日本の伝統と歴史を肌で感じよう!石川の旅行ガイド
古くから北陸地方の中心地として栄え、文化や伝統技術を大切に受け継いできた「石川県」。
日本情緒あふれる風景や質の高い工芸品の宝庫である石川を旅行すれば、日本文化をより深く感じられるだろう。
この記事では、石川旅行前に知っておきたい基本的な情報や、主な観光地とその魅力、お得な乗車券やモデルコースなど網羅的にご紹介。
記事を参考に旅行すれば、石川の魅力を満喫できるだろう。
目次
様々な形で日本の歴史と文化に触れられる「石川」
本州の中央部、日本海に突き出した能登半島と、付け根に広がる金沢平野(加賀平野とも呼ばれる)一帯が「石川県」。
南北に長い県で、北部の「能登地方」と南部の「加賀地方」では、それぞれ魅力が異なる。
「輪島」「七尾」などの市町村がある北部「能登地方」は、昔ながらの農業・漁業が今も受け継がれ、日本の原風景が残る。
県庁所在地の「金沢」のある南部「加賀地方」は、かつて「前田氏」という有力な武士が治めた土地。
その栄華を、広大な領地と豊かさを示す言葉として「加賀百万石(かがひゃくまんごく)」という言葉がある。
「石(こく)」というのは、年間に一人が食べる米の量のことなので、「加賀地方は百万人を養える広大で豊かな土地」という意味になる。
加賀地方には、栄華を誇った都市ならではの魅力が詰まっており、「ひがし茶屋街」や、「金沢城」「兼六園」といった、日本らしい趣深い風景が見られるスポットが多い。
芸術や文化が大切に受け継がれてきた土地柄のため、日本を代表する漆器「輪島塗」や、独特の色彩で描かれる染物「加賀友禅」、華麗な絵付けが特徴の「九谷焼」など、優美かつ華やかな伝統工芸品を挙げればきりがない。
もちろん、現代美術に親しめる施設もある。
「金沢21世紀美術館」は展示の仕方も斬新で、海外からの訪問者も多い。
能登の「和倉温泉」、加賀の「加賀温泉郷」などのように温泉も豊富で、もちろんご当地グルメも充実している。
石川の平均気温と着衣例
南北に長い石川県は、北部の能登地方と南部の加賀地方で気候の特徴も異なる。
海に囲まれた北部の能登地方は、北陸地方の他の都市に比べて夏は涼しく、冬は降雪量も少なめ。
南部の加賀地方は、夏は湿度が高く蒸し暑い日が続き、冬は積雪を伴う寒い日が続く。
年間を通じて雨量が多く、「弁当忘れても傘忘れるな」という格言があるほど。
石川の月別平均気温
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
平均気温(度) | 4.0 | 4.2 | 7.3 | 12.6 | 17.7 | 21.6 | 25.8 | 27.3 | 23.3 | 17.6 | 11.9 | 6.8 |
石川の季節ごとの着衣例
- 春(3月 - 5月): 軽めのジャケットおよび薄手のセーター
- 夏(6月 - 8月): 薄手の着衣、半袖
- 秋(9月 - 11月): 軽めのジャケット、コート
- 冬(12月 - 2月): コート、ウールスーツ、厚手のセーターやジャケット
石川へのアクセス
2015年に北陸新幹線が開通したため、東京・大阪から「石川」へのアクセスは良好。
「東京駅」からは、北陸新幹線で「金沢駅」まで約3時間。
「大阪駅」から行く場合は、JR特急に乗って「敦賀(つるが)駅」まで行き、そこから「北陸新幹線」に乗り換えれば、2時間半程度で到着できる。
石川には「小松空港」と「のと里山空港」の2つの空港があり、「小松空港」には国際線も就航している。台湾・中国・韓国から直接アクセス可能だ。
小松空港から主要駅へのアクセス
石川県の空の玄関「小松空港」を起点とする、「金沢駅」へのアクセス方法をご紹介。
「金沢駅」はJR・北陸鉄道・IR石川鉄道など、県内外への移動に利用する線路が通る、石川の移動拠点となる駅だ。
- 経路
- 「小松空港」から「空港リムジンバス」乗車し、「金沢駅西口」バス停で下車
- 所要時間
- 約40分
石川の主要交通手段
石川は全国で2番目に鉄道が敷かれている距離が短く、鉄道網はあまり発達していない。
能登エリアの北部、奥能登と呼ばれる地域は公共交通機関だけで巡るのは難しい。
しかし、金沢など観光地として有名なエリアにはバスが整備されているので、公共交通機関だけで巡れる。
エリアによって公共交通機関の利便性は差が大きいので、旅行で訪れる地域がバス路線の整備されたエリアか否か、事前に確認しておこう。
石川旅行で利用すべきお得な乗車券
石川をお得に旅行するなら、知っておきたい乗車券を紹介しよう。
「金沢」を中心に、南部の加賀地方を巡るなら「金沢市内1日フリー乗車券」がお勧め。
北部の能登地方を旅行するなら「奥能登まるごとフリーきっぷ」。
北陸地方の他の県や岐阜県にも足を延ばすなら、「高山・北陸エリア周遊きっぷ」と使い分けよう。
金沢市内1日フリー乗車券
金沢を旅行するなら、お勧めしたいのが「金沢市内1日フリー乗車券」。
金沢の主要交通手段である、バスに1日中乗り降りし放題だ。
15歳以上の大人が800円、子どもは400円で購入できる。
1日4回以上、バスに乗り降りする場合は確実にお得になる。
「金沢市内1日フリー乗車券」は、金沢駅の観光案内所やバスターミナルで販売されている。
この乗車券を提示すると、割引になる観光スポットも多数あるので、必ずチェックしよう。
奥能登まるごとフリーきっぷ
能登半島の中央部にある「七尾駅」から、半島の先端「穴水駅」まで運行する「のと鉄道」。
その「のと鉄道」と、「七尾駅」を中心に運行する「北鉄奥能登バス」の路線バスが、2日間乗り放題となるのが「奥能登まるごとフリーきっぷ」だ。
特急バスを除く、能登地方の交通機関を自由に乗り降りできるので、能登半島を1周する旅行プランには最適。
「のと鉄道」の各駅、バスターミナルで販売されており、大人は3,000円、子どもは1,500円で購入できる。
主要な観光施設で提示すると割引される場合もあるので、能登地方を旅行する場合は利用しよう。
北陸エリアを旅行するなら利用すべき「高山・北陸エリア周遊きっぷ」
石川旅行の交通費を抑えたい方に知ってほしい、「高山・北陸エリア周遊きっぷ」を紹介しよう。
「高山・北陸エリア周遊きっぷ」は、大阪・名古屋から岐阜の人気観光スポット「白川郷・五箇山」を中心とする地域、金沢・富山を周遊するJRの在来線・特急、新幹線、バスが乗り放題になるお得なチケットだ。
大阪・名古屋から石川へ足を延ばす際に使えるだけでなく、周辺の地域への旅行にも使える。
料金は大人が19,800円・子どもが9,900円で、連続した5日間利用できる。
石川旅行前に知っておくべき4つのエリアの魅力
南北に長く、南部と北部では気候も文化も異なる「石川」。
ここでは、地理的・文化的な特徴に従って4つに分けられた、石川の各エリアについて紹介する。
エリアごとに特徴や魅力、代表的な人気観光スポットを紹介していくので、旅行プランを立てる際の参考にしてほしい。
多様な自然景観と受け継がれてきた伝統工芸が魅力の「能登エリア」
石川県の北部、日本海に突き出した能登半島は「能登エリア」とも呼ばれる。
半島の西側は日本海の荒波に削られた奇岩や断崖のある、迫力ある景勝地が多い。
半島の東側は富山湾に面し、穏やかな海となだらかな海岸線が魅力。
海の恵みと自然の美しさ、古き良き農村の風景を存分に味わえるのが能登エリアだ。
「白米田(しろよねだ)千枚田」は、陸地から海にかけた斜面に作られた「棚田」という階段状の水田が1,004枚も連なる。
「世界農業遺産」に認定されており、春から夏にかけては稲の緑、秋は収穫前の稲穂の黄金色、冬は一面の雪の白銀、四季折々の「棚田」が海の青色と生み出すコントラストは絶景。
他にも「輪島塗」や「珠洲(すず)焼」といった伝統工芸品があったり、開湯1,200年超えの歴史ある温泉地「和倉温泉」があったり、長い年月を超えて受け継がれた文化を味わえるスポットも多い。
石川を代表する観光地「金沢エリア」
石川県の中部、県庁所在地「金沢」のある北陸屈指の都会的なエリア。
中世から栄えていた都市があるため、古くから残る街並みや歴史的建造物が多い。
その趣深い雰囲気から「小京都」と呼ばれることもある。
石畳の道が続き、伝統的な古い町並みを散策できる「ひがし茶屋街」や、栄華の時代の「金沢城」が復元された「金沢城公園」など、歴史や和モダンな雰囲気が好きな人にはピッタリ。
日本三名園のひとつである「兼六園」は、桜や紅葉、雪吊りなど四季折々の美しい風景が見られると金沢を代表する観光スポット。
同じく代表的な観光スポットである、「金沢21世紀美術館」では現代や未来のアートを体感でき、芸術や美のセンスを磨ける。
温泉やグルメ、ショッピングを楽しめるスポットも充実しており、石川旅行には外せないエリアだ。
魅力的な温泉地が点在する「加賀エリア」
石川県の南端で、福井県に接する日本海側の「加賀エリア」。
「山代温泉」「山中温泉」「片山津(かたやまづ)温泉」「粟津(あわづ)温泉」という4つの温泉地から成る「加賀温泉郷」が有名。
それぞれ雰囲気も泉質も異なるので、湯めぐりを楽しめる。
独自の文化が根付いており、「九谷(くたに)焼」という伝統工芸品や、日本三大子供歌舞伎のひとつ「曳山(ひきやま)子供歌舞伎」が有名。
「小松うどん」「加賀カニごはん」など豊富な食材を活かしたご当地グルメも豊富で、自然や歴史を感じるスポットが多い。
小松空港があるエリアなので、他県や海外からもアクセスしやすい。
豊かな自然と神聖な雰囲気でデトックスできる「白山エリア」
石川県の南東端にあり、内陸部の山の恵みを満喫できる「白山(はくさん)エリア」。
岐阜・福井・富山と接する、このエリアの最大の魅力は、日本三霊山のひとつである「白山」があること。
標高2,702mの活火山で、珍しい高山植物が多く生息している。
日帰りでもトレッキングを楽しめるが、「白山室堂(むろどう)」に宿泊して、本格的な登山に挑戦するのもお勧め。
条件が揃えば、雲海の中から朝日が昇る「ご来光」を見られる。
また、全国の「白山神社」の総本山である「白山比咩(しらやまひめ)神社」は、荘厳な雰囲気を味わえるだけでなく、縁結びのご利益も得られる。
山の恵みと美しい水が豊富で、山菜を使った料理や美味しい地酒も魅力。
壮大な自然の中で、心身のデトックスをするのに最適のエリアだ。
石川を満喫するために必要な日数
人気観光スポットが金沢エリアと能登エリアに集まっているので、1泊2日あれば主な観光スポットは満喫できるだろう。
ただ、能登エリアは公共交通機関が充実していないため、レンタカーか観光バスを利用しないと、移動に時間がかかってしまうので注意してほしい。
ただ、加賀エリア・白山エリアにも足を伸ばすなら、2泊以上は確保しておきたい。
石川の人気観光スポットを巡る1DAYモデルコース
石川の中でも特に人気の観光エリアである「金沢」を巡るモデルコースを紹介しよう。
「兼六園」「金沢城公園」「ひがし茶屋街」で歴史を感じられる風景を楽しみ、「金沢21世紀美術館」でアートを満喫。
バスと徒歩だけで主要観光スポットを巡れるため、移動に労力も時間も使わない。
日帰り旅行にもピッタリなので、ぜひ参考にしてほしい。
8:20 JR金沢駅からスタート
1日目のスタートはJR金沢駅から。
アメリカの雑誌「トラベル&レジャー」の「世界で最も美しい駅」のひとつに選ばれているので、駅を観光するのも忘れずに。
最初のスポットである「兼六園」までは、駅からバスで約15分だ。
8:40 「兼六園」で日本の美学を体感する
加賀前田家歴代藩主によって約180年の長い年月をかけて造られた、日本三名園のひとつに数えられる回遊式庭園。
名前の由来は、六勝(宋時代の書物『洛陽名園記』に記されている共存が難しいとされる6つの景観)をすべて兼ね備えていることから。相対する景観が見事に調和し、対照の美を醸し出している。
名園を散策しながら、四季折々の美しさを感じよう。
10:00 「金沢21世紀美術館」で現代アートを気軽に楽しむ
日本庭園を鑑賞したら、次は「金沢21世紀美術館」で芸術鑑賞を楽しもう。
兼六園からは歩いて5分ほど。
これまでの美術館の概念を覆すような展示手法が話題となり、国内トップクラスの人気を誇る“金沢=アート”発信の中心的存在。
“新しい価値を提案する”現代アートの数々が楽しめる。館内には作品を見て感じて、体感できるさまざまな工夫も。
11:20 石川の歴史残る「金沢城公園」を散策
芸術鑑賞を楽しんだら、次は歴史情緒を満喫しよう。
次のスポット「金沢城公園」までは、歩いて5分ほど。
加賀百万石前田家の居城。天災や火災で多くの建造物が失われたが、現在は「金沢城公園」として周辺一帯を復元整備している。
江戸時代からの姿を残す石川門、三十間長屋に加え、河北門やいもり堀、玉泉院丸庭園などが次々と復元され、当時の姿が蘇りつつある。
鬼門封じや亀甲石のような陰陽五行思想の影響も見られる石垣にも注目。
12:20 「近江町市場」で海鮮丼をランチに味わう
公園を散策してお腹が空いたら、ランチを食べに「近江町市場」へ。
歩いて15分ほどで到着する。
狭い小路に新鮮な旬の魚介や野菜、総菜、おみやげなどを扱う約170店舗が軒を連ね、賑わいを見せている。
飲食店も40店舗余りあり、金沢名物のノドグロや甘えび、ズワイガニなど、新鮮でおいしい海鮮をお手頃価格でたっぷり食べられるのが魅力。
ランチなら旬の海鮮を贅沢に使った、具沢山の海鮮丼がお勧めだ。
14:00 日本情緒漂う「ひがし茶屋街」を散策
腹ごしらえを終えたら、歩いて次のスポットへ。約15分で「ひがし茶屋街」に到着する。
ひがし茶屋街の美しい出格子と石畳が続く町並みは、国の重要伝統的建造物群保存地区にも選ばれている。
現在も江戸時代からの伝統的建造物が立ち並ぶ。
それらの建造物を利用した、和菓子や伝統工芸品、雑貨などを扱うカフェやショップが点在する。
風情あふれる町並みの中でのショッピングを楽しもう。
16:30 「主計町茶屋街」で早めのディナーを
ひがし茶屋街を満喫したら、ひがし茶屋街・にし茶屋街と並ぶ、金沢三茶屋街のひとつ「主計町茶屋街」へ。歩いて約10分ほどだ。
野川沿いに細い路地と千本格子が続く落ち着いた雰囲気のエリアで、ここも国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれている。
路地沿いには昔ながらの料亭や茶屋が立ち並び、夕暮れ時には明かりが灯り、幻想的な雰囲気に。
情緒溢れるスポットを散策しつつ、主計町茶屋街の飲食店で石川の旬の食材を使ったグルメを早めのディナーにいただこう。
1泊以上するなら訪れるべき能登地方の人気観光スポット3選
石川に1泊できてレンタカーを利用できるなら、能登地方も旅行してみよう。
能登地方にも自然の恵みと歴史を感じられるスポットはたくさんあるが、これから紹介するスポットは特にお勧め。
2024年1月に起きた能登半島地震の被害を受けた観光スポットもあり、旅行する時期によっては営業を中止している可能性もあるので、出発前に公式サイトを確認しておこう。
1. 輪島朝市
1000年以上の歴史を誇る盛大な朝市。「朝市通り」と呼ばれる約360mの通りに200以上もの露店が立ち並び、新鮮な魚介や野菜、加工食品、手作り民芸品などを販売している。
買った干物を自分で焼いて食べられる炭火焼きコーナーもあり、常に大勢でにぎわっている。
※2024年1月に起きた能登半島地震直後の大規模火災により、営業停止中
2. 輪島工房長屋
輪島塗に関わる5つの工房が集まる職人長屋。ギャラリーなどで輪島塗の作品を鑑賞できるほか、漆器作りの様子の見学、輪島塗の絵付け技法である沈金や蒔絵を体験してオリジナルの箸などを作れる。輪島塗のお椀などがずらりと並ぶ漆器店も併設。
※2024年1月に起きた能登半島地震の影響により、当面の間休館
3. 白米千枚田
山の斜面に階段状に作られた水田のことを「棚田」と呼ぶ。
起伏の多い土地でも工夫して稲作をしてきた、日本の農業の伝統を象徴する風景。
輪島市の白米町には「白米千枚田」と呼ばれる、広大な棚田がある。
日本海に流れ込むように1,004もの水田が連なる光景は圧巻。
地形に合わせて生まれた各水田が集まって幾何学的な模様を織りなし、芸術的ともいえる光景が広がる。
春から夏にかけては稲の緑、秋は稲穂の黄金色、冬は雪の白が、海の青と調和して大きな絵画のように見える。
秋冬の夜にはイルミネーションによって、また一味違う神秘的な雰囲気になる。
2024年の能登半島地震の影響は?
2024年1月1日に石川県能登地方で発生した「令和6年(2024年)能登半島地震」。
石川にも被害が出ていることを知り、旅行しても良いか迷っている方もいるのではないだろうか。
2024年7月時点では能登半島より南の地域は復旧が進み、大半の観光スポットや飲食店、宿泊施設も通常通り営業しているので、安心してほしい。
ただ、能登半島の被害は大きく、現時点でも通常営業を再開できていないスポットも多い。
石川も含む、北陸地方の状況を知りたい方は、こちらの記事も参考にしてほしい。
石川旅行で外せないご当地グルメ3選
海の幸と山の幸を両方味わえる石川。
城下町として栄えた歴史ある土地ならではの独特の食文化も相まって、ご当地グルメが充実している。
数あるご当地グルメの中でも、特にお勧めのグルメを厳選してご紹介。
石川を訪れたら、これから紹介するグルメを食べてみよう。
1. 能登牛
石川の豊かな自然と素朴な風土の中で、丹誠込めて育まれたブランド牛肉「能登牛」。
明確な血統の黒毛和種で、肉質等級がA3以上またはB3以上のものだけが「能登牛」と名乗ることが許される。
牛肉の柔らかさの源である脂肪中の「オレイン酸」含有率が高く、トロけるような食感が魅力。
素材の旨みを感じやすいステーキと焼肉がお勧めだが、すき焼きやしゃぶしゃぶも絶品。
石川県内の飲食店で「能登牛」を食べるなら、「能登牛認定飲食店」へ足を運ぼう。
2. ハントンライス
ケチャップ味のバターライスを半熟の薄焼き卵で包み、その上に白身魚のフライを乗せ、ケチャップとタルタルソースをかけた「ハントンライス」。
オムライスと魚フライのコンボという、ボリューム満点の一皿。
諸説あるが東京で食べた料理を元に、あるレストランの料理長が考案し金沢のご当地グルメとして定着したと言われている。
リーズナブルな価格で提供されることが多く、地元でも子どもから大人まで広く愛されている。
お店によって、トッピングにエビフライやトンカツ、カキフライが加わったり、卵がとろとろ半熟、スクランブルエッグになったりと変化する。
ケチャップソースに代えてデミグラスソースを用いられることもある。
自分好みの「ハントンライス」を探すのも、面白いだろう。
3. 金沢カレー
日本全国にあらゆる「ご当地カレー」が存在するが、中でも石川県の「金沢カレー」は知名度が高い。
「金沢カレー」の定義としては、ルーが黒く濃厚でドロッとしていることや、ルーの上に大きなロースカツが乗っていること、そのロースカツにソースがかかっていることが挙げられる。
付け合わせとしてキャベツの千切りが添えられ、ステンレスの皿に盛られる。
子どもから大人まで広く愛されているが、ボリュームがあり食べ応えがあるので、特にガツンと食べたい男性中心に支持されている。
春の石川旅行で訪れるべき桜の名所
石川旅行の時期が春なら、桜の名所も旅行プランに加えよう。
加賀地方を治めていた「前田氏」の居城跡に作られた庭園「芦城(ろじょう)公園」は、桜池から見る桜山の迫力と美しさに定評がある。
川を背にした神社のある公園「大堰宮(おおひのみや)公園」では、川沿いの八重桜や九重桜が見事な花を咲かせる。
熊坂川(くまさかがわ)のほとり約1kmに渡って、約200本のソメイヨシノが咲き乱れる「熊坂川の桜並木」も有名。
石川の例年の桜の開花日と満開日、見頃は以下の表を参考にしてほしい。
その年の気候や気温、スポットによって開花日と満開日、見頃は前後するので、出発前に確認しておこう。
- 開花日
- 4月3日
- 満開日
- 4月8日
- 桜の見頃
- 4月8日〜4月14日
参考:気象庁 さくらの開花状況
参考:気象庁 さくらの満開状況
秋の石川を彩る紅葉の名所
石川の日本情緒あふれる風景は、秋になるとその魅力を増す。
秋に石川を旅行するなら、紅葉の美しい観光スポットもチェックしよう。
白い奇岩の遊仙境のある「那谷(なた)寺」は、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」に掲載され、一つ星に格付けされた寺院。
秋になると、白い奇岩と紅葉の鮮やかなコントラストが楽しめる。
日本三名園のひとつ「兼六園」は、秋が特に美しく、紅葉の赤に彩られた庭園は荘厳な美しさを誇る。夜のライトアップも見逃せない。
大聖寺(だいじょうじ)川の清流のうち、約1.3kmの区間にある渓谷「鶴仙渓(かくせんけい)」もお勧め。
渓流沿いの遊歩道から、鮮やかに色づいた木々を眺めながら散歩を楽しめる。
紅葉の見ごろは、その年の気候や気温、スポットによって前後するので、旅行前に石川の紅葉情報をチェックしよう。
北陸新幹線の開通で北陸地方の旅行がより気軽に
2024年3月16日に北陸新幹線の金沢-敦賀間が開業し、北陸3県(富山・石川・福井)が新幹線でつながった。
金沢から福井県敦賀市まで短時間で移動できるようになったことで、北陸3県を旅行しやすくなった。
北陸新幹線を利用したモデルコースも紹介している、以下の記事も参考に富山・福井への旅行も検討してみてはいかがだろうか。
石川旅行に関するよくある質問
Q
石川を旅行するのにお勧めの季節は?
日本情緒あふれる風景が、紅葉した木々と調和しさらに美しい光景を生み出す、秋がお勧めです。
Q
親子旅行でお勧めの石川の観光スポットは?
気軽に現代アートを楽しめる金沢21世紀美術館がお勧めです。
まとめ
この記事では石川の魅力や代表的な観光スポット、交通情報、モデルコースなど、石川旅行に必要な情報を網羅的に紹介してきた。
歴史ある街の日本情緒あふれる風景、受け継がれてきた伝統工芸、自然が織りなす絶景、独自の食文化に育まれたご当地グルメ、温泉など様々な楽しみ方ができる石川。
石川の観光スポットや宿泊施設をもっと知りたい方は、この記事もぜひ読んでみてほしい。