ニーズに応じた移動手段がわかる!成田空港から東京までの交通ガイド
国内最大級の規模を誇る「成田空港」は、空の玄関口として国籍を問わず様々な利用客を迎え入れ、送り出している。
成田空港を起点とした日本旅行を計画中の外国人の方も多いだろう。
一方で、空港から東京にはどうやって行けばいいのか、どの方法がお勧めなのか知りたいと思っている人もいるはずだ。
この記事では、成田空港から東京の主要駅までの、電車・バス・タクシーによるアクセスをそれぞれのメリット・デメリットと合わせて紹介する。
初めて日本・成田空港に訪れる人でも、安心して目的地にたどり着ける内容にまとめているので、ぜひ最後まで読んでほしい。
目次
成田国際空港ってどんなところ?
年間約4,400万人(2019年実績)が利用する国際空港で、首都圏の空の玄関口。
東京ではなく千葉県成田市に位置する。
1978年の開港以来、国内外あわせて航空機の発着回数が通算約600万回を数え「NRT(空港コード)」の名はアジア圏のみならず、世界中で高い知名度を誇っている。
空港のレイアウトは第1〜3の旅客ターミナルと貨物ターミナルを備え、現在稼働中のA・B滑走路にプラスして、3つめの滑走路も新設される予定だ。
成田空港から東京の主要駅への所要時間と費用
成田国際空港から東京の主要駅への所要時間と費用は以下の表の通り。
それぞれ最も早い交通手段を使用した場合の情報だ。
なお本記事では、成田空港第2,3ターミナルの最寄り駅の「空港第2ビル駅」を起点とした。
第1ターミナル発着の場合は「成田空港駅」が最寄り駅となり、記載時間に若干ズレが生じる。
- 東京駅
-
・所要時間:約1時間
・費用:3,072円 - 新宿駅
-
・所要時間:約1時間20分
・費用:2,775円 - JR上野駅
-
・所要時間:約1時間
・費用:2,713円 - 渋谷駅
-
・所要時間:約1時間15分
・費用:2,775円
※交通系ICカード利用時、2024年8月時点の運賃
東京へ最も早くアクセスしたいなら”スカイライナー”がお勧め
成田空港から東京へ最も早くアクセスする方法は、京成電鉄の”スカイライナー”である。
成田空港駅と京成上野駅を結ぶ有料列車で、空港第2ビル駅から日暮里駅までを最短約36分で運行している。
ファッションデザイナー・山本寛斎(やまもとかんさい)がデザインを手掛けた車両は、「凛」がコンセプト。
外観の美しさだけでなく、清涼感と機能美を備えた快適な空間も魅力。
座席幅470mmのくつろぎスペースにACコンセント・無線LAN、大型荷物置場と、設備も申し分ない。
上り(成田空港・空港第2ビル→新鎌ヶ谷・青砥・日暮里・京成上野)の最終便は23時帯なので成田空港への到着が遅くなる場合も安心だ。
”スカイライナー”は全席指定席でスカイライナー停車駅の乗車券販売窓口ほか、指定旅行代理店・公式Webサイトからも購入ができる。※乗車日の1ヶ月前から予約可
- 停車駅
-
成田空港駅・空港第2ビル駅・日暮里駅・京成上野駅
※一部列車では青砥駅、新鎌ヶ谷駅にも停車 - 運賃
-
成田空港駅・空港第2ビル駅~日暮里駅・京成上野駅:2,567円
成田空港駅・空港第2ビル駅~青砥駅:2,191円
成田空港駅・空港第2ビル駅~新鎌ヶ谷駅:1,722円
※交通系ICカード利用時、2024年8月時点の運賃
東京への交通費を安く済ませたいなら”在来線”の利用がお勧め
東京のどのエリアに行くのかによって最も安い交通手段は異なる。
ただ、在来線のみを利用した方法が基本的に安価なケースが多い。
例えば上野駅までのアクセスであれば京成電鉄の在来線が一番安く収まる。
スカイライナー、タクシーの場合と比べると半額以下だ。
交通手段 | 所要時間 | 運賃 |
---|---|---|
スカイライナー | 約50分 | 2,567円 |
京成電鉄の在来線 | 約1時間30分 | 1,052円 |
タクシー | 約1時間10分 | 30,000円〜40,000円 |
※交通系ICカード利用時、2024年8月時点の運賃
また行き先は限定(東京駅・渋谷駅など)されるものの目的地次第では、成田空港から出ているローコストバスに乗車すると、安く快適に移動ができる。
いずれの手段も長所と短所があるので、予算・荷物の多さ・時間帯・円滑さなどを比較した上で選択しよう。
成田空港から東京都内へ電車でアクセスする方法
成田空港から東京の主要駅まで電車を使ったアクセスを紹介しよう。
日本の首都ということもあって都心部は様々な路線が入り組んでおり、電車だけでも複数の手段が存在する。
旅行客やビジネスで利用される一般的な3つの交通手段を、費用や所要時間、利用のメリットおよびデメリットと合わせてまとめた。
内容を参考に自身にとって最適な手段を選んでほしい。
1. 成田エクスプレス
JR東日本が運営する“成田エクスプレス”は、成田空港駅と新宿駅・大船駅を直接結ぶ特急列車である。
東京駅・品川駅・新宿駅・横浜駅といった主要駅に直通アクセスでき、朝は7時40分から夜は21時47分まで(起点:空港第2ビル駅)運行している。
利便性の高さに加えて、無料Wi-Fi・電源コンセント・トイレ・ゆったりとしたリクライニングシートなど、車内設備の充実が大きな魅力。
本数は1時間に2~3便、他の移動手段と比べると運賃が高い点がデメリットだ。
空港第2ビル駅から主要駅までの所要時間と運賃は下記の表にまとめた。
“成田エクスプレス”は全席指定席で、券売機やWebサイト(えきねっと)から購入が可能。
目的地 | 所要時間 | 運賃 |
---|---|---|
東京駅 | 約1時間 | 普通車:3,072円/グリーン車:3,842円 |
品川駅 | 約1時間10分 | 普通車:3,248円/グリーン車:4,018円 |
新宿駅 | 約1時間40分 | 普通車:3,248円/グリーン車:4,018円 |
渋谷駅 | 約1時間35分 | 普通車:3,248円/グリーン車:4,018円 |
※交通系ICカード利用時、2024年8月時点の運賃
※チケットの種別で運賃の増減あり
2. スカイライナー+在来線
“スカイライナー”と”在来線”を利用した場合の経路・所要時間・費用は以下の表の通り。
この手段は主要駅までの所要時間が短く、”成田エクスプレス”よりも安く収まる点が大きな魅力だ。
ただし、上野駅を除き乗り換えが必要な点がデメリットと言える。
荷物が多い訪日観光客や初めての日本で電車に慣れていない場合は、”成田エクスプレス”でのアクセスをお勧めしたい。
空港第2ビル駅から東京駅へのアクセス
- 経路
-
1. 「空港第2ビル駅」からスカイライナーに乗車し、「日暮里駅」で下車
2. 「日暮里駅」からJR山手線外回りに乗車し、「東京駅」で下車 - 所要時間
- 約1時間
- 費用
- 2,734円
※交通系ICカード利用時、2024年8月時点の運賃
空港第2ビル駅から新宿駅へのアクセス
- 経路
-
1. 「空港第2ビル駅」からスカイライナーに乗車し、「日暮里駅」で下車
2. 「日暮里駅」からJR山手線内回りに乗車し、「新宿駅」で下車 - 所要時間
- 約1時間10分
- 費用
- 2,775円
※交通系ICカード利用時、2024年8月時点の運賃
空港第2ビル駅からJR上野駅へのアクセス
- 経路
-
1. 「空港第2ビル駅」からスカイライナーに乗車し、「京成上野駅」で下車
2. 「京成上野駅」から徒歩6~8分で「上野駅」に到着
※「日暮里駅」からJR常磐線快速・上野行に乗り換えるルートでも可 - 所要時間
- 約55分
- 費用
- 2,567円
※交通系ICカード利用時、2024年8月時点の運賃
空港第2ビル駅から渋谷駅へのアクセス
- 経路
-
1. 「空港第2ビル駅」からスカイライナーに乗車し、「日暮里駅」で下車
2. 「日暮里駅」からJR山手線内回りに乗車し、「渋谷駅」で下車 - 所要時間
- 約1時間15分
- 費用
- 2,775円
※交通系ICカード利用時、2024年8月時点の運賃
3. 在来線のみ
在来線のみを利用した場合の経路・所要時間・費用についても、下記にて表にまとめた。
この方法における最大のメリットは、運賃を抑えて各方面にアクセスできる点だ。
電車の本数が多いため、時間に制約されない移動やフレキシブルな計画の変更も可能である。
その反面、各主要駅へ行くには1時間30分以上かかり、座れる保障がない。
“成田エクスプレス”・“スカイライナー”と比べると車内設備が整っているとは言えず、乗り換えが必要となるので快適さでは見劣りする。
空港第2ビル駅から東京駅へのアクセス
- 経路
-
1. 「空港第2ビル駅」から京成本線に乗車し、「日暮里駅」で下車
2. 「日暮里駅」からJR山手線外回りに乗車し、「東京駅」で下車 - 所要時間
- 約1時間30分
- 費用
- 1,219円
※交通系ICカード利用時、2024年8月時点の運賃
空港第2ビル駅から新宿駅へのアクセス
- 経路
-
1. 「空港第2ビル駅」から京成本線・西馬込行などに乗車し、「日暮里駅」で下車
2. 「日暮里駅」からJR山手線内回りに乗車し、「新宿駅」で下車 - 所要時間
- 約1時間40分
- 費用
- 1,260円
※交通系ICカード利用時、2024年8月時点の運賃
空港第2ビル駅から上野駅へのアクセス
- 経路
-
1. 「空港第2ビル駅」から京成本線特急に乗車し、「京成上野駅」で下車
2. 「京成上野駅」から徒歩6~8分で「上野駅」に到着
※時間帯によっては「京成佐倉駅」、「京成成田駅」などで乗り換えが必要 - 所要時間
- 約1時間20分
- 費用
- 1,052円
※交通系ICカード利用時、2024年8月時点の運賃
空港第2ビル駅から渋谷駅へのアクセス
- 経路
-
1. 「空港第2ビル駅」から京成本線特急に乗車し、「日暮里駅」で下車
2. 「日暮里駅」からJR山手線内回りに乗車し、「渋谷駅」で下車 - 所要時間
- 約1時間50分
- 費用
- 1,260円
※交通系ICカード利用時、2024年8月時点の運賃
成田空港から東京都内へバスでアクセスする方法
続いて、成田空港から東京各地までのバスによるアクセス方法を紹介する。
空港ターミナルから目的の駅やホテルまで直接行けるのが大きな魅力だ。
有料列車よりも本数が多く、安く済むケースもあるので検討してみよう。
1. リムジンバス
成田空港からは東京各所までリムジンバスが運行している。
第1~3ターミナルに停留所があり、荷物をトランクに載せられるので、ゆったりとした移動ができる点も旅行客には魅力的だ。
比較的本数も多く、駅以外にも周辺のホテルなどにも直接行ける。
しかし、運賃が高額かつ所要時間も長く、交通状態によっては時間通り到着しないといった懸念点がある。
そのため、リムジンバスを選ぶならば有料列車か後述のローコストバスの方がお勧め。
詳細は以下の表を確認してほしい。
目的地 | 所要時間 | 運賃 |
---|---|---|
東京駅 | 約1時間40分 | 大人3,100円/子供1,550円 |
上野駅 | 約1時間50分 | 上記+電車運賃(片道167円) |
新宿駅 | 約1時間50分 | 大人3,600円/小人1,800円 |
渋谷駅 | 約1時間55分 | 大人3,600円/小人1,800円 |
※運賃は時期によって変動あり
2. ローコストバス
ローコストバス(LCB)とは、車両やルートを効率化して運行されるバスを指す。
通常よりも安価な運賃で提供されるため、予算を抑えたい旅行客には有効な選択肢のひとつ。
特に東京駅に向かう場合は有料列車と近い所要時間ながら、運賃は半分近くになるため費用面でのメリットが大きい。
サービスの品質・快適さが簡素な場合があるものの、利便性や料金を踏まえると気にならない程度だ。
これと言った問題点はなく、強いて挙げるなら運行先が限られていることだろう。
現在成田空港からローコストバスでアクセス可能な東京の主要駅は以下の通り。
目的地 | 所要時間 | 運賃 |
---|---|---|
東京駅 | 約1時間10分 | 大人1,500円/子供750円※深夜早朝便は2倍 |
池袋駅 | 約1時間50分 | 大人2,300円/小人1,150円 |
銀座駅 | 約1時間20分 | 大人1,500円/子供750円※深夜早朝便は2倍 |
東京都内へのアクセスにタクシーを利用する場合の所要時間と料金
タクシーも成田空港から東京の主要駅までのアクセスにおける選択肢のひとつ。
第1~3ターミナルにタクシー乗り場があるので、トラブルがない限りすぐに拾えるだろう。
空港からホテル・観光地などの目的地まで最短で行けるのが大きな魅力。
他者との接触もほぼないので、移動中も周囲を気にせずにプライベートな時間を過ごせる。
タクシーを利用した場合の成田空港から東京の主要駅への所要時間は、以下の通りだ。
いずれも高速道路の利用を前提とした所要時間であり、時期・時間帯によっては混雑や渋滞の影響によって所要時間は前後する。
- 東京駅
- 約1時間
- 新宿駅
- 約1時間20分
- 上野駅
- 約1時間10分
- 渋谷駅
- 約1時間10分
費用は利用する時間帯や場所によって異なるが、大体30,000円〜40,000円程度。
4人で乗車したとしても、1人あたり8,000円前後は少なくとも必要なため、予算に余裕がなければお勧めできない。
予算に余裕があれば送迎サービスの利用もお勧め
タクシーでのアクセスを考えている方は、送迎サービスの利用も検討しよう。
文字通り空港から目的地まで運んでくれるサービスで、簡単に言うと定額制のタクシーだ。
運転手(担当スタッフ)が到着ロビーで待機し、合流後は最後までエスコートしてくれるのが一般的なパターン。
荷物の積み下ろしに加えて、ドアtoドアで目的地までたどり着けるので、初めての場所でも快適かつ安心。
人数・目的に応じて車のタイプも選択可能で、熟練のドライバーが揃っているため、ストレスフリーな移動ができる。
タクシーと違ってメーターを気にする必要や、最後まで料金がわからないといった心配もいらない。
また、外国語対応・旅行案内などの付加価値を持ったドライバーの多さも、訪日観光客には嬉しいポイント。
サービス内容や費用は会社ごとに異なるが、東京都内への送迎の場合は3万円~4万円を目安に考えてほしい。
基本的に予約必須で繫忙期は予約が取りづらい点がデメリットに挙げられる。
東京都内へのアクセス前に立ち寄りたい成田空港周辺の観光スポット3選
最後に成田空港周辺にある観光スポットを3つ紹介する。
見落としがちだが、空港周辺には魅力的な観光スポットが多く、自然や歴史など様々な楽しみ方も可能だ。
時間に余裕がある方や初日のスケジュールが決まっていない方は、東京に行く前に立ち寄ってみよう。
1. 成田山新勝寺
「成田山新勝寺」は年間1,000万人を超える参拝者が訪れる、日本全国でも有数の寺院。特にお正月には多くの参拝者が初詣に訪れる。
1,000年以上の歴史を誇る寺院で、関東屈指のパワースポットとして名高い。
約220,000㎡にも及ぶ境内には、5棟の国指定重要文化財が現存。自然豊かな公園も整備されており、四季折々の自然景観も楽しめる。
2. 航空科学博物館
成田空港に隣接する航空科学博物館は、滑走路に見立てたフォトジェニックな玄関アプローチから空へのロマンが広がる日本初の航空専門の博物館。
館内には映像やジオラマ、模型など多様な展示物が集まり、航空機や空港について楽しみながら詳しく学べる。
なかでもその大きさに圧倒されるジャンボジェット機・ボーイング747の胴体断面やエンジンは模型ではなく本物。
3. 成田市さくらの山
成田国際空港の滑走路北側の丘の上にある公園で、飛行機の離着陸を間近に見られる。
「飛行機の見える丘」として知られる絶好のロケーションは、テレビドラマなどの撮影にも使われておりカメラマンや観光客に人気のフォトスポットとなっている。
春には桜、夏には新緑、四季折々の花々と飛行機を一緒に撮影することが可能。
成田空港から東京までのアクセスに関するよくある質問
Q
成田空港から東京駅までは最短で何分?
スカイライナーと在来線を利用すれば約50分で到着できます。
Q
成田空港から新宿駅までは最短で何分?
スカイライナーと在来線利用すれば約1時間10分で到着できます。
Q
成田空港から東京駅までの交通費が最も安く済む方法は?
在来線のみを利用すれば、片道1,219円と最も安く済みます。
まとめ
この記事では、成田空港から東京都心への交通手段ごとにアクセス方法と利用時のメリット・デメリットを説明してきた。
空港は想像以上に広く、手段ごとに行き先も異なるので、初めて訪れる方は戸惑ってしまうかもしれない。
そんな時は案内版や近くのサービスセンターに立ち寄って、まずは現在地を把握しよう。
目的や予算と相談の上、自身にピッタリな移動方法を選び、最大限に日本旅行を満喫してほしい。