飲んで学んで楽しめる。日本人に愛されるお酒をめぐる府中1泊2日の旅
日本独自の日本酒やビールは、日本国内ではもちろんのこと海外からの人気も高い。府中には、ビール工場見学やお酒の神様へのお参りなど、味わうだけじゃないお酒の楽しみをたっぷり堪能できる施設がたくさんある。府中周辺のお酒に関連する施設をめぐる1泊2日のコースを紹介していきたい。
目次
「大國魂神社」内にある「松尾神社」でお酒の神様にお参り
まずは京王線「府中駅」から歩いて5分ほどの場所にある「大國魂神社」でお参り。入り口の鳥居から本殿までの参道は、約120本のケヤキからなる国の天然記念物に指定された「馬場大門のケヤキ並木」の一部。境内の澄んだ空気を吸いながら参道を歩くだけで心が洗われるようだ。
約1900年の歴史がある「大國魂神社」には、厄除けや縁結びのご利益がある摂社がいくつかあるが、その中でもぜひお参りしてほしいのが、醸造の神様を祀る「松尾神社」。江戸時代に武蔵国の酒造の人たちの要望で、京都の松尾大社から勧請された神社だ。
毎年東京の酒蔵が集まる祈願祭を行い、お酒を御神前に奉納している。さらに毎年秋には「武蔵の國の酒祭り」が開催され、全国の日本酒を飲み比べができる。イベントの時期に合わせて参拝すると、より楽しめる神社だ。
サントリー〈天然水のビール工場〉東京・武蔵野の見学ツアーへ
京王線「府中駅」へと戻り、タクシーに乗車。8分ほどで「サントリー〈天然水のビール工場〉東京・武蔵野」に到着する。「ザ・プレミアム・モルツ」をはじめとしたサントリーのビールの製造工程の見学と、ビールの試飲を楽しめるスポットだ。
工場見学ではビールの素材選びからパッケージングまでを一挙に見学できる。素材のダイヤモンド麦芽をそのまま味わったり、ファインアロマホップの香りを楽しんだり、大迫力の大きな釜で麦汁が作られる様子を覗いたり……五感を通したビール作り見学はエンターテイメントと言っても過言ではないだろう。
なかでも麦芽の皮を取り除く濾過槽や、麦汁を煮沸してホップの香りづけをする煮沸釜などの仕込工程は大迫力。また、こだわりの天然水や麦本来の旨みやコクを引き出すダブルデコクション製法など、サントリーのビールのおいしさの秘密にも触れることができる貴重な機会だ。
ビールの品質をチェックする官能検査を見学できるVR体験スペースも必見!
お洒落なレストランのような試飲スペースでは、注ぎたての「ザ・プレミアム・モルツ」「ザ・プレミアム・モルツ〈ジャパニーズエール〉香るエール」「ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム」の3種類を飲むことができる。希望者は神泡アートやビール注ぎ体験もできるので、ぜひチャレンジしてみよう。
見学で知ったホップの香りがしっかりと感じられた「ザ・プレミアム・モルツ」。その香り高さに驚いた。さらにフルーティーな香りで軽やかな飲み心地なのが「香るエール」。ビールの味が苦手という方も飲みやすい味わい。「マスターズドリーム」は3種類の中でビールの色味も味わいも濃く、しっかりとコクが感じられた。
併設ショップでは「サントリー〈天然水のビール工場〉東京・武蔵野」のみで製造されているクラフトビール「東京クラフト ペールエール」やビールにピッタリなおつまみを販売。オリジナルグッズも豊富にあるので要チェックだ。工場見学は人気のため、必ずオフィシャルウェブサイトから予約してから出かけよう!
府中で造られた地酒「國府鶴」を「酒座 中久本店」で手にいれる
「サントリー〈天然水のビール工場〉東京・武蔵野」から5分ほどタクシーに乗り「酒座 中久本店」へ。大國魂神社の神人という役職にあった野口家が、神社で使用する御神酒造りを依頼され酒造りを始めたのが創業のきっかけだ。初代・野口久兵衛が1860年に「中屋」と名乗り、その後中屋の久兵衛を略して「中久」と呼ばれるように。今もその屋号を引き継ぎ、営まれている酒屋だ。
国内外のさまざまな酒を取り扱っており、2024年に40年ぶりに復活した府中の地酒「國府鶴」も販売している。
酒蔵をリノベーションした併設カフェ「蔵カフェ」では、「國府鶴」の酒粕を使った「酒粕ラテ」や自家製チーズケーキを味わえる。月に一度、日本酒10種類ほどを飲み比べることができるきき酒のイベントも開催中だ。
「日本料理 三松本店」で「ザ・プレミアムモルツ」と和食のペアリングを楽しむ
おみやげを選んだ後は「酒座 中久本店」から徒歩5分ほどの「日本料理 三松本店」へ。地元民から愛されている老舗の日本料理店だ。サントリーの「ザ・プレミアム・モルツ」のきめ細かいクリーミーな泡を味わえる“神泡”達人店に認定されている店でもある。
料理は毎日豊洲市場から仕入れる新鮮な魚を使ったお寿司や和食を提供。ビールや日本酒とのペアリングをぜひ楽しんで欲しい。店内には和の情緒に溢れていて、カウンター席や掘りごたつの席から、ゆっくりくつろげる個室まである。カウンター席に座って、目の前で熟練の板前の手捌きを楽しむのもオツだ。和の趣を感じながら酒席をゆっくりと過ごしてほしい。
府中の街でお酒を堪能した後は宿泊施設でくつろぎ時間
一日たっぷりと府中にまつわるお酒を楽しんだ後は、府中市内での宿泊がおすすめだ。府中市にはビジネスホテルからファミリーで泊まれるホテルまでさまざまな宿泊施設がある。前後の予定に合わせて選択しよう。
まとめ
歴史ある神社でお酒の神様にお参りしたり、おいしいビールが作られる過程を見学できたり、日本酒と和食のペアリングを楽しめたりと、日本のお酒を様々な角度から体験できる府中の旅。府中周辺を訪れたら立ち寄って、ここでしか出会えないお酒の魅力に存分に触れたい。