交通情報からモデルコースまで網羅!奈良を遊び尽くす旅行ガイド
1300年以上の歴史を誇る古都「奈良」。
日本で最多となる3つの世界遺産を擁し、国宝・重要文化財の建築・仏像が数多く残る。
歴史的建造物が桜や紅葉で彩られた、趣深い景観も奈良の魅力だ。
人気観光地である京都や大阪からアクセスが良いため、大阪・京都と併せて旅行する人も多い。
京都よりも古い歴史を持つ奈良を旅行するなら知っておくべき情報を、この記事にまとめた。
奈良の人気観光スポットを巡る1泊2日のモデルコースも紹介しているので、ぜひ参考にしてほしい。
目次
京都よりも古い歴史と多くの文化財がある「奈良」
日本のほぼ中央部に位置し、大阪と京都に隣接している「奈良」。
東西に流れる吉野川を境に南部と北部に分かれており、それぞれ異なる特徴を持つ。
標高500m〜600mの山々が囲む盆地や高原のある北部。
南部は県土の3分の2を占める、吉野山地などの山岳地帯となっている。
雄大な山中に広がる渓谷では、季節によって異なる自然景観を楽しめる。
京都へ遷都するまで日本の首都だった奈良は、京都よりも古い歴史を持つ。
奈良が首都だったのは、710年〜784年までの74年間。
そのため、奈良には神社仏閣や史跡などの文化財が多い。
世界遺産や国宝・重要文化財に登録されている文化財も多く、奈良にある国宝と重要文化財は1,331件にものぼる。
世界遺産は「法隆寺地域の仏教建造物」・「古都奈良の文化財」・「紀伊山地の霊場と参詣道」の3つ。
奈良を旅行すれば、京都よりも古い日本の歴史を感じられるだろう。
桜やモミジが植えられている寺社も多く、歴史的建造物と四季折々の自然が織りなす、風情ある景観も人気だ。
豊かな自然と古代ロマンを感じられる奈良を旅してみよう。
奈良の平均気温と着衣例
奈良は比較的温暖な気候だが、北部と南部では気候が異なる。
北部は朝晩の寒暖差が大きく、南部は冬の寒さは厳しく降水量も多いのが特徴だ。
北部でも南部でも冬は、厚手のコートやダウンジャケットなどの防寒着が必要となる。
奈良の月別平均気温
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
平均気温(度) | 4.5 | 5.1 | 8.5 | 14.0 | 19.0 | 22.9 | 26.8 | 27.8 | 23.8 | 17.7 | 11.8 | 6.8 |
奈良の季節ごとの着衣例
- 春(3月 - 5月): 軽めのジャケットおよび薄手のセーター
- 夏(6月 - 8月): 薄手の着衣、半袖
- 秋(9月 - 11月): 軽めのジャケット、コート
- 冬(12月 - 2月): 厚手のコート、ウールスーツ、ダウンジャケット
奈良へのアクセス
東京から奈良へは、京都まで新幹線で行き、近鉄電車に乗り換えるルートがお勧め。
このルートであれば、3時間程度で奈良に到着できる。
大阪や京都からは、電車で1時間程度と短時間で移動できる。
奈良には空港がないため海外からのアクセスは、大阪の「伊丹空港」または「関西国際空港」を経由するルートになる。
関西国際空港から主要駅へのアクセス
バスでのアクセス
- 経路
-
1. 関西国際空港から関西空港第1ターミナルまで徒歩で向かう
2. 関西空港第1ターミナルでリムジンバス・JR奈良駅行に乗車し、「JR奈良駅」で降車
3. バス停から奈良駅まで徒歩1分で到着 - 所要時間
- 約1時間42分
電車でのアクセス
- 経路
-
1. 関西国際空港からJR関西空港線の「特急はるか・京都行」に乗車し、天王寺駅降車
2. 大和路快速・奈良行に乗り換え、奈良駅へ到着 - 所要時間
- 約1時間20分
奈良の主要交通手段
奈良の観光スポットを巡る場合、主要交通手段は鉄道とバスとなる。
奈良市内の主要施設を巡れる「奈良公園・西の京 世界遺産 1-Day Pass・ 2-Day Pass」など、移動費用がお得になる方法を観光プランに合わせて有効活用しよう。
また、効率よく観光スポットを巡るには、JR奈良駅や観光エリアにあるレンタサイクルを利用しても良いだろう。
奈良旅行で利用すべきお得な乗車券
「交通費を抑えて、予算を食事やお土産などに回したい」という方も多いだろう。
そんな方にお勧めの、お得な乗車券をご紹介。
京都や大阪と併せて奈良を旅行する方にピッタリの乗車券も併せて紹介しよう。
定番スポット巡るなら活用したい「奈良公園・西の京 世界遺産 1-Day Pass」
世界遺産に登録され、国宝や重要文化財が集まる奈良公園を中心とするエリアの路線バスが乗り放題となる「奈良公園・西の京 世界遺産 1-Day Pass」。
大人は600円、子供は300円で奈良の主要観光スポットを巡れる。
乗り放題となるエリアと日数が増える、「奈良・大和路 2-Day Pass」もあるため、旅行プランに併せて上手に活用してほしい。
奈良の定番観光スポットを巡る方には、ぜひ利用してほしいお得な乗車券だ。
奈良を中心に関西旅行するならお勧めの「奈良満喫フリーきっぷ」
「奈良満喫フリーきっぷ」は、大阪・京都・奈良自由周遊区間内の、JR線の普通列車(快速・新快速含む)普通車自由席・近畿日本鉄道線の普通列車の普通車自由席・奈良交通バスが乗り放題となるフリーチケットだ。
指定日から連続3日間の利用で、料金は大人:3600円、子供:1800円。
特急列車を利用の場合は別途、特急券が必要なので注意してほしい。
Webサイトからも購入可能で、JR西日本の「みどりの券売機」「みどりの受取機」「みどりの窓口」でチケットの利用開始前までに受け取る。
奈良だけでなく、大阪と京都も旅行を計画している方にはお勧めのフリーチケットだ。
奈良旅行前に知っておくべき4つのエリアの魅力
長い歴史を誇る古都「奈良」には、世界遺産や重要文化財が多く、どこから観光すれば良いのか迷うかもしれない。
でも安心してほしい。
これから紹介するエリア別の魅力と見どころを知れば、奈良のどこに行けば良いのか決められるはずだ。
世界遺産をはじめとする文化財が集まる「奈良エリア」
奈良県北部に位置する「奈良エリア」には、世界遺産に登録された史跡や寺社が多く、奈良の定番観光スポットが集まっている。
旅の移動拠点ともなるJR奈良駅や近鉄奈良駅があり、県外からのアクセスも抜群。
エリア内の交通網も充実しているため、1度に多くの観光スポットを巡れるのが魅力だ。
なかでも奈良公園内の「東大寺」や「春日大社」「興福寺」などの貴重な歴史的建造物は必見。
春日大社の神山として守られてきた「春日山原生林」は、特別天然記念物であり、手つかずの自然も楽しめる。
その他にも「平城宮跡」や「薬師寺」「唐招提寺」などの国宝建築物や史跡があり、見どころは尽きない。
貴重な文化遺産と豊かな自然が調和する、四季折々の素晴らしい景観を楽しんでほしい。
歴史的文化遺産をどのエリアよりも多く巡れる奈良エリアは、初めての奈良旅行にお勧めしたいエリアだ。
悠久の歴史を体感できる「生駒・信貴・斑鳩・葛城エリア」
奈良エリアの西に位置し、山々が連なる豊かな自然と古代の面影が残る「生駒・信濃・斑鳩・葛城エリア」。
古くから庶民信仰の山として親しまれている「生駒山」や、神話のふる里とよばれる「葛城の道」にも貴重な遺跡や寺社が多く残る。
世界最古の木造建築「法隆寺」や、聖徳太子建立七大寺のひとつに数えられる「法起寺」など、聖徳太子ゆかりの古刹巡りが楽しめるのも、このエリアの魅力だ。
日本で最初に毘沙門天王が出現したと伝わる信貴山には、聖徳太子によって創建された「朝護孫子寺」がある。
聖徳太子が毘沙門天王からのご利益を感じたのが寅の年・寅の日・寅の刻だったため、聖徳太子にあやかり、寅の日にお参りすると金運や開運のご利益を授かれるという。
寅の日とは、12日に1度の周期で巡ってくる吉日のことだ。
豊かな自然の風景を楽しみながら散策すれば、このエリアに残る文化や日本の歴史を満喫できるだろう。
古代日本の面影が色濃く残る「山の辺・飛鳥・橿原・宇陀エリア」
奈良エリアの南に位置する「山の辺・飛鳥・橿原・宇陀エリア」は、古代ロマン感じる人気のエリア。
春日山の麓と三輪山を結ぶ「山の辺の道」は、日本最古の歴史書である「古事記」や「日本書紀」にも登場する日本最古の道。
沿道に点在する古寺社や古墳などを散策しながら楽しめる。
「国営飛鳥歴史公園」にある6世紀の築造物・日本最大級の石室古墳「石舞台古墳」も見どころ。
巨石30数個を積み上げて造られた古墳の石の総重量は推定2,300t、天井石は約77tもあり当時の運搬技術と土木技術の凄さを感じられる。
その他にも見どころが多く、第一代神武天皇と皇后を祀る「橿原神宮」や、宇陀松山城の城下町として栄えた古い町並みを散策すれば、タイムスリップしたかのような感覚を楽しめる。
日本最古の道を歩いて、古の人々が築き上げてきた歴史と文化に触れてみよう。
深い歴史と美しい自然景観が残る「吉野路エリア」
奈良の南半分を占める「吉野路エリア」。
吉野川の南岸から大峰山脈へと続く山稜の吉野山は、四季折々の美しい自然が見どころだ。
特に桜咲く春や、色彩豊かな紅葉が広がる秋の景観は見事。
それだけでなく、「古事記」や「日本書紀」にも地名が登場するほど、深い歴史を持つ。
また、修験道(しゅげんどう)の聖地となったことや、後醍醐天皇(ごだいごてんのう)が吉野に朝廷を開いたことから、「吉野山」には神社仏閣や史跡が数多く残っている。
修験道とは古代の日本で発展した、日本独自の信仰や宗教の形態のこと。
悟りを開くために、山へ籠りながら厳しい修行をしていた。
また、歴史ある「吉野温泉」も魅力のひとつ。
温泉施設が点在し、散策で疲れた体を大自然の絶景と温泉で癒せる。
豊かな自然に囲まれた山里では、郷土料理の「柿の葉寿司」や和紙作りの紙漉きなどの伝統文化にも触れられる。
吉野路エリアには、日本の首都でもあった奈良の様々な歴史文化や伝承、美しい自然が残されている。
奈良を満喫するために必要な日数
奈良市に定番観光スポットが集まっていることもあり、1泊2日あれば充分に楽しめる。
ただ、穴場スポットや少しマイナーな観光スポットも巡りたいなら2泊3日の旅程を組んでも良いだろう。
これから紹介するモデルコースも参考に、奈良旅行の旅程を決めてみよう。
奈良の人気観光スポットを巡る1泊2日モデルコース
奈良の魅力である長い歴史を持つ文化財と豊かな自然を満喫できる、1泊2日のモデルコースを紹介しよう。
このモデルコースを参考にすれば、主な世界遺産や国宝、重要文化財はおさえられるだろう。
奈良の旅行プランに迷ったら、これから紹介するモデルコースを参考にしてほしい。
1日目:奈良公園と周辺の人気観光スポットを巡る
1日目は奈良の人気観光スポットが集まる「奈良公園」を中心に観光。
園内には貴重な歴史的文化遺産と天然記念物があり、日本の歴史と四季折々の自然景観を楽しめる。
奈良の魅力をたっぷりと楽しもう。
9:00 近鉄奈良駅からスタート
モデルコース1日目は、近鉄奈良駅からスタート。
駅から歩いて約15分で、奈良公園内にある最初のスポット「奈良国立博物館」に到着する。
9:15「奈良国立博物館」で日本の仏教文化を学ぶ
国内2番目の国立博物館として1895(明治28)年に開館した「奈良国立博物館」。
飛鳥時代(593年〜710年)から鎌倉時代(1185年〜1333年)までの日本の仏教美術を中心に、仏像や物がなど、国宝や重要文化財を数多く展示する。
ゆったりとした環境で仏教美術や、その背景にある豊かな歴史や文化を学ぼう。
11:10 「東大寺」の有名な大仏を見学
奈良国立博物館を満喫したら、約15分歩いて奈良を代表する「東大寺」へ。
「奈良の大仏さま」として親しまれている盧舎那仏坐像が安置される世界最大級の木造建造物、大仏殿をはじめ、東大寺建築のなかで最も古い法華堂(三月堂)、国内最大の山門である南大門など境内には国宝建造物が多数。
見どころ盛りだくさんの東大寺を、じっくり探索しよう。
12:10 「若草山」から歴史的建造物を一望
東大寺の見どころを楽しんだら、徒歩約15分の「若草山」に向かおう。
標高342メートル・山全体が芝生で覆われたなだらかな山で、山麓ゲートから山頂までは、徒歩30分程度で登れる。
頂上に到着したら、興福寺、東大寺など奈良の歴史的建築物を一望してみよう。
13:10「春日大社」の美しい自然と社殿を見学
若草山の景色を楽しんだら、10分ほど歩いて「春日大社」へ。
奈良時代の首都・平城京の守護と国の繁栄のために創建された、全国に約3,000社ある春日神社の総本山。
春日原生林を背景に広がり、世界遺産「古都奈良の文化財」のひとつに認定されている。
社殿の多くは創建当初から配置が変わっておらず、20年に一度、御社殿を美しくする「式年造替」があるため、鮮やかな朱塗りの社殿を常に楽しめる。
その他にも3,000点ほどの国宝や重要文化財を収蔵する美術館や、見頃には幻想的な景観が広がる「藤の園」など、見どころが盛りだくさん。
境内を散策して、様々な魅力を堪能しよう。
15:20「唐招提寺」で国宝の数々を堪能
春日大社の観光を終えたら、最寄りのバス停「春日大社本殿」から「唐招提寺東口」へ向かおう。
中国より来日した「鑑真和上」が日本仏教の発展のために、759年に創建した「唐招提寺」。
奈良時代(710〜794)に建てられた金堂や講堂、日本最古の肖像彫刻の鑑真和上坐像などの素晴らしい国宝をゆっくり見学しよう。
唐招提寺の売店ではお守りやお香、トートバッグ、味噌など様々なグッズを販売。
旅の記念に購入するのもお勧めだ。
16:20 世界遺産「薬師寺」の美しい境内を巡る
唐招提寺の境内を散策したら、歩いて約10分の「薬師寺」へ移動。
697年に完成した薬師寺は、健康祈願のパワースポットとして知られている。
1998年には世界遺産にも登録されており、境内には国宝を含む様々な文化財が点在。
特に国宝・薬師三尊像も必見だ。
境内の建造物は「龍宮造り」と称されるほど壮麗で、見る人を惹きつける。
夕暮れ時の美しいお堂やお寺を、ゆっくり散策しながら楽しもう。
18:00 「奈良ホテル」で趣を感じつつ癒される
薬師寺を満喫したら、徒歩で最寄り駅「西ノ京駅」へ向かい、近鉄橿原線から近鉄難波・奈良線準急へ乗り継ぎ、近鉄奈良駅で下車。
駅から歩いて15分ほどで、1日目の宿「奈良ホテル」に到着する。
1909年に「関西の迎賓館」として開業。
創業時の面影をいたるところに色濃く残している本館は桃山御殿風檜造りで、館内の宝相華をデザインした絨毯や暖炉などで当時の趣を感じられる。
創業時から続くメインダイニングルーム「三笠」と新館の日本料理「花菊」があり、四季折々の食材を使った奈良ホテル伝統の味で楽しませてくれる。
趣を感じられる空間と日本料理に癒されよう。
2日目:奈良に残る古代の面影と豊かな自然を楽しむ
2日目は豊かな自然と古代ロマンを感じるスポットを巡る。
日本最古の道を歩き、古社を訪ねてご当地グルメも堪能。
壁画でも有名な古墳を見学したら、最後は日本一の桜の名所としても知られる吉野山へ。
京都よりも古い歴史を持つ奈良だからこそできる、旅行プランだ。
8:00 JR奈良駅からスタート
2日目はJR奈良駅からスタート。
奈良ホテルからは歩いて25分ほどかかるため、タクシーの利用も検討してほしい。
JR奈良駅に到着したら、JR桜井線に乗車して巻向駅で下車。
徒歩かタクシーで檜原神社に向かい、「山の辺道」へ入ろう。
9:00 古代の日本人も歩いた「山の辺の道」を散策
春日山の麓と三輪山の麓を結ぶ日本最古の道といわれ、現在は人気のハイキングコースともなっている山の辺の道。
日本最古の大神神社を目指し、未舗装路で土の感触を楽しみながら歩くと、梅林や柿畑など次々と異なる景色が現れる。
ゆるやかな道なので体力的にも辛くなく、景色を楽しむ余裕もあるだろう。
1時間ほど歩けば、次の目的地「大神神社」に到着。
日本最古の道を歩いて景色を楽しみつつ、同じ道を辿った古代の日本人に想いを馳せてみよう。
10:00 「大神神社」で様々なご利益を授かる
「大神神社」は三輪山を本殿とし、大物主大神(おおものぬしのおおかみ)を祀る。
「大神」と書いて「おおみわ」と詠み、古くより神様の中の大神様として日本国の守護神となっている。
拝殿の奥は禁足地として足を踏み入れない神聖な場所で、禁足地と拝殿の間には結界として「三ツ鳥居」と瑞垣があり重要文化財となっている。
入口の大鳥居をくぐり、良縁のご利益がある「夫婦岩」や撫でると幸せになれる「幸せのなでうさぎ」など、境内のパワースポットを巡って様々なご利益を授かろう。
11:45 「千寿亭」で三輪そうめんを味わう
大神神社での参拝を終えたら、歩いて約30分の千寿亭へ。
三輪そうめんの老舗「池利」が手がける「千寿亭」。
夏は冷やしそうめん、冬は温かいにゅうめん、会席風のお膳が人気。
厳選された小麦・塩水を使い、職人が丁寧に作り上げた「そうめん」は、なめらかな舌触りと香り、甘みが特徴だ。
極上の手延べそうめんを、風情ある店内でゆっくり味わおう。
14:10 「高松塚古墳」で古代ロマンを感じる
三輪そうめんを堪能したら、歩いて三輪駅へ向かい、JR桜井線に乗車。
畝傍駅で下車し、歩いてバス停「大和八木」へ。バスに乗って近鉄飛鳥駅へ向かおう。
駅からは歩いて約15分で「高松塚古墳」に到着する。
「国営飛鳥歴史公園」にある高松塚古墳は、7世紀末から8世紀初頭にかけて築造された終末期古墳。
下段は直径23m、上段は8m、高さ5mの二段式の円墳だ。
石室内の壁画は有名で、数名の男性や女性、四神の青龍と玄武、太陽や星が描かれている。
隣接する壁画館で模写の壁画を実際に見てみよう。
古い時代の古墳なので、まだ解明されていない事も多く、古代ロマンを体感できるだろう。
16:30 「吉野山」を散策して四季折々の景観と名所を楽しむ
高松塚古墳の観光を終えたら、歩いて近鉄飛鳥駅へ戻ろう。
近鉄南大阪・吉野線に乗車して、吉野駅で下車。
春であれば桜、秋であれば紅葉と、世界遺産でもある金峯山寺などの名所・旧跡を散策しながら楽しもう。
桜と紅葉の見頃には、それぞれライトアップされるため、時間の許す限り美しい景色を鑑賞してほしい。
奈良旅行で外せないご当地グルメ3選
古都・奈良では、伝統あるご当地グルメを味わえる。
歴史深い観光スポットを巡ったら、長い歴史を持つ料理も楽しんでほしい。
古くから愛される奈良のグルメを3つに厳選して紹介しよう。
1. 柿の葉寿司
魚を塩で絞め保存性を高め、乾燥を防ぎ防腐効果のある柿の葉で包み、重石で空気を抜き発酵させる。
作って一晩置くことで柿の葉の香りと、魚の旨味が酢飯に染み込み風味が増す。
奈良の吉野地方のご当地グルメで、山村の人々の保存食だったとする説や、夏祭りなどの行事で食べる御馳走だったとする説がある。
山深い地域だからこそ生まれた郷土料理をぜひ食べてみてほしい。
2. 天理ラーメン
奈良県北中部に位置する天理市のご当地ラーメン。
豚骨・鶏ガラ・ニンニク・豆板醤をベースにしたスープと、白菜や豚肉、ニラなどのたっぷり具材を乗せたものが「天理ラーメン」だ。もちもちした麺はスープに良く絡む。
豆板醤の辛さと白菜の甘みも感じられ、コクと旨味が調和する「天理ラーメン」は絶品。
奈良を旅するスタミナをつけるためにも、食べてみよう。
3. 三輪そうめん
日本における「そうめん」発祥の地として知られている、奈良桜井市の三輪地区。
その三輪地区で作られた「三輪そうめん」の特徴は、長時間かけて少しずつ延ばしながら熟成を繰り返す、手延べ製法ならではの麺の細さとコシの強さ。
一般的なそうめんより、はるかに細い麺ながらもしっかり歯ごたえのある強いコシを持ち、滑らかで繊細なのど越しを感じられる。
そうめん発祥の地で、古くから続く奈良の食文化に触れてみてほしい。
泊まるならココ!歴史情緒感じる宿泊施設3選
モデルコースで紹介した宿泊施設以外にも、奈良には歴史情緒を感じられるホテルや旅館は多い。
その中でも特にお勧めの宿泊施設を3つに厳選して紹介しよう。
奈良旅行の宿選びに迷ったら、ぜひ参考にしてほしい。
1. ふふ 奈良
奈良公園の一角にあり、奈良観光の拠点にもぴったりな立地が魅力。
建物は日本建築の巨匠、隈研吾氏が手掛けた。窓の外には木々がゆれ奈良公園の神聖な空気を感じられる。
さらには客室露天風呂も完備されているため、ゆったりと寛げる。
スタイリッシュスイートからふふラグジュアリープレミアムスイートまで全室スイートの5種類の部屋が用意されており、部屋によってファブリックのデザインや家具が異なるこだわりも魅力。
2. 奈良 万葉若草の宿 三笠
世界遺産の春日山原始林に隣接し、野生の鹿が生息することで知られる若草山中腹の和風旅館。
ミシュランガイド京都・大阪・神戸・奈良2012では、3レッドパビリオンの評価を受けた実績をもつ。
奈良市街地一帯の宿泊施設の中でも最高所に位置する好ロケーションで、ロビーや一部の客室から古都奈良の町並みを一望。
とりわけ、日が沈んだ後の夜景は息をのむほどに美しい。
モデルコース2日目の宿泊先としてもピッタリだ。
3. 朝日館
およそ140年前に創業した「朝日館」。世界遺産・大峯山の登山口前にあり、古くから登山客たちの憩いの宿として親しまれてきた。
提供する料理には地元の旬の幸が盛りだくさんで、鮎の塩焼きから新鮮な鹿刺し、山菜料理まで勢揃い。
周辺には自然体験できる場所も多く、朝日館では歴史も自然も感じられる。
春の奈良旅行で訪れるべき桜の名所
奈良は桜の名所が多い地域として、昔から知られている。
特に「吉野山」は日本一の桜の名所といわれ、見頃を迎えると約3万本もの桜が咲き乱れる。
日没後のライトアップされた夜桜も美しく、辺りは幻想的な雰囲気に包まれる。
人気観光スポットの集まる「奈良公園」の広大な敷地には、約1,700本もの桜が随所に植えられており、様々な品種の桜を見比べられる。
奈良県の東側、宇陀市にある有名なシダレザクラ「又兵衛桜」の、満開の花をつけた枝が滝のようにしだれる姿も圧巻。
春に奈良を旅行するなら、ぜひ桜の名所もプランに加えてほしい。
例年の桜の開花日と満開日、見頃は以下の表を参考にしてほしい。
ただし、その年の気候や気温、スポットによって開花日と満開日、見頃は前後することに注意しよう。
- 開花日
- 3月28日
- 満開日
- 4月4日
- 桜の見頃
- 4月4日〜4月10日
参考:気象庁 さくらの開花状況
参考:気象庁 さくらの満開状況
秋の風情を感じられる奈良の紅葉の名所
歴史的建造物と紅葉が調和した空間で、日本の秋ならではの風情を感じられる奈良。
色彩豊かなカエデが折り重なり、趣深い景色が広がる「正暦寺」。
朱色に染まる紅葉と朱色の建築物で、深紅に染まる境内が美しい「談山神社」。
全国紅葉100選にも選ばれた「長岳寺」など、紅葉の名所として知られる寺社が多い。
例年11月上旬〜11月下旬に見頃を迎えるが、その年の気候や気温、スポットによって見頃は前後する。
旅行前にその年の紅葉の見頃をチェックしておこう。
奈良旅行に関するよくある質問
Q
奈良を旅行するのにお勧めの季節は?
桜や紅葉の名所が多い奈良は、春と秋の旅行がお勧めです。
Q
親子旅行でお勧めの奈良の観光スポットは?
奈良公園をはじめ主要な観光スポットが集まる奈良エリアなら、徒歩やレンタサイクルで巡れるのでお勧めです。
まとめ
長い歴史と豊かな奈良の魅力を満喫するために、知っておくべき情報を網羅的に紹介してきた。
この記事の内容、モデルコースを参考にすれば、奈良を満喫できること間違いなしだ。
ただ、この記事では紹介しきれなかった魅力的なスポットも多い。
奈良をもっと知りたい方は、人気観光スポットと、お勧めの宿泊施設・グルメ・お土産などを紹介しているこちらの記事も併せて読んでほしい。