【多摩動物公園楽しみ方ガイド】出会えるのはアリからゾウまで!ハイキング気分で巡れる動物園
自然豊かな園内で、ありのままの動物の暮らしを覗いてみよう
1958年に開園した首都圏最大級の動物園で、約52.3haの敷地面積の中には多種多様な動物が暮らしている。
園内は自然が豊かで、春には桜、秋には紅葉樹が色づき四季折々の景色が楽しめる。
広い敷地と多摩丘陵の豊かな自然を活かし、ライオンやキリン、モウコノウマなど野生で群れをつくる動物はできるだけ群れで飼育している。群れの中での個体同士の関わりやさまざまなしぐさを観察することができる。
多摩動物公園の攻略法は、見たいポイントを決めたら、あとは焦らず時間をかけてゆっくりと回ること。なぜなら、敷地が広い上に多摩丘陵の起伏に富んだ地形の中にあるからだ。最大の高低差は約50m、小高い山をハイキングするような感覚を体感できる。日頃の運動不足を解消しながら、動物たちを鑑賞しよう。本記事では、特に見逃せない見どころをいくつかピックアップするので、ぜひ参考にしてほしい。
ライオンが間近に!迫力満点の「ライオンバス」
園内はアフリカ園、オーストラリア園、アジア園、昆虫園の4つのエリアに分かれている。
まず、会いに行ってみたのは、アフリカ園にいるライオンだ。
ここは、バスに乗ってライオンを見るという「サファリ形式」の展示スタイル。
今ではサファリパークなどでもおなじみのこのスタイルを、世界で最初に取り入れたのがここ多摩動物公園だ。
「ライオンバス」は1964年に運行開始し、2024年60周年を迎えた。
「ライオンバス」に乗りおよそ10分のサファリツアーへ。
ここでは、ライオンの群れがくらす運動場にバスで入ることができる。
なかま同士が頭をこすりあったり、寄り添ったり、吠えたり、ときにはケンカをすることも。
ライオンは、ネコ科では珍しく群れで生活する。ライオンのコミュニケーションの取り方を間近で観察してみよう。
大きく取られた窓からは、ライオンの大迫力の姿が間近で見られる。
乗車中はフラッシュを使わなければ、写真撮影も可能だ。
至近距離で撮影できるのも「ライオンバス」の醍醐味で、貴重な姿をカメラに収めようと多くの人が撮影に夢中。
多摩動物公園オリジナル!「サバンナキッチン」のオススメ料理
広い公園内には、4つのフードショップがあり、しっかりとした食事からファストフード、ドリンクなどが楽しめる。
さあ、やってきたのはサバンナキッチン。
ここではカレーやスパゲッテイ、ハンバーグなどの食事メニューのほか、珍しいアフリカ料理も堪能できる。
オーダーしたのは、ケニア料理の「ビーフカランガ」と西アフリカ料理の「ジョロフライス」。
どちらも多摩動物公園のスタッフが日本人の口に合うように具材や味付けを調整したオリジナルメニューで、他所では食べられない味だ。
また、コーヒーはレインフォレスト・アライアンス認証のコーヒー豆を使用。
環境保全はもちろん労働者の人権にも配慮する等、厳しい基準要件を満たす認証農園で生産されたもので、地球や環境に優しいおいしいコーヒーが味わえる。
生きている虫たちに出会える動物園の中の「昆虫園」
「アリからゾウまで見られる動物園」をコンセプトに掲げる多摩動物公園。
動物園の中に昆虫園があるのは珍しく、さらに標本ではなく生きている姿が見られるとあって、注目のスポットなのだ。
昆虫園は、本館と生態園とふたつの建物があり、昆虫を中心に100種近い生き物が展示されている。
まずは15種類1000匹の蝶が舞う生態園へ。
天井がガラスの温室は中に入ると暖かく、蝶が優雅に舞う姿を目の前で楽しめる。
中央には世界三大花木のひとつの「ホウオウボク」があり、一年を通じて緑豊かだ。
自由に飛び回るチョウに加え、じっくりと蝶が見られる仕掛けも。
各所に「蝶のレストラン」という蜜の皿を設置、その場に留まって蜜を吸う姿を観察できる。
「蝶は色や形を認識するので、蜜のところには造花を添えているんです。」と話してくれたのは、昆虫園飼育展示係の碓田さん。
よく見てみると、それぞれの蜜の皿にはいろいろな造花が確認できる。
温室を出てからも展示は続く。注目はトノサマバッタで、成長過程が順番に見られるように展示されている。
「昆虫が成長していく様子を生体で展示するため、成長段階の異なるトノサマバッタを同時に飼育しています。万一、どこかの段階で全滅してしまうと成長過程の展示ができなくなってしまうので、日々緊張感があります(碓田さん)」。
さあ、続いては隣の本館へ。
多彩な昆虫が展示されているが、なかでも注目したいのはハキリアリだ。
日本では多摩動物公園にしかいない目玉と呼ぶべき昆虫だ。
葉を嚙み切って運び、その葉で菌園を作って、作った菌を食べるという変わった生き物。
懸命に葉を運ぶハキリアリが愛おしく、ずっと見ていても飽きない。
タスマニアデビルやコアラなど多彩な動物に出会えるアジア園、オーストラリア園へ
さあ、次はアジア園とオーストラリア園を巡ってみよう。
アジア園ではアジアゾウやオランウータン、ユキヒョウ、レッサーパンダなど、オーストラリア園ではコアラやタスマニアデビル、カンガルーなどの動物が見られる。
オーストラリア園のコアラの展示は円形になっていて、さまざまな方向からコアラを見ることができる。
また、コアラ館近くにある「コアラ館下売店」にぜひ寄ってほしい。
ここの名物は「多摩ZOO醤油ラーメン」。園内を歩いた後に、広いテラス席でのんびりと食べるラーメンは格別だ。
おみやげにオススメな多摩動物公園限定グッズ
園内を満喫したら、最後は多彩なアイテムが揃うギフトショップへ。
Tシャツやぬいぐるみ、バッグにキーホルダー、帽子など動物がモチーフのグッズがずらりと並ぶ。
タスマニアデビル関連グッズは、多摩動物公園限定なのでぜひチェックしたい。
まとめ
最寄り駅から徒歩1分というアクセス良好な多摩動物公園。正門を一歩くぐれば、多摩丘陵の自然が広がり、日本ならではの四季を体感することができる。「アリからゾウまで見られる動物園」の言葉どおりで、昆虫から大型動物まで幅広い種類の動物がのびのびと暮らす。馴染みある人気動物も群れで暮らす様子やさまざまな角度から観察でき、新たな一面を発見できるはず。好奇心を満たす充実した一日が過ごせること間違いなしだ。