江戸時代と明治維新の歴史を感じよう!萩の人気観光スポット10選
四季折々の豊かな表情を見せる自然が広がり、歴史と文化を今に伝える山口県「萩市」。
風情ある城下町を散策したり、世界遺産のスポットを巡ったり、歴史を感じられる観光スポットが多いのも魅力のひとつ。
温泉郷もあるため、日本の文化にどっぷりと浸れるだろう。
この記事では萩に初めて訪れる方でも楽しめるように、萩の人気観光スポットやお勧めの観光シーズン、交通アクセスなどを紹介する。
記事の内容を参考にすれば、萩観光を最大限楽しめるだろう。
目次
萩ってどんなところ?
山口県北部に位置する萩は、日本海に面し三方を山に囲まれた、美しい自然景観と風情ある街並みが特徴だ。
1億年にわたる火山活動の変遷を感じられる、巨大なカルデラや大きな断崖などのダイナミックな絶景の数々にも注目してほしい。
その他にも、国指定名勝の渓谷美を堪能できる「長門峡」や、六角形の岩が整然と並ぶ、山口県自然百選「畳ヶ淵」など、様々な自然景観を楽しめる。
江戸時代(1603年〜1868年)には、武将・毛利家の本拠地である「萩城」が建ち、城下町として栄えた歴史を持つ。
萩城跡と武家屋敷や商家町が立ち並ぶ、風情ある城下町の街並みは人気の観光スポットとなっている。
それだけでなく、萩では世界遺産に登録された遺産巡りもできる。
「明治日本の産業革命遺産」を構成する、「萩反射炉」「恵美須ヶ鼻造船所跡」「大板山たたら製鉄遺跡」「萩城下町」「松下村塾」を巡れば、日本に産業技術が導入され始めた時代を感じられるだろう。
また、萩は明治維新を牽引した英雄や近代国家の樹立に功績を残した、多くの文化人を輩出してきた地域でもある。
近代日本の先駆者・ 吉田松陰ゆかりのスポットや、日本の初代内閣総理大臣・伊藤博文の旧宅・別邸など、江戸時代から明治時代(1868年〜1912年)の歴史ある文化施設も見どころだ。
年間を通してフグやケンサキイカなどの旬の魚介を楽しめ、萩の特産品でもある夏みかんを使用した様々な菓子も楽しみたい。
萩のおすすめの観光シーズンは?
萩の夏は日本国内でも比較的暑く、冬は非常に寒いのが特徴。
そのため、安定した気候で観光しやすい、秋がベストシーズンだ。
紅葉の名所も多く、11月上旬から中旬にかけて見頃を迎え、観光スポットを彩る紅葉を楽しめる。
水面を真っ赤に染める紅葉が圧巻の渓谷美を見せる長門峡や、萩ならではの歴史ある寺院や庭園を染める紅葉は必見だ。
萩の季節ごとの着衣例
- 春(3月 - 5月): 軽めのジャケットおよび薄手のセーター
- 夏(6月 - 8月): 薄手の着衣、半袖
- 秋(9月 - 11月): 軽めのジャケット、コート
- 冬(12月 - 2月): コート、ウールスーツ、厚手のセーターやジャケット
萩への移動方法は?
東京・大阪から萩へのアクセスは、下記の表にまとめたので参考にしてほしい。
どちらも3時間程度はかかる。山口の玄関口である「山口宇部空港」からは、バスを乗り継ぎ約1時間40分、タクシーなら約75分だ。
東京から萩へのアクセス
- 経路
-
1. 「羽田空港」から飛行機で「山口宇部空港」へ
2. 「山口宇部空港」から空港連絡バスで「新山口駅」へ、高速バス「スーパーはぎ号」に乗り換え、萩市内へ到着。 - 所要時間
- 約3時間20分
大阪から萩へのアクセス
- 経路
-
1. 「新大阪駅」から新幹線で「新山口駅」へ
2. 高速バス「スーパーはぎ号」に乗り換え、萩市へ到着。 - 所要時間
- 約3時間
萩観光の主要交通手段
萩市内の主要交通手段はバスと観光タクシーだ。
市内を東回りと、西回りの2ルートを約30分間隔で運行する「萩循環まぁーるバス」は市内観光には便利。
運転手によるガイド付きや観光エリア別など、様々なコースが選べる観光タクシーなら快適に観光スポットを巡れる。
自分のペースで観光を楽しみたいなら、レンタカーの利用を検討しても良いだろう。
萩の魅力を満喫できる人気観光スポット10選
萩には魅力ある観光スポットが多いため、初めて観光をする方はどこから回るか迷うはずだ。
そんな方のために、歴史や文化に触れられるスポット、風情ある街並みを楽しめるスポットなど、萩ならではの体験ができるスポットを紹介しよう。
1. 松下村塾(松陰神社)
萩で生まれ育った吉田松陰が幕末に主宰した私塾。この周辺が「松本村」と呼ばれていたことから「松下村塾」と名付けられたという。
松陰は身分や階級に関係なく塾生を受け入れ、教えた期間はわずか1年余りだったが、久坂玄瑞、高杉晋作など、明治維新と明治新政府に活躍した多くの逸材を輩出した。
幕末当時のまま保存されている由緒正しき建造物は、木造瓦葺き平屋建ての小舎で、8畳を中心に増設した4畳半、3畳2室、土間、中2階からなる。
2. 萩城跡指月公園
総面積約20万㎡の萩城跡指月公園は、かつて毛利氏が治めた萩城があった場所。旧本丸跡に歴代藩主を祀る志都岐山神社が創建された際、公園として整備された。
1604年に築城された萩城は、毛利輝元によって造られた。当時は本丸、二の丸、三の丸など、大規模な城郭であったが、明治時代に多くが解体された。現在、園内には石垣や堀の一部が残されていて、国指定の史跡になっている。
3. 萩・明倫学舎
明治維新の志士を多く輩出した萩藩の教育機関「藩校明倫館」の跡地に、1935年に建てられた日本最大級の木造校舎。本館は国の登録有形文化財にも指定されており、当時の学びの雰囲気が色濃く残っている。
本館では展示室や観光インフォメーションセンターが設けられ、山口県・萩エリアの歴史と文化を深く学べる。復元された教室や校長室、当時の建物の構造が伺える天井裏の紹介といったユニークな展示がある。
4. 萩反射炉
萩反射炉は、山口県萩市にある西洋式の金属を溶かす炉の跡。
1856年、外国からの脅威に備えて鉄製の大砲づくりを目指した萩藩によって建てられた。現在はレンガを積み上げ造られた、高さ約10メートルの煙突のみが残されている。
国内に現存しているのは、韮山(静岡県)、旧集成館(鹿児島県)と、この萩反射炉の3つだけ。歴史的な建築物として、2015年にはユネスコ認定の世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」にも登録された。
5. 萩八景遊覧船
古地図で散策できるほど、昔のまち並みや史跡が今も残る萩のまちを水上から観光する遊覧船。
萩のまちは2つの川に挟まれた水の都でもあり、水上からも風光明媚な景色が楽しめる。
約40分の船旅は、萩城跡横の指月橋からスタート。世界文化遺産にも登録される萩城下町や堀内重要伝統的建造物群保存地区へと進んで行く。
6. 萩城下町
1604年、毛利輝元が萩城を築いて以来、260年間にわたって36万石の城下町として栄えた町、萩。
白壁やなまこ壁(土蔵などに用いられる日本伝統の壁塗りの様式)、黒板塀の美しい町並みは、「江戸時代の地図がそのまま使える」と言われるほど江戸時代の町筋がそのまま残り、当時の風情が色濃く残る。
7. 長門峡
萩市と山口市にまたがる阿武川沿いの全長12㎞の渓谷「長門峡」。
国指定の名勝であり、「21世紀に残したい日本の自然100選」にも選ばれた美しい渓谷は、四季折々の自然を楽しめるのが最大の魅力。
春はヤマザクラ、夏は清流と新緑、秋は紅葉、冬は雪景色と季節ごとに異なる表情を見せてくれる。
特に秋の紅葉は有名で、11月上旬から中旬にかけて色鮮やかな紅葉が一帯を染め上げる。
長門峡を散策するなら、両岸に切り立った崖や深い淵がいくつも点在し、見どころ満載の約5.1㎞の遊歩道がお勧め。道中の休憩所や茶屋で休憩しながら、ゆっくり散策しよう。
8. 菊ヶ浜
日本海に面する「北長門海岸国定公園」内に位置する「菊ヶ浜」。
白砂青松の美しい海岸が約1km続き、萩城跡をはじめ国指定天然記念物「指月山」や沖に浮かぶ島々、標高112mの小さな火山「笠山」を一望できるビュースポットだ。
特に沈む夕陽と周囲の島々のシルエットが織りなす絶景は美しく、「日本の夕陽百選」に選ばれるほど。
また、水質が良く透明度が高いため、夏には多くの海水浴客で賑わう。
9. 恵美須ヶ鼻造船所跡
「恵美須ヶ鼻造船所跡」は、国指定史跡に認定されている幕末(江戸時代末期)の貴重な遺跡。
ロシア式とオランダ式という異なる技術で西洋式帆船が建造された、幕末の技術革新の歴史を象徴する場所だ。
当時の石造堤防はそのままの姿で残されており、歴史的価値と日本の近代国家への歩みを体感できるスポットとして、多くの人々が訪れている。
10. 道の駅萩しーまーと
萩漁港に隣接する「道の駅萩しまーと」には、地元の旬の食材を購入できる鮮魚店や旬の地魚を使った料理を味わえるレストラン、萩のお土産を購入できるショップなど、山口のグルメを満喫できる17店舗が軒を連ねている。
水揚げされたばかりの鮮魚や農産物などが並ぶ様子を眺めるだけでも楽しいはずだ。
施設内の3つの海鮮レストランでは、寿司や海鮮丼・天ぷら・郷土菓子など、萩ならではの味覚を堪能できる。
「テイクアウト海鮮寿司パック」も人気で、日本海の絶景を見ながら外で食べるのもお勧め。
蒸気船の形をした「蒸気まんじゅう」や、吉田松陰のことばを解説した栞が入った「松陰先生禁断の大福もち」など、萩名物のお菓子も購入可能だ。
萩が育んだ「おいしい食文化」を堪能しよう。
日本海に沈む美しい夕陽と温泉に癒やされよう!萩のお勧め宿泊施設3選
萩を観光するなら、泉質の異なる7つの温泉が特徴の「萩温泉郷」へぜひ宿泊してほしい。
市内の各地に自家源泉を持つ温泉宿や温泉施設が点在。
なかでも「はぎ温泉」「萩本陣温泉」「千春楽泉」「萩指月温泉」には、日本海の絶景を望むロケーションが魅了の温泉宿が多い。
ここからは露天風呂や客室から絶景を楽しめる、お勧めの宿泊施設を3つに厳選して紹介しよう。
1. 萩温泉郷 宵待ちの宿 萩一輪
白砂青松の美しい海岸で「夕陽百選」にも選ばれる菊ヶ浜に面した萩の温泉旅館。
露天風呂客室やティーラウンジからは日本海や指月山の風光明媚な景観を楽しめる。
自家源泉を使った温泉は陶器風呂など4つの露天に加え、半露天4つと内湯3つの計11の湯船が揃う。1日ごとに男女を入れ替えるのですべての湯めぐりも可能だ。
2. リゾートホテル美萩
新山口駅からバスで1時間半、風光明媚な菊ヶ浜沿いに位置する「リゾートホテル美萩」。
日本海に美しい夕陽が沈む絶景を見られる客室と露天風呂が最大の魅力だ。
地下1,500mから組み上げた自家源泉の天然温泉であり、鮮度が高い温泉に浸かりながら、ゆっくり夕陽を眺めれば心と体も癒やされるだろう。
貸切風呂もあるため、プライベートな空間で贅沢なひとときを過ごすことも可能だ。
菊ヶ浜の絶景を一望できる客室と、趣のある城下町の景観を楽しめる客室のどちらかを選べるのも嬉しいポイント。
旬の食材にこだわったホテル自慢の創作会席も魅力のひとつだ。
3. 萩小町
萩の西部、日本海の絶景を満喫できるロケーションが魅力の「ホテル萩小町」。
特に魅力的なのは目の前に日本海と空が広がる露天風呂。
開放的な景色を眺めながら、潮の香りと波の音を感じつつ天然温泉に浸かれば、旅の疲れも癒やされるだろう。
また、日本海の天然の大岩がある大浴場では、室内にいながら日本海の雄大さを肌で感じられるはずだ。
ひとりで、または家族でゆっくり温泉を楽しみたい方には貸切風呂もお勧めだ。
ほとんどの客室から日本海を眺められるだけでなく、大きな窓から日本海を一望できる展望リラックスルームもあり、施設内の様々な場所から日本海の絶景を堪能できる。
その他にも、娯楽ルームや遊技場、エステルーム、茶呑み処など、景色と温泉以外の体験ができる施設も充実。
山口県産の食材をふんだんに使った、和食と洋食を融合させた創作会席料理も特徴のひとつだ。
萩観光に関するよくある質問
Q
短い時間で萩を満喫するためには、どこに行けば良い?
主要観光スポットが集まっている萩の市街地がお勧めです。
Q
萩の名物グルメは?
新鮮な魚介を使用した「長州海鮮まぶし」や「長州海鮮うにしゃぶ」などは絶品です。
まとめ
この記事では、萩の人気観光スポットとお勧めの宿泊施設を中心に、お勧めの観光シーズン、アクセスなどを紹介してきた。
記事を参考に日本が「ものづくり大国」となった基礎を築いた歴史をはじめ、萩ならではの体験を満喫してほしい。
萩以外の山口の観光地に訪れる予定がある方は、山口の観光スポットを厳選して紹介している、こちらの記事も参考にしてほしい。