自然の恵みで美しく健康に”心身ともにキレイになる温泉宿9選”
自然の恵みを利用して、心身ともに癒やされる「温泉」は古くから日本人に愛されてきました。
近年は訪日観光客からも高い人気を得ていますが、温泉は健康や美容にもよいというのは知っていますか。
今回は国内外の温泉に年間約200日入浴する、温泉ビューティ研究家の石井宏子さんに、温泉で期待できる作用や美しくなるための温泉の入り方を尋ねました。
大学講師・カリスマ温泉ソムリエなど幅広い顔を持つ石井さんに、キレイになれる温泉宿も教えてもらったので最後まで必読です。
目次
そもそも温泉ってなに?
温泉は日本人にとって馴染み深く、とても身近な存在です。
世界中で見ても豊かな資源と温泉施設数を誇り、全国に温泉の名所が点在しています。
日本旅行の大きな目的のひとつが「温泉」という人も多いのではないでしょうか。
そんな温泉ですが、定義は各国で少し異なります。
日本では、”地中から湧出する温水および鉱水、水蒸気その他のガスを指し、特定の温度や成分を含むもの”として温泉法で定義されています。
具体的には、次の2つの要件のどちらかを満たした場合です。
- 摂氏25度以上の温度を持つ
- 特定の物質を一定量以上含む水 ※鉄イオン・水素イオンなど19種類の指定成分が該当
温かいお湯をイメージする人も多いと思いますが、条件を満たせば25度以下の冷鉱泉や温度が高い水蒸気なども温泉に定められるのです。
また、温泉の中でも特に療養にもお勧めできる成分を含み、基準に適合した温泉は「療養泉(りょうようせん)」と呼ばれます。
これらの定義は、温泉の保護と利用を目的に設けられ、温泉地の開発や温泉水の品質保持に役立てられています。
温泉の泉質と働きとは?
温泉のうちとくに療養に役立つ泉質をもつ温泉が「療養泉」です。療養泉には泉質名がつけられており、それぞれに適応症があります。
「泉質(せんしつ)」とは、温泉に含まれる含有成分の主成分・副成分を現したものです。
簡単に言えば、温泉(療養泉)の種類のことで、以下の3グループ10種類に大きく分類されます。
【単純温泉】:特定の物質の含有量が1kg未満かつ温度が25度以上
1. 単純温泉 ※pH(水素イオン)が8.5以上のものを「アルカリ性単純温泉」と呼ぶ
【塩類泉】:特定物質の含有量が1kg以上(成分によって分類)、温度は不問
2. 塩化物泉
3. 炭酸水素塩泉
4. 硫酸(りゅうさん)塩泉
【特殊成分を含む温泉】:指定の特殊成分の含有量が一定数以上、温度は不問
5. 二酸化炭素泉
6. 含鉄(がんてつ)泉
7. 酸性泉
8. 含よう素泉
9. 硫黄(いおう)泉
10. 放射能泉
泉質は各温泉の脱衣室の出入口などに掲示された、「温泉分析書(温泉の基本情報や特徴を記載したもの)」や温泉旅館のホームページを読めば確認できます。
これらはやや専門的な説明ですが、一口に温泉と言っても様々な個性を持っています。
温泉の色・肌触り・香りを観察すれば、ある程度は判断できるので、あまり難しく考えなくても大丈夫です。
「適応症」とは入浴で期待できる作用を指し、泉質によって定められます。
温泉は自然のものなので、様々な成分が含まれており、ひとつ一つ全てが違います。
ひとつの泉質だけの温泉はその成分の含有量の割合が多く、複数の泉質が並んでいる場合は、複数の成分がバランスよく含まれている温泉で、それぞれの温泉の個性ととらえて楽しみましょう。
そのため、温泉の恩恵を最大限に受けるためには、自分の体調や目的に合った泉質選びが重要と言えます。
温泉に入ることで得られる4大美容作用
泉質にもよりますが、温泉に入浴することで、”美肌”・“デトックス”・”ダイエットサポート”・”アンチエイジング”といった美容が期待できます。
具体的な美容の目的は表にまとめました。
温泉には単に体を温めるだけではなく多くの作用が期待でき、それらが組み合わさることで健康・美容の両面でサポートしてくれるのです。
- 美肌
-
・血行(血流)の促進
・シミ、くすみ予防
・肌荒れ、炎症の予防および回復促進
・保湿(しっとりすべすべ肌)
・角質ケア、美白サポート - デトックス
-
・体内の老廃物の排出サポート
・新陳代謝の活性化
・体温の上昇による発汗作用
・便秘(腸内環境の活性化)
・殺菌(にきびなどの肌悩み) - ダイエットサポート
-
・基礎代謝の向上(リンパの流れを整える)
・自律神経のバランスを整える
・むくみ対策
・保温作用が持続 - アンチエイジング
-
・ストレス緩和(肌トラブルの抑制につながる)
・リラックス
・シワやたるみ対策
・疲労回復
美容効果を高める入浴法
続いて、美しくなるためにお勧めの温泉の選び方、入浴方法を紹介します。
入る温泉や入り方も大切なので、効果的な入浴の仕方を覚えましょう。
3大美人泉質の温泉を選ぶ
「炭酸水素塩泉」・「硫黄泉」・「硫酸塩泉」の泉質は3大美人泉質と呼ばれ、温泉ビューティ研究家の石井さんは特に注目したい泉質だといいます。
これから3つの泉質について紹介していきますので、温泉に入って美しくなりたい方は内容を参考にいずれかが含まれる温泉を選びましょう。
1. クレンジング作用を期待できる炭酸水素塩泉
肌の汚れや古い角質を落としたいなら、「炭酸水素塩泉(重曹泉)」がお勧めです。
せっけんのような作用があり、肌の汚れや古い角質をやさしく落としてくれます。
入浴後は皮膚表面の水分発散が盛んになり、肌のすべすべ感や清涼感を得られるのが特徴です。
冷え性、切り傷にもお勧めできると言われていますが、湯上り後は肌の乾燥に注意が必要なので、早めの保湿ケアでうるおいをキープしましょう。
「アルカリ性単純温泉(pH8.5以上)」にも、同様の作用が期待できます。
単純温泉は低刺激で肌に優しいため、デリケートな肌の方や小さな子どもにもお勧めできます。
2. 身体の中からキレイを目指せる硫黄泉
温泉らしい香りに癒やされる「硫黄泉」の温泉には、血行促進作用があり、身体が芯から温まりやすくなります。
身体も肌の代謝もサポートしますので、デトックスやシミ・くすみの悩みや予防など美容への期待も高い泉質です。
血行が良くなれば、酸素や栄養の供給が全身に行き渡り、老廃物の排出もサポートしてくれます。
その結果として、新陳代謝を促進し身体の中からキレイになり、健康的で美しい肌に導いてくれるのです。
また、殺菌作用も特徴のひとつで、アトピー性皮膚炎・慢性湿疹なども適応症のひとつになっています。
3. 保湿作用を期待できる硫酸塩泉
「硫酸塩泉」の温泉に浸かれば、塩の成分が肌を包んで、肌の水分や熱を逃しにくくなります。
温泉からあがった後は肌がしっとりするだけでなく、パックをしたような感覚で暖かい状態が続くのも特徴です。
温泉の水分が肌へ運ばれて肌にうるおいをもたらしてくれるので、悩んでいる人にも良いでしょう。
また、古くから戦国武将が戦いの後に入った温泉に多い泉質で、「傷の湯」という別名を持つほど、鎮静・肌の修復作用が期待できると言われています。
温泉の作用を最大限に期待したい方の温泉の選び方
あまり加水(水道水や湧水などを浴槽に追加で入れること)されていない温泉の方が、作用が得られやすいと言えます。
その理由は、温泉の成分が薄まることなく、本来その温泉がもつ作用が損なわれていないことが期待できるからです。
温泉の鮮度を期待する方は、「源泉かけ流し」(源泉に加水・加温・循環を行わずに湯船に注いでいる状態)か「足元湧出(あしもとゆうしゅつ)」(地球から自然湧出する源泉がそのまま湯船になっている)の温泉に注目です。
源泉かけ流し
「源泉かけ流し」とは、常に浴槽に新しい源泉が注ぎ続けられている温泉を指します。
成分が薄まらず、本来の温泉の力を最大限に感じられるのが特徴です。
加水・加温・循環なども行われないので、その温泉本来の色や香り、肌触りを体験できるのも魅力ですね。
足元湧出
「足元湧出」とは、地下から自然の力で湧き出す温泉にそのまま入れる温泉です。
日本でも非常に珍しく、全国で20〜30ヵ所しか存在しない特別な存在とされています。
湯船の底から新鮮な源泉が湧き出るので、文字通り「生まれたて」の温泉に浸かれるのが大きな特徴ですね。
そこから温度や浴感が少しずつ変化していく様子を感じられることから、究極の入浴体験ができると言えるでしょう。
深部体温を上げて、身体の中からキレイに
温泉に入る時は、深部体温が上がるように入りましょう。
深部体温が上がると、文字通り体の芯まで温まり、血行が促進されている状態が長続きします。
自律神経を整えて、睡眠の質向上をサポートしたり、むくみ・老廃物の排出を助けたりして、すっきりします。
ポイントは一度に30分など長時間浸かるのではなく、回数を分けて「分割入浴」することです。
心地良さや成分を多く取り入れたいという気持ちから、長々と1回で入ってしまいがちですが、そうすると表面の温度だけ急上昇してしまい、深部体温は上がりにくいので注意してください。
最初は3回を目安に、額に汗をかき始めたら温泉から出て、少し休んでまた入浴する、というサイクルを繰り返すと良いでしょう。
1回あたりの時間は個人の体質・体調によって異なりますが、温泉ビューティ研究家・石井さんのお勧めは、5分→8分→3分のペースを基本に考え、状態に合わせて調整する入り方です。
休憩のインターバルは長くても大丈夫なので、一度部屋へ戻って、また時間をあけて入りに行く方法でもかまいません。
無理をせずあくまでも自分の感覚を大切にしましょう。
入浴後はシャワーで流さずに、そのまま出るか、かけ湯で軽く流すと、より温泉の作用が持続します。
入浴する温泉の順番にこだわり、身体の芯からキレイに
より美肌になりたいのであれば、温泉に入る順番も重要です。
”3大美肌美人泉質”が含まれる温泉のある旅館や温泉地に訪れたら、温泉ビューティ研究家の石井さんがお勧めする入り方を参考にしましょう。
- クレンジング作用を期待できる「炭酸水素塩泉」
- 新陳代謝の促進を期待できる「硫黄泉」
- 保湿作用を期待できる「硫酸塩泉」
身体の中からキレイにしてくれる「硫黄泉」は、最後でも2番目でも大丈夫です。
スキンケアと同じで、クレンジング後に保湿をした方がより効率的ですので覚えおきましょう。
また水分補給して心身の流れを整えておくと、より身体の芯からキレイになれます。
他人との入浴に抵抗ある方は貸切風呂か温泉付きの部屋がお勧め
日本の温泉文化の特徴に、”裸で入浴する(タオルをつけない)”・”原則タトゥー・入れ墨の禁止”・”髪が湯面に触れないようにする”などが挙げられます。
これらの内容に加えて、他人と一緒に温泉に入ること自体に抵抗感を覚える人も多いでしょう。
そんな時は、「貸切風呂(家族風呂)」もしくは「温泉付きの部屋」がある場所を選ぶのがお勧めです。
- 貸切風呂(家族風呂)
- 露天風呂や内湯を時間制で独占的に利用できる
- 温泉付きの部屋
- 客室に露天風呂や内湯が完備されている
「貸切風呂(家族風呂)」は、プライバシーを重視する方や、家族・カップルでの利用に適しており、静かにゆっくり温泉を楽しめます。
周囲を気にせずリラックスでき、贅沢な時間を過ごせるのが魅力です。
基本的に宿泊とは別に予約が必要で、利用状況次第では希望する時間帯に入れない点も覚えておきましょう。
「温泉付きの部屋」は、プライベートな空間で温泉を満喫できます。
大浴場への移動が不要で、いつでも好きなタイミングで何回でも温泉に入れるのもメリットです。
いずれも全ての温泉施設にあるわけではないので、注意してください。
温泉ビューティ研究家が厳選!心も体もキレイになる温泉宿9選
ここからは温泉ビューティ研究家 石井宏子がお勧めのキレイになれる温泉宿・温泉地を紹介していきましょう。
石井さんが日本全国に2万件以上ある温泉施設の中から、とっておきの温泉を9つに厳選してくれました。
温泉力はもちろん、健康や美容、食事やリラックス作用が期待できる温泉を全国からピックアップしていただきました。
北は北海道、南は長崎県まであるので、きっとお気に入りが見つかりますよ。
1. 炭酸水素塩泉のデパート「北海道・銀婚湯」
北海道の南部、二海郡(ふたみぐん)八雲町にある「温泉旅館 銀婚湯」は、1927年に創業した純和風の宿です。
名前の通り銀婚式(結婚25周年目)を迎えた夫婦に人気なだけでなく、ひとり旅やあらゆる世代にファンがいて、四季を感じながらのんびりとした時間を過ごせます。
様々な炭酸水素塩泉の源泉が敷地内から湧き出ているのが同温泉の魅力で、”炭酸水素塩泉の温泉のデパート”と表現できるほど。
大自然の中で入るなめらかなお湯は、訪れる人々に癒やしを与えること間違いなし。
お風呂は広大な敷地内に5ヵ所の貸切風呂のほか、大浴場・家族風呂など全部で11カ所あります。
特に森の並木道や川の吊り橋を歩いて向かう貸切風呂は、「隠し湯」として遊び心が満点で野湯(自然の中に存在する温泉)のような感覚で入れます。
館内も木造で明るく清潔感が保たれ、和室で全室統一されているため、日本の伝統的な宿泊体験ができるでしょう。
2. 大地が香る温泉でしっとりすべすべのお肌に「宮城県・東鳴子温泉 旅館大沼」
宮城県の最北端、大崎市にある「東鳴子(ひがしなるこ)温泉 旅館大沼」は、120年以上の歴史を持つ名湯です。
源泉は全国でも数少ない異なる2種類の重曹泉を有し、炭酸水素塩泉が全体の85%もあるため、肌すべすべのクレンジング作用が期待できます。
植物由来の成分が入った紅茶色の温泉で、木や土のような癒やされる香りがするのが大きな特徴です。
ミネラル豊富なお湯は身体を芯から温め、入浴後はとてもしっとりとして、肌の元気をよみがえらせてくれます。
同旅館の自慢は四季の美しさを楽しむ庭園貸切露天風呂を含む、8つの個性的なお風呂があり、全てが源泉かけ流し。
その内5つは貸切可能で、安心して利用できるので女性の一人旅にもお勧め。
また館内は「音」と「水」にこだわった優しい空間で、心身ともにゆったりできるでしょう。
食事は地元の食材にこだわった料理を提供し、胃腸に負担をかけないヘルシープランや、仙台牛が付いた贅沢プランの4コースから選べるのもうれしいポイント。
3. 働く企業戦士の安息地「新潟県・栃尾又温泉 自在館」
「栃尾又温泉 自在館」は、新潟県魚沼市にある静養を目的とした湯治宿です。
無色透明で温度は35度前後の「ラジウム温泉(単純放射能泉)」が有名で、自律神経やホルモンバランスを整えてくれる作用が期待できます。
短くても30分、1時間ぐらい長く入り、休憩を繰り返すのが、同温泉の伝統的な入浴法なので、ぜひ実践してくださいね。
ぬるま湯に長時間浸かると、副交感神経に切り替わり体の緊張がほぐれて、深いリラックスをもたらし、ぐっすり眠れます。
また「万病の湯」とも称され、温泉や空気に含まれるラドンが細胞を活性化し、免疫力を整え新陳代謝も向上するなど、古くから湯治場として愛された温泉力も特徴のひとつ。
食事も健康に配慮した一汁四菜の湯治食が中心で、毎日違うメニューで素朴で優しい手料理を味わえるのも魅力と言えます。
身も心も落ち着くため、仕事などでストレス・疲れが溜まっている社会人にもお勧めです。
4. 生まれたての化粧水に浸かる「群馬県・法師温泉 長寿館」
群馬県みなかみ町に位置する、歴史の深い温泉宿が「法師温泉 長寿館」です。
築100年を超える木造建築の温泉は、国の登録有形文化財に指定されており、古き良き時代の雰囲気を感じさせ、心が安らぎます。
源泉は保湿作用が期待できる硫酸塩泉の温泉で、弘法大師(こうぼうだいし)が巡錫(じゅんしゃく)の折、発見した「法師乃湯」を筆頭に3つの温泉浴場から楽しめます。
足元からぷくぷくと湧き出す「足元湧出」の温泉を堪能できるのも、覚えておきたい魅力です。
地球から生まれたての化粧水に入っているかのように、肌がしっとり潤っていく感覚を実際に体験しましょう。
部屋の中は多くの文人墨客が泊まった当時の面影を残しており、昔ながらの風情に触れるのも最高ですよ。
食事は山菜や川魚など里山の幸や、タンパク質が摂れる地元産の上州牛(通常プランは上州麦豚)を食べられます。
5. 3大美肌泉質を網羅!「神奈川県・箱根 芦之湯 松坂屋本店」
「松坂屋本店」は、神奈川県の南西部、国内屈指の温泉地としても名高い箱根にあります。
江戸時代(1603年〜1868年)から多くの人々に愛されてきた「芦之湯」を、時を越えた今も変わらずに楽しめます。
この宿に宿泊した人はもちろん、日帰り入浴も可能な温泉は、自家源泉エメラルドグリーン、日によっては白濁するという珍しい名湯で、三大美人泉質「硫黄泉」「炭酸水素塩泉」「硫酸塩泉」の成分がバランスよく含まれた温泉です。
毎分200リットルも湧出する湯は100%源泉かけ流しのうえ、”3大美肌泉質”が全て入っている温泉は「松坂屋本店」の最大の魅力でしょう。
箱根山の雄大な自然と静寂に包まれた客室は、春夏秋冬で異なる表情を見せ、歴史の温もりが宿泊客を優しく受け入れてくれます。
江戸時代の旅人に振る舞われた料理を表現した「宿場会席」、滋養をもたらす「旅人朝食」など食事も注目したいポイントです。
6. 心と体の疲労が回復する都会のオアシス「東京都・星のや東京」
現代に合わせて進化する塔の日本旅館「星のや東京」は、東京駅(丸の内北口)から徒歩10分と、アクセス良好な場所にあります。
伝統的な日本旅館の要素を取り入れつつ、現代的な快適さと洗練を兼ね備えた新しいタイプの旅館で、国内外のゲストに人気です。
注目は地下1,500mから湧く、「化石海水型」の天然温泉。
地中深くに閉じ込められた海のミネラル類を豊富に含む塩分の濃い温泉で、身体の疲れを癒やしてくれます。
また、天空朝稽古や深呼吸養生、ボディリメイクなど、ボディチューニングしてくれるプログラムの充実も見逃せません。
各階にあるお茶の間ラウンジ(24時間営業)の存在も、「星のや東京」ならではの魅力です。
自由にくつろげるセミプライベート空間で、お茶やお菓子、読書など大人から子供まで、様々な楽しみ方ができます。
7. 骨の髄まで温まる名湯「兵庫県・有馬温泉 陶泉御所坊」
兵庫県神戸市にある「有馬温泉」は、日本三古泉のひとつに数えられる伝統的な温泉です。
「日本書紀・古事記(日本最古の歴史書)」にも記されており、たくさんの著名人から愛されてきました。
有名なのは、「金泉」と呼ばれる褐色の含鉄強食塩泉と無色透明の「銀泉」です。
特にマントル(地球の核とプレートの間にある層)に熱せられて、高温のお湯が湧き出しているという成り立ちの「金泉」は、地球規模で考えても特殊な温泉で、入浴すると身体の芯から奥深く温まるような感覚になります。
この感覚は他の温泉では味わえない「有馬温泉」ならではと言え、骨の髄まで温まるような感覚すらするほどで、お湯の質の良さを実感できるでしょう。
また、自然に囲まれた情緒あふれる温泉街というのも、「有馬温泉」の魅力のひとつ。
温泉に行くまでの街歩きも楽しく、道中には美味しいグルメも満載なので、飽きずに満喫できるはずです。
坂道が多い場所を楽しく歩けるというのは、ダイエットや美と健康のための軽い運動と考えれば悪くないでしょう。
そんな有馬温泉でお勧めの温泉宿は「陶泉 御所坊」です。
創業1191年の有馬温泉最古の温泉宿で、温泉は金泉の源泉掛け流し。神戸ビーフのステーキなど美食が楽しみな宿でもあります。
客室は各部屋で間取りや設えが異なり、源泉かけ流し温泉付きプレミアムスイートから中庭が見えるスタンダードタイプまであり、時の文豪たちの執筆活動の場ともなりました。
8. とろみに包まれ癒やされる「徳島県・和の宿 ホテル祖谷温泉」
徳島県三好市にある「和の宿 ホテル祖谷(いや)温泉」は、日本三大秘境のひとつとされる祖谷渓に位置する温泉宿です。
渓谷の静寂と自然に囲まれた風景を楽しみながら、露天風呂にゆったりと浸かれるのが特筆すべき魅力でしょう。
露天風呂にはケーブルカーで約5分かけて向かいますが、そこからの眺めや川の音も堪能したいポイント。
源泉かけ流しの泉質は加水も循環もさせていない「アルカリ性単純硫黄温泉」で、肌をなめらかに整え血行を促進します。
人肌ぐらいの温度と、入った瞬間に感じるとろとろの感触が特徴です。
入浴後5分ぐらいじっとしていると、細かい泡が肌につき、触るとその泡がとろけるように消えていく神秘的な体験も同温泉ならではの特徴です。
炭酸ガスを含有しているわけではありませんが、新鮮な源泉がすぐ横にあり、地中の温泉に閉じ込められた空気が注がれた瞬間に泡となって表れるという、天然の温泉だからこその楽しみです。
宿は祖谷渓を天空から見渡すようなロケーションで、素晴らしい景観が見られる客室は様々なタイプが用意されているため、お好みを選ぶと良いでしょう。
9. 身体の中からキレイになれる「長崎・雲仙温泉 福田屋」
「雲仙(うんぜん)温泉 雲仙福田屋」は、長崎県雲仙市に位置する民芸モダンの旅館です。
開放感のある露天風呂に、サウナも完備した内湯、個性的な貸切風呂と目的に応じた源泉かけ流しの湯を楽しめるので、誰と行っても満足できるしょう。
温泉は硫黄泉の泉質でデトックス作用に加えて、血行促進や排出促進も期待できます。
肌代謝のサポートにもつながりますので、シミ・くすみ対策の”美白の湯”とも言えますね。
7つのコンセプトを持つ客室で四季折々の風景を楽しみ、雲仙の大自然と一体化するひと時を過ごしましょう。
また、味も香りも深く、自然のエネルギーを感じられる雲仙伝統の在来種・伝統野菜を食べられるのもうれしいポイント。
なかでも、素材の味が活かされた天ぷらは、一口ごとに変わる食感がたまらない絶品で、訪れたらぜひ堪能してほしいです。
まとめ
この記事では美容力が期待できる温泉や、北から南までお勧めの温泉宿を9つ紹介してきました。
入る順番や時間を説明しましたが、温泉は1回入るだけでも恩恵を感じられるので、多く入るのが苦手な方も安心してください。
まずは自分のペースで楽しみ、温泉を好きになることも大切ですよ。
美しく健康になる作用を期待できるだけではなく、日本文化の体験や和の空間に触れられるのも温泉(宿)の醍醐味と言えます。
その土地の歴史やグルメ、街並みなど、温泉以外の側面も同時に楽しめるのも魅力です。
せっかく日本旅行するなら、温泉をプランに組み込んで思う存分満喫しましょう。