見どころと楽しみ方がこれだけでわかる!ジブリパーク完全ガイド

見どころと楽しみ方がこれだけでわかる!ジブリパーク完全ガイド

更新 :
筆者 : GOOD LUCK TRIP

2024年に映画『君たちはどう生きるか』で、アカデミーの長編アニメ賞に輝いた「スタジオジブリ」。
魅力的な作品の数々は日本だけにとどまらず、世界中から高い支持を受けている。
そんなジブリの世界観をリアルに体験できるのが、愛知県にある「ジブリパーク」だ。
この記事では、ジブリパークの見どころや楽しみ方を紹介していく。
オープンしたばかりの「魔女の谷」エリアのほか、満喫するためのコツについても説明する。
ジブリパークに観光予定の方に役に立つ情報をまとめているので、ぜひ最後まで読んでほしい。

目次

ジブリパークってどんなところ?

ジブリパークは、愛知県長久手市にある「愛・地球博記念公園内」に設立された、スタジオジブリの世界を表現した公園施設。
2022年11月に開園、2024年3月には新エリア「魔女の谷」がオープンし、現在は全5エリアから成っている。
各エリアには、ジブリ作品に登場する建物やアトラクションが表現されていて、訪れる人々は映画の世界に入り込んだような体験ができる。
一つひとつの展示物が丁寧かつ忠実に作られており、自分が主人公になったかのような気分・目線でパーク内を歩けるのが魅力だ。
豊かな自然と手作りの建造物が織りなす風景は、まさに夢の世界。
ジブリのファンはもちろん、あまり詳しくない人でも充分に楽しめる。

スタジオジブリ作品の世界が目の前に広がるジブリパーク
スタジオジブリ作品の世界が目の前に広がるジブリパーク

ジブリパークと三鷹の森ジブリ美術館の違い

ジブリパークと同じく、スタジオジブリの魅力を体験できる施設に映画監督・宮﨑駿(みやざきはやお)が、発案した「三鷹の森ジブリ美術館」がある。
両施設はそれぞれ異なる特色を持っており、どちらもジブリファンにとっては見逃せないスポットだ。
主な違いは以下の表にまとめたので、参考に好みの方から訪れても良いだろう。

名称 ジブリパーク 三鷹の森ジブリ美術館
場所 愛知県長久手市 東京都三鷹市
形態 スタジオジブリの世界を表現した公園 アニメーション美術館
特徴 ジブリ映画に登場する展示物、遊具を楽しめる/ジブリ作品の世界観に没入できる/エンターテインメントな要素が強い 創作者の視点(バックヤード・アートワーク)を楽しめる/ジブリ作品の制作過程(どのようにして作品が生まれたか)に触れられる/教育的な観点の要素も含まれる

ジブリパークのチケットの種類

ジブリパークのチケットは大きく3種類あり、いずれも日時指定の完全予約制だ。

チケット区分 入場できる対象 こんな人にお勧め
ジブリパーク大さんぽ券プレミアム 5エリアと全ての建物 ジブリのコアなファン/魔女の谷エリアを満喫したい人
ジブリパーク大さんぽ券 一部の建物を除く5エリア ジブリの世界観に触れたい/初めてパークに行く人
ジブリパークさんぽ券 ジブリの大倉庫を除く4エリア/一部の建物を除く ざっくりとパークを楽しみたい/1週間後に行きたい人

※2024年8月~11月の期間限定で、ジブリパーク魔女の谷・もののけの里セット券(もののけの里と魔女の谷エリアの全建物に入場可能)も販売中

次の建物に入れるのは、ジブリパーク大さんぽ券プレミアムチケットだけ。

  • 地球屋 (青春の丘エリア)
  • サツキとメイの家 (どんどこ森エリア)
  • オキノ邸(魔女の谷エリア)
  • ハウルの城(魔女の谷エリア)
  • 魔女の家(魔女の谷エリア)

※期間限定の「ジブリパーク魔女の谷・もののけの里セット券」なら、「オキノ邸」「ハウルの城」「魔女の家」の建物には入れる。

魔女の家をはじめとする、全ての建物を巡るなら「ジブリパーク大さんぽ券プレミアムチケット」がお勧め
魔女の家をはじめとする、全ての建物を巡るなら「ジブリパーク大さんぽ券プレミアムチケット」がお勧め

ジブリパークのチケット料金

2024年6月時点で、料金は以下のように大人・子供、平日・土日祝で分かれている。
料金は変わる可能性があるため、公式サイトも確認しよう。

平日の料金

チケット種別 大人 子供(4歳~小学生)
ジブリパーク大さんぽ券 3,500円 1,750円
ジブリパーク大さんぽ券プレミアム 7,300円 3,650円
ジブリパークさんぽ券 1,500円 750円
ジブリパーク魔女の谷・もののけの里セット券 3,300円 1,650円

土日祝の料金

チケット種別 大人 子供(4歳~小学生)
ジブリパーク大さんぽ券 4,000円 2,000円
ジブリパーク大さんぽ券プレミアム 7,800円 3,900円
ジブリパークさんぽ券 2,000円 1,000円
ジブリパーク魔女の谷・もののけの里セット券 3,800円 1,900円

※別途1枚につき110円のシステム利用料が発生

ジブリパークのチケットの購入方法

ジブリパークのチケットは、オンライン(Boo-Wooチケット/会員登録必須)もしくはコンビニ(ローソン・ミニストップ内のLoppi)から購入が可能。
毎月10日14時から、2ヵ月先のチケットを先着順で予約を受け付けている(ジブリパークさんぽ券は来園日の7日前17時から)。
※例:9月入場分は7月10日14時から販売開始
1回の手続きで最大6枚まで、代理による購入(ギフトを含む)ができない点に注意してほしい。
また入場の際には不正防止のため、無作為で本人確認を行うので身分証明書(パスポート・運転免許証など)の準備も忘れないように。
もし愛知県に宿泊を予定しているならば、各旅行会社が提供するチケット付きプランを利用しても良いだろう。

旅行のハイシーズンに訪れる予定があれば早めにチケットを購入しよう
旅行のハイシーズンに訪れる予定があれば早めにチケットを購入しよう

ジブリパークの営業時間と休園日

2024年6月時点のジブリパークの営業時間と休園日は、以下の通りだ。
休園日以外にも、年末年始とメンテナンスなどによる指定日も休園となる。
営業時間は訪れるタイミングによっては、変更があるかもしれないので、公式サイトも確認しておこう。

営業時間
平日 10:00 ~ 17:00
土・日・祝 9:00 ~ 17:00
休園日
毎週火曜日
(火曜日が祝日の場合は翌平日)

ジブリの大倉庫エリアの入場時間

5エリアのうち「ジブリの大倉庫エリア」は、”9時・10時・11時・12時・13時・14時・15時”の時間帯で指定入場を行っている(退場は自由)。※9時から開園する日のみ、9時に入場が可
他エリアは入場時間の指定はなく、開園時間〜16時30分(最終入場)の好きなタイミングで入れる。
※ジブリパークさんぽ券は「魔女の谷エリア」のみ入場指定あり
ただし、閉園間際など混雑時は列に並ぶ必要があるので注意しよう。
「魔女の谷エリア」以外は再入場不可なため、事前にパークを回る計画を立てておくのがお勧めだ。

入場時間の指定が必要なエリアがあるので、計画を事前にしっかり立てておこう
入場時間の指定が必要なエリアがあるので、計画を事前にしっかり立てておこう

ジブリパークへのアクセス

名古屋駅・東京・大阪から、ジブリパークへのアクセスをそれぞれ紹介する。
ジブリパークには専用駐車場がなく、全国各地から多くの観光客が訪れるので基本的には公共交通機関での移動を推奨したい。
もし車で行く予定の場合は、愛・地球博記念公園の公式サイトから近隣駐車場をチェックしておくと良いだろう。

名古屋駅からのアクセス

名古屋駅からジブリパークまでのアクセスは、電車・高速バスの2パターンがある。
高速バスは座った状態で行けるのがメリットだが、本数が少なく(1時間に1本程度、最終便は13時発)、満車時は乗車できないのがデメリット。
上述したBoo-Wooチケットで乗車券の事前購入ができるが、予約制ではなく乗車は確約されないので、注意してほしい。
電車は、運賃を安くしたい人、スケジュールに融通を利かせたい場合にお勧め。

電車の場合

経路
1.「地下鉄名古屋駅」から地下鉄東山線・藤が丘行に乗車し、「藤が丘駅」で下車
2. 「藤が丘駅」から東部丘陵線(リニモ)に乗車し、「愛・地球博記念公園駅」で下車
3. 「愛・地球博記念公園駅」から徒歩数分で「ジブリパーク」に到着
所要時間
約50分

高速バスの場合

経路
1. 「名古屋駅」から名鉄バスセンター(名古屋駅)まで徒歩で向かう
2. 「名鉄バスセンター(名古屋駅)」から愛・地球博記念公園(ジブリパーク)行に乗車し、バス停「愛・地球博記念公園(ジブリパーク)」で降車
3. 「愛・地球博記念公園(ジブリパーク)」から徒歩数分で「ジブリパーク」に到着
所要時間
直行便:約40分/経由便:約1時間

東京からのアクセス

東京からジブリパークへのアクセスは以下の通り。
まずは東京駅に行き、新幹線で向かうルートが最短で着く。

経路
1. 「JR東京駅」からJR新幹線のぞみ・ひかり・こだまのいずれかに乗車し、「JR名古屋駅」で下車
2. 「JR名古屋駅」から「地下鉄名古屋駅」まで徒歩で移動
3. 「地下鉄名古屋駅」から地下鉄東山線・藤が丘行に乗車し、「藤が丘駅」で下車
4. 「藤が丘駅」から東部丘陵線(リニモ)に乗車し、「愛・地球博記念公園駅」で下車
5. 「愛・地球博記念公園駅」から徒歩数分で「ジブリパーク」に到着
所要時間
約3時間

大阪からのアクセス

大阪からジブリパークへのアクセスは以下の通り。
新大阪駅から新幹線で名古屋駅に向かうのが最短ルートだ。

経路
1. 「JR大阪駅」からJR線に乗車し、「JR新大阪駅」で下車
2. 「JR新大阪駅」からJR新幹線のぞみ・ひかり・こだまのいずれかの東京行に乗車し、「JR名古屋駅」で下車
3. 「JR名古屋駅」から「地下鉄名古屋駅」まで徒歩で移動
4. 「地下鉄名古屋駅」から地下鉄東山線・藤が丘行に乗車し、「藤が丘駅」で下車
5. 「藤が丘駅」から東部丘陵線(リニモ)に乗車し、「愛・地球博記念公園駅」で下車
6. 「愛・地球博記念公園駅」から徒歩数分で「ジブリパーク」に到着
所要時間
約2時間

各ジブリ作品の世界に没入できる5つのエリアの魅力

1日で5エリア全てを満喫するためには、10時間前後が必要と言われている。
つまり、開園時間から閉園時間までフルで回ったとしても1日では足りない。
観光にあまり時間を取れない人もいるだろう。
そのため、ジブリパークを楽しむには時間に余裕を持った計画が重要だ。
これから紹介する各エリアの内容や魅力を参考に、訪れるエリアや見るべきポイントを絞って観光プランを立ててほしい。

ジブリパークのエリアマップ
ジブリパークのエリアマップ

ジブリ作品の世界観の中で様々な体験ができる「ジブリの大倉庫」

「ジブリの大倉庫」は、巨大な施設の中に映像展示室・3つの企画展示・グッズショップが集結するメインエリア。
ジブリ作品の名場面に入り込める「ジブリのなりきり名場面展」や、子供が思う存分遊べる「ネコバスルーム」、レトロな街並みを散策しつつグッズを購入できる「南街」など、様々な体験ができる人気エリアだ。
飲食施設もあり、ジブリ作品に登場する料理も味わえる。
見どころを3つに絞って紹介するが、その他にも見どころが盛りだくさんなので、時間をしっかり確保して楽しんでほしい。
5エリアの中で最も混雑するので、早い時間帯に訪れるのがお勧めだ。

1. 短編アニメを鑑賞できる「映像展示室オリヲン座」

「映像展示室オリヲン座」は、三鷹の森ジブリ美術館で上映された、スタジオジブリ制作の短編アニメーション(15分前後)を見られる展示室。
座席数は約170、上映作品は10つの中から不定期で変わり、公式サイト・SNSで告知される。
「ジブリの大倉庫」の入口で1人1枚もらえる鑑賞券も、味わい深くて良い。

短編アニメーションを見られる映像展示室オリヲン座
短編アニメーションを見られる映像展示室オリヲン座

2. 遊び心盛りだくさんのカフェ「大陸横断飛行」

『紅の豚』をモチーフに作られたイタリアンカフェ「大陸横断飛行」は、飛行機の翼のような外観が特徴的だ。
同カフェは“長距離飛行のパイロットが操縦しながら片手で食べられる”をコンセプトに、サンドイッチやピザ、スイーツといった軽食を提供している。
ドリンクはコーヒー系のほか、ビール・ワイン等のアルコール類もあるので、ゆっくり食事することも可能。
また、カウンター上の世界地図や機内をイメージさせるトイレなど、内装にも隠れた遊び心が施されており、食事以外にも楽しめる要素が盛りだくさん。
お勧めのメニューは、コーヒーとの相性も良く食べ応えがある定番のBLTサンド。
サンドイッチには、宮﨑駿監督が書き下ろしたオリジナルフラッグ(全12種/ランダム)が添えられているので注目しよう。

『紅の豚』がモチーフのカフェ・大陸横断飛行
『紅の豚』がモチーフのカフェ・大陸横断飛行

3. 『風立ちぬ』のグルメを味わえる!ミルクスタンド「シベリ・あん」

ミルクスタンド「シベリ・あん」は、『風立ちぬ』に登場したシベリア(カステラであんこを挟んだお菓子)を食べられるキオスクタイプのお店。
2種類(こしあん・つぶあん)から選べるシベリアは絶妙な甘さが抜群で美味しい。
オリジナルデザイン(ねこ)の瓶に入った地元産の常滑(とこなめ)牛乳も人気で、昭和を感じさせる懐かしさを味わえる。
瓶は持ち帰りできないので、飲む前に写真に収めておくと記念にも残って良いだろう。

レトロな雰囲気漂う「シベリ・あん」の看板
レトロな雰囲気漂う「シベリ・あん」の看板

『耳をすませば』や『猫の恩返し』の世界観に浸れる「青春の丘」

「青春の丘」は最寄りの愛・地球博記念公園駅から一番近く、モリコロパーク内に入って最初に現れるエリア。
『耳をすませば』や『猫の恩返し』などの世界観が表現されており、楽しめる仕掛けなど見どころが満載。
映画のシーンを表現したロータリー広場でヒマラヤスギの木を眺めていると、ジブリ作品の魅力を現実の世界で感じられるはずだ。
他エリアと比べると空いていて、ゆったりと回れるのもうれしい。
のんびりし過ぎると、この先のエリア・スポットを巡る時間がなくなってしまうので、注意しよう。

1. バロンやムタに出会える「猫の事務所」

「猫の事務所」はその名の通り、『猫の恩返し』に登場する事務所を実際の猫のサイズに合わせた建物。
猫サイズながらも木造建築物で、本物の建物と同じように組み立てから仕上げまでしっかりと作られたこだわりのスポットだ。
内装はミニチュアサイズで、バロンのガールフレンドの肖像や食器棚、振り子時計など、映画の世界そのままの空間になっている。
窓から中を覗き込んで、バロンやムタが心地良きくつろぐ様子を見てみよう。

2. 『耳をすませば』の主人公を追体験できる「地球屋」

『耳をすませば』に登場するアンティークショップを表現したのが「地球屋」。
映画の中で主人公・月島雫が偶然たどり着いたお店として描かれる「地球屋」に、実際に訪れられる。
観覧がスタートする2階には、からくり時計や人形、雑貨などが隅々まで置かれており、作品の雰囲気を味わえるだろう。
1階はバイオリン工房があり、天沢聖司がバイオリン制作を学ぶ様子を肌で感じられるはずだ。
屋内を突き抜けバルコニーに出ると、愛・地球博記念公園の花畑や大芝生広場といった開放的な風景を楽しめる。

『耳をすませば』に登場するアンティークショップ地球屋
『耳をすませば』に登場するアンティークショップ地球屋

3. 世界観と絶景を堪能できる「エレベーター塔」

入口付近にそびえ立つ「エレベーター塔」は、来場者をジブリの世界に誘うパークの象徴的な存在。
『天空の城ラピュタ』・『ハウルの動く城』に代表される、19世紀末の空想科学的な世界観をもとにデザインされた。
思わず写真に収めたくなる存在感のある佇まいが魅力的と言える。
「エレベーター塔」の上は展望スペースになっており、愛・地球博記念公園内を見渡せる絶景のポイントだ。
チケットを購入しなくても利用できるため、土日祝は特に混み合う。

絶景ポイントでもあるエレベーター塔
絶景ポイントでもあるエレベーター塔

豊かな自然の中で散策を楽しめる「どんどこ森」

「どんどこ森」エリアでは、『となりのトトロ』の世界観に入り込める。
それだけでなく、周りが公園の木々や森林に囲まれているため、豊かな自然や風を感じながら散策を楽しめるのが魅力だ。
ただ、メインゲートから最も遠い場所にあり、駅からは徒歩で約40分、各エリアからでも少なくとも20分はかかる点に気を付けてほしい。
効率的に巡りたい場合や、体力に自信のない人は無料の園内バスか、有料(片道:大人1,000円)の「APMねこバス」を活用するのがお勧め。

1. 巨大なトトロを模した木製遊具「どんどこ堂」

「どんどこ堂」は、裏山の山頂に位置する高さ約5mの木製遊具。
どんぐりが目印の山道を進んだ先に、丸みのある独特な形をした巨大なトトロを模した木製遊具が姿を見せる。小学生までの子どもたちだけが入って遊べる。
近くには、かつての名古屋の路面電車をモチーフにしたスロープ号「どんどこ号」が走っており、山頂とふもとをつないでいる。
レトロ感があって味わい深いので、その姿も実際に見てほしい。

※ベビーカーの利用客やお体の不自由な方が優先して乗車できる

裏山の山頂に位置するどんどこ堂
裏山の山頂に位置するどんどこ堂

2. 映像作品で見たままの光景が広がる「サツキとメイの家」

「どんどこ森」エリアで中心となるのが、草壁家が住む家を忠実に表現した「サツキとメイの家」。
2005年の愛・地球博(愛知万博)の展示物として建てられ、2022年にリニューアルオープンした。
ジブリパークの中でも特に人気で、『となりのトトロ』ファンにはたまらないスポットだ。
和洋折衷の家の中は昭和30年代の日本家屋の雰囲気が演出され、台所やお風呂場、お部屋などが細部にわたって作り込まれている。
映画で見た光景をそのままに感じられ、姉妹の声やススワタリの音も不思議と聞こえてくるだろう。

草壁家が住む家を再現したサツキとメイの家
草壁家が住む家を再現したサツキとメイの家

3. 可愛らしいグッズをお土産に購入できる「どんどこ処」

「どんどこ処」は、「どんどこ森エリア」の入り口付近に位置する休憩所。
オリジナルグッズやお土産を購入できるほか、ラムネや紙パックの飲み物も販売している。
トイレや自動販売機の設備も整っており、チケットがなくても利用可能な無料エリア内にあるのも特徴だ。
グッズは、笹で包まれた”どんどこあめ”や、トトロがプリントされた”どんどこ傘”、どんぐり型の”バードコール”など、『となりのトトロ』にちなんだアイテムが揃う。
お土産にもピッタリなので、ぜひ立ち寄ってほしい。

日本ならではの景色と魅力に出会える「もののけの里」

「もののけの里」は、”もののけ姫”をイメージして作られたエリア。
日本の原風景にジブリ作品の雰囲気が漂うエリア内には、作品の建物をモチーフにしたスポット・オブジェがある。
郷土料理を自分で作る体験型学習施設は、家族みんなで楽しめる。
「もののけの里」ならジブリ作品の魅力だけでなく、日本ならではの景色や魅力にも出会えるだろう。
また公園内の自然と建物がうまく調和しており、シームレスな空間が時間を忘れさせてくれる。

1. 郷土料理に挑戦できる「タタラ場」

体験型施設の「タタラ場」では、愛知県(中部地方)の郷土料理である、五平餅(うるち米を半つきにして串焼きしたもの)の炭火体験ができる。※対象は10歳以上
チケットとは別に入口で体験料の1,200円を支払い後、炭火を使って自分で焼き上げる。
スタッフが作り方・コツを教えてくれるので、不安な人も安心だ。
最後に“くるみみそ・しょうゆ・ナポリタン・カレー“の4種類から選んだ特製タレを塗って完成。
出来立ての五平餅は香ばしく、カリッとしたおこげの部分も良い味を引き出す。
食べ応えも十分で心も体も満たされるだろう。

自分で焼き上げ、好みのタレをつけて食べてみよう ※写真はイメージです
自分で焼き上げ、好みのタレをつけて食べてみよう ※写真はイメージです

2. 『もののけ姫』のオリジナル商品を購入できる「もののけの里 休憩処」

2005年の愛・地球博の際に建てられた管理棟を、移築して作られた「もののけの里 休憩処」。
エリアの雰囲気に溶け込むように石置仕様になった屋根が特徴的だ。
来客者がほっとひと息つける場になっており、リフレッシュできる空間やもののけの里にちなんだオリジナル商品を提供している。
なかでも”干し肉もののけ里(ビーフジャーキー)”、” マスコット(タタリ神・乙事主)”は、手に取ってほしい人気商品。

3. 巨大オブジェとして佇む「タタリ神」と「乙事主」

『もののけ姫』に登場するタタリ神をモチーフにした「タタリ神」は、全長約9m、高さ約2.8mの迫力満点の巨大なオブジェ。
子どもが見ると驚きそうなほどリアルに作られており、一緒に写真撮影すればインパクトのある写真に仕上がるだろう。
また、色・形が異なる多彩なタイルが施されているので、近くで見て触ってもみてほしい。※登るのはNG
「乙事主(おっことぬし)」は、「タタリ神」の隣に位置する高さ約3.4mの滑り台だ。
こちらもカラフルなタイル、玉石で乙事主の毛並みを表現している。

※利用対象は小学生以下、雨天時は利用不可

迫力満点のタタリ神
迫力満点のタタリ神
乙事主をモチーフにした滑り台
乙事主をモチーフにした滑り台

世界観に浸れるだけでなくアトラクションも楽しめる「魔女の里」

「魔女の谷」は2024年3月にオープンした待望の新エリア。
『ハウルの動く城』・『魔女の宅急便』・『アーヤと魔女』など、魔女が登場するジブリ作品をイメージして作られたヨーロッパ風の街並みが特徴。
エリアが広く、メリーゴーランドやフライングマシンといったアトラクションもあり、楽しめる要素が盛りだくさん。
入場ゲートにある「魔女の口」から出口まで、いたるところに魔法の仕掛けが詰まっているため、最後の最後まで心が躍るはずだ。

1. 動く城の内部を探索できる「ハウルの城」

『ハウルの動く城』に登場した生き物のような形の建物が「ハウルの城」。
城全体は約20メートルの高さを誇り、1階はカルシファーの炉・ソフィーの部屋、2階はハウルの寝室・アトリエなどが忠実に再現されている。
生活の様子を垣間見られるのが魅力。
城の一部は1時間に数回動き、煙を吐き出す”動く城”としての演出にも注目しよう。
周辺は劇場さながらの荒地が広がり、小丘の上に佇む「かかしのカブ」は人気の撮影スポットだ。

“ハウルの動く城”に登場した生き物のような「ハウルの城」
“ハウルの動く城”に登場した生き物のような「ハウルの城」
「ハウルの城」の居間
「ハウルの城」の居間

2. キキとコキリの暮らしを感じられる「オキノ邸」

「オキノ邸」は『魔女の宅急便』で主人公のキキが、魔女の修行に旅立つ前に過ごした2階建ての家だ。
玄関から中に入ると、コキリ(キキの母親)が薬を作っている魔女の店、客間・台所などを見学できる。
2階に上るとキキの部屋や父親の書斎があり、懐かしいシーンを思い出させる特別な空間が広がる。
家の前の庭園では四季にちなんだ花々や植物のほか、モップとほうきのオブジェも飾られており、外観も楽しめるのも魅力のひとつ。

主人公のキキが過ごしたオキノ邸
主人公のキキが過ごしたオキノ邸
オキノ邸のキキの部屋
オキノ邸のキキの部屋

3. 見学だけでなくパンも買える「グーチョキパン屋」

『魔女の宅急便』でキキとジジが暮らしたパン屋を、ヨーロッパの伝統的な木造建築技法を用いて再現した「グーチョキパン屋」。
店内ではナポリタン・カヌレなど、オリジナルを含む18種類のパンが並び、実際に購入できる。
屋根裏部屋も公開されており、キキがほうきで空を飛ぶ際に愛用していたラジオや、ホットケーキミックスの箱など、小道具を間近で見られるのが魅力。
窓や扉に触るのはOKなので、じっくりと楽しもう。

キキとジジが暮らしたグーチョキパン屋
キキとジジが暮らしたグーチョキパン屋
実際にパンを購入できるグーチョキパン屋
実際にパンを購入できるグーチョキパン屋

ジブリパークを楽しむために知っておくべき7つのコト

広大な公園の敷地内に魅力的なスポットが盛りだくさんのジブリパーク。
何も知らずに来園すると、思ったように回れず満足感も下がってしまう恐れがある。
そこでジブリパークを最大限に楽しめるように、知っておくべき7つのポイントを紹介していく。
効率的に回るためにも、役に立つ内容なのでぜひ参考にしよう。

1. チケット購入時に計画を立てる

「ジブリの大倉庫」は指定入場時刻(9時〜15時)より、1時間以内に入場しなければならない。
”ジブリパークさんぽ券”の場合は「魔女の谷」への入場時間を、午前(開園時刻〜13時)と午後(13時〜16時)の2パターンから選ぶシステムになっている。
入場時刻はチケット購入時に決める必要があるため、事前のスケジューリングは必須だ。
計画を立てる際は時間配分も考慮したうえで、下記に記載した各エリアの所要時間とこの記事の内容を参考にしよう。

※エレベーター塔は無料エリアです

エリア 所要時間(目安) 補足
ジブリの大倉庫 3時間~5時間 見どころが多く観光時間を多めに取りたい
青春の丘 45分~1時間30分 土日祝はエレベーター塔が混み合う
どんどこ森 45分~1時間30分 子供が多いとより盛り上がる可能性あり
もののけの里 30分~1時間 五平餅体験をするならば約25分追加で考える
魔女の谷 3時間~4時間 飲食店・お土産は特に混み合う

※エリア間の徒歩移動(約1時間)、昼食、待ち時間、お土産選び、魔女の谷エリア以外は再入場不可にも考慮すると良い
※上記の所要時間は編集部の見解です。

2. 開園直後の入場を狙う

1日を通して多くの人が訪れるジブリパークだが、朝一の方が空いていることが多い。
開園から時間が経つにつれて入場者が増えていくので、混雑を避けるには朝一から入場するのがお勧めだ。
退場時間の指定はなく、早い方が長く楽しめるのもポイント。
ただ、入場待ちによる行列ができるため、開園時間とともに入場したい場合は30分〜40分前から並んでほしい。

メインエリア「ジブリの大倉庫」の企画展示も朝早い時間帯であれば混雑を回避できる
メインエリア「ジブリの大倉庫」の企画展示も朝早い時間帯であれば混雑を回避できる

3. 飲食施設へ行くならピークタイムを外す

ジブリパークには飲食施設が少なく、昼食時になるとどの場所もたくさんの人で賑わう。
お店の前には長蛇の行列ができ、入店するには1時間以上待つケースも珍しくない。
待ち時間を短くするには、早め(10時30分〜11時)もしくは遅め(15時以降)に昼食を取るのがお勧めだ。
ただし、入店が遅くなればなるほど商品の売り切れが増えるため、お目当てのメニューがある場合は気を付けてほしい。
以下の表に主な飲食店一覧をまとめたので、全体のスケジュールも考えながらプランを考えよう。
食事に時間を使いたくない場合は、公園内にある飲食店(モスバーガーなど全8店)で済ませると良い。

エリア 施設名 形態・補足
ジブリの大倉庫 大陸横断飛行 イタリアンカフェ/サンドウィッチ、ピザが中心
ジブリの大倉庫 シベリ・あん 食べ物はシベリアのみ/テイクアウト専門店
魔女の谷 空飛ぶオーブン ジブリパーク初の本格レストラン/パーク内で唯一テーブルから注文を行う/”アーヤと魔女”、”魔女の宅急便”にちなんだオリジナルメニューが人気
魔女の谷 ホットドッグスタンド ホット・ティン・ルーフ ホットドッグ屋 /テイクアウト専門店
魔女の谷 グーチョキパン屋 パン屋/テイクアウト専門店

4. 動きやすい服装と靴を準備

ジブリパークは広く山道も多いため、本格的に楽しもうとするとかなりの距離を歩くこととなる。
そのため、パンツスタイルやスニーカーなど動きやすい服装に、最小限の荷物がベストだ。
荷物が多くなってしまった場合は、愛・地球博記念公園の北口案内所、西口案内所・休憩所のコインロッカーに預けよう。
ジブリパーク内にコインロッカーはないため、注意してほしい。
春・秋は気温調整に便利なストール・カーディガン、冬は寒さ対策としてカイロがあると役に立つ。
夏の時期は非常に暑くなるので、こまめな水分補給・紫外線予防といったなど熱中症対策も万全にしよう。

必ず動きやすい靴と服装で訪れよう
必ず動きやすい靴と服装で訪れよう

5. 抱っこ紐やおんぶ紐などを用意

ジブリパークでは、有料エリア内へのベビーカーの持ち込みが禁止されている。
各施設の外に設置された専用の置き場に置いてから入場という形になる。
小さな子供と一緒に行く人は、抱っこ紐やおんぶ紐の用意を忘れないように。
ペットボトルを除き、飲食の持ち込み不可という点も覚えておこう。
各エリアにはおむつを替えるスペースが、「ジブリの大倉庫」にはミルク用のお湯も準備された授乳室とベビールームがあるので、必要に応じて活用してほしい。

ベビーカーだけでなく抱っこ紐も用意しておこう
ベビーカーだけでなく抱っこ紐も用意しておこう

6. ジブリ作品を予習・復習する

ジブリ作品を見てから、ジブリパークへ訪れた方が映画の世界観をより深く楽しめる。
シーンを思い出しながら、ギミックや装飾のディテールに注目してみるのがお勧めの歩き方だ。
全ての作品を見るのは難しいので、各エリアのテーマとなっている主なタイトルを表にまとめた。
自身の興味のあるものを事前に1〜2本はチェックしてほしい。
映画ごとに異なる特色があり、観るたびに違った楽しみが得られるのもジブリの魅力。
一度は観たことがある人でも、ストーリーを見直すと思わぬ発見もあるはず。

ジブリの大倉庫
・千と千尋の神隠し
・天空の城ラピュタ
・借りぐらしのアリエッティ
・風立ちぬ
など
青春の丘
・耳をすませば
・猫の恩返し
どんどこ森
・となりのトトロ
もののけの里
・もののけ姫
魔女の谷
・魔女の宅急便
・ハウルの動く城

7. ゆっくり楽しむために2〜3つのエリアに絞る

繰り返しになるが、1日でジブリパークの全てのエリアを回りきるのは難しい。
事前に入念なスケジュールを組んだうえで、9時〜17時の時間帯で効率よく回れば満喫できるかもしれないが、現実的ではないだろう。
無理やり全エリアを訪れようとすると急ぎ足になり、かえって満足感を下げてしまう可能性もある。
ジブリパークは細かな工夫や映画の一コマの再現など、各エリアに注目のポイントがあり、それらを見逃すのはもったいない。
そのため、2〜3つにエリアを絞った状態で訪れるのがお勧めだ。
これから初心者でも楽しめるモデルコースを紹介していくので、内容を参考に計画を立ててほしい。

欲張らず訪れるエリアを絞って、各エリアを満喫しよう
欲張らず訪れるエリアを絞って、各エリアを満喫しよう

初めてジブリパークに行くならコレ!お勧めの1DAYモデルコース

「広大で魅力たっぷりのジブリパークを、どのように回ったらいいかわからない」という方も多いだろう。
そんな方は以下の表のモデルコースを参考に巡ってほしい。
様々な体験とグッズの購入、飲食もできる「ジブリの大倉庫」を中心に、新エリアの「魔女の里」、『耳をすませば』や『猫の恩返し』の世界観に浸れる「青春の丘」を1日かけて楽しむコースとなっている。
コース全体で6時間30分かかるため、モデルコースの内容で回るためには

  • 開園時間に入園
  • 「ジブリパーク大さんぽ券プレミアムチケット」を購入

する必要がある。
また、混雑状況によっては移動時間や待ち時間が想定よりもかかる可能性があるため、当日の混み具合によってプランの内容を調整しよう。

エリア プラン 所要時間
ジブリの大倉庫 ジブリのなりきり名場面展→映像展示室オリヲン座→大陸横断飛行→冒険飛行団 3時間30分
魔女の里 ハウルの城→オキノ邸→グーチョキパン屋 1時間30分
青春の丘 猫の事務所→地球屋→エレベーター塔 1時間30分

※上記の所要時間は編集部の見解です。

ジブリパークの楽しみ方に関するよくある質問

Q

ジブリパーク周辺には宿泊施設はある?

A

愛知観光の窓口となる名古屋駅周辺から、愛・地球博記念公園から近いホテルまで多くの様々な宿泊施設があります。

Q

ジブリパーク周辺で待ち時間を過ごせる場所はある?

A

公園内には「アイススケート場」・「児童総合センター」など楽しめる場所があります。四季折々の花やベンチにちょっとした仕掛けもあるので周辺の散策もお勧めです。

まとめ

ジブリパークの魅力、5エリアの見どころとともに、楽しむポイントを紹介してきた。
これらの内容を参考に観光すれば、ジブリ映画の世界にどっぷりと浸かれるはずだ。
スポットに詰め込まれた一つひとつのこだわりが、感動体験に導いてくれるだろう。
こちらの記事では、愛知の定番観光名所、人気飲食店を網羅的にまとめているので、宿泊予定の方は合わせて見てほしい。