅力だろう。
日本人が美徳とする奥ゆかしさや日本仏教を感じるため、ぜひ「四天王寺」へ観光してほしい。
以下の記事では「四天王寺」を擁する、大阪でお勧めの観光スポットを紹介している。
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