【竹工芸完全ガイド】職人のワザ光る!
日本庭園を造る上で欠かせない、竹垣。さらに、米を研いだり野菜を洗ったりするかごとして、その材料に竹が使われるなど、昔から日本人の身近には「竹工芸」はありました。今回は、竹垣から現代の日常に馴染む指輪やボトルスタンドまで、多彩な用途がある竹工芸の魅力をご紹介します!
日本最古の物語にも登場する身近な植物「竹」
現存する日本最古の物語である「竹取物語」。おじいさんが山に竹を取りに行くと、1本の光り輝く竹を見つけます。竹を取ると、美しい女の子が出てきて…というおとぎ話。物語にまでなるように、竹ははるか昔から日本人の身近なものでした。
竹は繁殖力が強く、日本では色々な場所で見られる植物です。毎年新たな地下茎を通じて生成されています。成長の早さが特徴で、おおむね1~2ヶ月で前年に生えた背丈まで一気に成長します。その後枝が生え、3ヶ月目には成長が終わります。1日で伸びる最長記録は120cmになります。はじめは水分量が多く柔らかい竹ですが、その後年々身が引き締まり水分が抜けていき、3年ほどで竹材として使用することができます。
その成長の早さからサスティナブルな素材として世界中から関心を集めていて、竹から作った布や紙、バイオマス発電など様々な利活用がされています。
竹の種類は世界に1,200種類以上、日本では600種類以上あると言われています。
主にアジアの温帯や熱帯に分布していて東南アジアや中国では竹を編み、容器にするなど、生活の道具として古くから使われていたことがわかっています。
竹は、中が空洞であることや、比較的腐食しづらい、軽いのが特徴です。さらに削ったり曲げたりすることが簡単で、繊維が同方向にあるため、それに沿って割ると細かくすることができ、同質で同じ長さの形状をたくさん作れるため、加工技術が発達していなかったはるか昔から日本でもさまざまなものの素材として重宝されてきました。
滑沢で強く、弾力性にも優れている竹。木とは違い、乾湿にも歪みがこないという特徴から、原始時代にはすでに用いられていました。
日本のみならず、諸外国から伝わった貴重な船来品の数々が納められていて「シルクロードの終着点」と言われている奈良時代の「正倉院」には、竹を用いた楽器をはじめ、箱や花籠、そのほか多数の遺品が保存されています。平安時代になると、建材としても随所に使われるようになりました。同時に、矢や鞭などの武器から農耕や漁猟の道具まで、日常生活に使われる道具にまで広がっていきます。
鎌倉時代の終わりごろから室町時代にかけて、日本では「茶文化」が発展していきました。その茶道具を製作するために欠かせない素材として竹はますます重宝されていきます。現在でも茶道具は竹でできています。江戸時代
初期には竹細工や柄杓師が活躍。将軍家の御用を務めるほどになっています。江戸時代中期になると大竹を輪切りにした花器や柄杓などの道具を作る職人が京都の二条や四条周辺に多く住みました。
竹垣の歴史
竹垣の正確な起源は実は不明と言われています。
平安時代に初めて文献に登場しています。江戸時代には「浮世絵」に竹垣が描かれていて、庶民の間にも広がっていたことがわかります。日本では竹垣はとても大切な役割を果たしています。
主に2つの役割があり、室外機や配管、ブロック塀、洗濯物などあまり見られたくない景色を「隠す」役割と、訪ねてくる人に喜んでもらうための「おもてなし」や住まいのアクセントとして、上質の和空間へといざない、見栄えをよくするための「魅せる」役割です。
そもそも「垣」というのは日本語では「土石で囲んだもの」という意味で、竹のニュアンスはありません。日本のように竹や木の枝などのもろい素材を使って垣根をつくっていて、生活の風景として溶け込んでいるのは世界的に見ても珍しいものだと言われています。
こういった素材を使って垣根を作るのは日本が島国であることに由来しているのです。英語で「垣」は「fence」や「hedge」にあたり、防衛や障害という意味になります。大陸の国は、陸続きでさまざまな国家や勢力が混在しているために「垣」は敵から国土を守るための大切なものです。古代のヨーロッパや中国では石積みやレンガ積みの頑丈な垣を設けて外敵の侵入に備えた作りになっています。
一方島国の日本は外敵に備えて垣を作ることはあるもののその規模は小さいものでした。樹木が少ない国々では土や石を加工して垣材料として使ってきました。木の文明を背景にしていており、自然とともに生きてきた日本では、材質のいい真竹や淡竹などが昔から身近にたくさんあり、垣根の材料のひとつに竹が使われるようになったのは自然なことでした。
竹垣の種類
竹垣は竹だけで作っていると思っている方も少なくないと思いますが、実は竹垣はアルミや木材をベースにして、その上から化粧の竹を貼っていき完成させています。
前述で竹は世界に1,200種類以上、日本では600種類以上あると言われているとご紹介しましたが、竹垣で主に使うのは「真竹」、「孟宗竹」、「淡竹」の三大竹です。
真竹は日本に昔からあった竹です。真竹のタケノコは食べず、工芸品で使います。真竹は薄く色の青みが良かったり、割りやすかったりする特徴があります。
食用のために中国から持ってきたのが孟宗竹です。太く、がっしりとしています。繊維の絡み方が複雑で粘り強く、割れにくく、硬いという特徴があります。ただ真竹に比べて色味があまりよくないため、工芸品にするときは加工して使っています。
淡竹は工芸品によく使い、茶筅やちょうちんの骨組みになります。
竹垣は用途や見た目、どこで使われ始めたかによって名前がついています。
1. 犬矢来(いぬやらい)
竹垣のひとつ「犬矢来」です。駒寄せともいいます。
割りやすく曲げやすいという竹の特徴を生かして作られています。家屋を守る重要な役目を果たしているこの犬矢来。犬の放尿除けや、雨や泥の跳ね返りから外壁を守って傷や腐食から守る役割や、泥棒除けの役割まで果たしています。ほかに、道路と敷地の境界線を示しています。
2. 四ツ目垣(よつめがき)
丸竹を格子状に組む、四角の目のすき間がある竹垣で、最も一般的な透かし垣のひとつです。
飾らない形状で、どこにでも合うことからその用途は幅広いです。庭以外にも用いられていて、公園や広場、茶の露地など様々な場所で仕切りとして使用されています。
3. 御簾垣(みすがき)
すだれの形状に似ていることからその名前がつきました。
細かい竹を積み上げて作ります。目隠しになり、竹同士のすき間から風が抜けていくため、風通しがよいのがこの竹垣の特徴のひとつです。
4. 寺の名前がついた竹垣
ほかに、寺の名前がついた竹垣もあります。
建仁寺垣
竹垣の中でも最も代表的な竹垣で、京都の建仁寺で初めて用いた形状のため、この名前がつけられました。
竹をすき間なく敷き詰めているのが特徴です。そのため、目隠しとしての塀や庭の仕切りなどの装飾に広く使われています。
勝龍寺垣
ベースには建仁寺垣の竹垣の代表的な技法が使われていますが、その上から「押さえ竹」といったモダンなデザインを施した竹垣です。
光悦寺垣(こうえつじがき)
芯には孟宗竹を使っています。孟宗竹に何段か切り込みを入れて曲げています。
世界的発明家エジソンも唸った、京都の竹
竹の一大産地のひとつである京都。竹の産地として京都は風土条件に大変恵まれています。
山に囲まれた盆地は寒暖の差が激しく、土壌も肥沃。風土と文化都市としての恵まれた環境のもと、竹の都として知られてきました。
京都の竹材の歴史は古く、すでに平安朝嵯峨天皇の頃、中国よりもたらされた竹が育てられていたと言われています。自然に恵まれ、技に磨かれ、京都から世界に名だたる銘竹を生み続けているのです。京都の竹工芸品の特徴は、竹そのものの持ち味をそのまま生かしているところです。それだけ京都の竹が素材として優れている証なのです。
実は現代の我々の生活を豊かなものにしてくれた歴史上の人物も京都の竹に惚れ込みました。それが、アメリカの発明王であるトーマス・アルバ・エジソン(1847~1931年)です。
紹介するまでもないですが、三大発明と言われる、蓄音機、白熱電球、初期の映写機を発明した人物です。発明したものの中のひとつである白熱電球の実用化に京都の竹が大きく関係しているのです。1878年、エジソンは白熱電球の実用化に取り組んでいました。白熱電球はフィラメントとガラス球、口金で構成されていて、フィラメントに電流を流すことで光を発します。
はじめにエジソンは木綿糸を処理したフィラメントでカーボン電球の点灯に成功しました。しかし、まだ点灯時間が短かったため、実用化に向けて長時間輝き続けることができるフィラメントの素材を探し出す必要がありました。世界各地から6,000種類以上の植物性物質を収集したり、金属、綿糸、あごひげ、何千もの素材を試したりしていました。それくらい最適なフィラメントを見つけることに大変苦労していたのです。そのとき偶然研究室にあった扇子の骨に使われていた竹で実験してみました。するととても良い実験結果を得ることができました。
そこで、エジソンはフィラメントに適した竹を求めて日本や中国など世界各地に調査員を派遣することにしました。そして1880年、調査員の一人が探し出したのが、京都の神社である石清水八幡宮の周辺に自生する「八幡竹(やわただけ)」だったのです。
八幡竹の特徴は耐久性があり、柔軟性も優れていて、簡単に焼き切ることができません。さらには繊維が太くて丈夫なうえ、引き締まっています。エジソンは八幡竹をフィラメントとして使用し、白熱電球の連続点灯時間を1,200時間にすることに成功しました。
その後、日本から八幡竹が輸出され、1881年ごろから製造された白熱電球は大ヒット商品となり、世界中の暮らしを明るく照らしたのでした。ちなみに石清水八幡宮の境内には竹に囲まれたエジソンの記念碑が建っています。
京都の伝統技法で作られた「京銘竹」
京都産の竹を京都の伝統技法で生産された竹のうち、「白竹」、「胡麻竹」、「図面角竹」、「亀甲竹」の4種類を「京銘竹」と呼びます。
「京銘竹」は京都府知事指定の「京もの指定工芸品」及び京都市の伝統産業のひとつとして指定されているのです。
4種類に共通する特徴は「油抜き」の伝統的な技術にあります。京都以外で生産される竹材のほとんどは煮沸によるものです。しかし、京銘竹は竹1本1本を火で炙っていきます。そしてにじみ出た油分を綿で拭き取り、天日で干して乾燥させるのです。そうすることでツヤが良く、割れにくいしっかりとした竹材になるのだそうです。ここで京銘竹の4種類にそれぞれどんな特徴があるのかご紹介します。
1. 白竹
使っているのは真竹。9月~12月に伐採された竹を火あぶりによって油抜きとタメが施されます。真竹を油抜きするとツヤがでます。ほかの竹だとツヤがでないそう。このツヤのある真竹だけの白竹が京銘竹と呼びます。磨き抜かれた美しい光沢が、建築用はもとより、茶華道具、美術工芸品に欠かせない銘竹です。
2. 胡麻竹
使っているのは孟宗竹。その名の通り、胡麻のような斑点が美しい銘竹です。表面を触るとざらざらとした質感です。毎年3月に竹を選別し、竹の上部を切り取って残った枝は全て枝打ちをして反枯れ状態にします。その枯れていく過程で菌がつき、こういった模様を生み出します。昔の人が考えた伝統技法です。建築用、扇子立て、花器など親しみやすい工芸品に用いられています。
3. 図面角竹
使っているのは孟宗竹。たけのこの太さに合わせたL字の木枠2個をたけのこにはめ込み、角形に育て、竹やぶに生えている状態のときに、硫酸と砂などを混ぜ合わせた薬剤を特殊なハケで図面と呼ばれる模様をつけます。そうすると薬剤で焼けた状態の個性的な模様が生まれます。同じ模様は2つとしてありません。こちらも昔の人が考えた伝統技法です。床の間などの飾り柱、花器、椅子、床机など、風情ある家具に用いられます。
4. 亀甲竹
使っているのは孟宗竹。孟宗竹の突然変異でできたものです。節と節がくっついたまま成長していきます。この突然変異の部分はだいたい1m~1.5m程度。その後はまっすぐな竹として育っていきます。とても短く貴重な部分です。京銘竹ならではの手技と自然の恵みがひとつに溶けあった亀甲模様が自慢の工芸銘竹。高級な趣味性を追求する建築装飾、工芸品に用いられています。
竹の可能性を広げたい!長岡銘竹株式会社
この素晴らしい京都産の竹の活用方法は竹垣だけではありません。日本では竹の活用方法として「竹垣」以外にも大小さまざまな竹工芸品があります。京都で創業70年以上続く「竹屋」の「長岡銘竹株式会社」。
これまで「平安神宮」や「金閣寺」「銀閣寺」など歴史ある寺院仏閣や「桂離宮」「修学院離宮」「京都迎賓館」など京都の名所の竹垣修復工事や商業施設、老舗料亭での店舗の内外装、竹食器などたくさんの依頼を受けてきました。
代表取締役で竹垣職人である真下彰宏(ましも・あきひろ)さんは竹の可能性を信じ、竹垣はもちろんのこと、現代の生活に合わせたさまざまな竹工芸品を生み出したり、インスタレーションを制作したりしています。
まず工房を訪ねると迎えてくれたのは真下さん手作りの日本庭園!
訪れた人に竹垣の活用方法を近くで感じてほしいという思いから作ったそうです。真下さんのワザ光る竹垣の様子も間近でしっかりと見ることができます。
工房の中には竹がずらり。4mほどの長さの竹が壁一面に立てかけられていました。用途に合わせて竹を選び、製品にしています。訪ねた日は「袖垣」を制作しているところでした。
道具を使って竹の枝「黒穂」を留める作業をされていました。手さばきは鮮やかでどんどん形になっていきます。
真下さんが手がける竹工芸品7選
2階に案内してもらうと、なんと室内にも庭園が!
岩や砂利などで山水を表現する枯山水も。訪れた人に楽しんでもらいたい、竹垣の用途を知ってもらいたい、ということでこちらも真下さん自ら作ったのだそうです。竹の魅力をいろんな形で知ってほしいという気持ちが伝わってきます。
そんな真下さんが手がける竹工芸品をご紹介します。
1. 竹かご
竹工芸品の中でも多くの使い方ができるのが竹かごです。竹から切り出した、薄い竹ひごで編まれたかご。編み目が大きいのが特徴です。軽くて丈夫なため、持ち運びもしやすく、通気性もあるため台所で使ったり、脱衣所で使ったりと、昔から日本人が生活の様々な場面で使っていました。
真下さんが手がける竹かごのひとつ、「四海波(しかいなみ)かご」です。
竹を割り、幅と厚みを整えた竹ひごを四つの波型に編み込んでいます。「四海波」には「四方方向から来る荒い波風が治まり、穏やかで平和である」という縁起の良い意味が込められているそうです。そのためお祝いのギフトにもぴったり。生花を飾ったり、おかしや果物を入れたりして使います。
ちなみに竹かごのお手入れ方法は簡単で、水に濡れてしまうことに気を付けたり(もし濡れたとしてもすぐに拭いて乾燥させれば問題ありません)、使った後に軽く拭いておいたりするだけでOKです。また、保管するときは風通しが良い、乾燥したところで保管するようにしましょう。湿気が溜まりにくい高いところに保管するとさらに良いです。
2. ボトルスタンド
現代の生活に合った竹製品を作りたいと考えた真下さん。ワインボトルや日本酒・ビール瓶のボトルスタンドを作りました。
ボトルの先端を穴に挿し込むことによって自立します。「どういう原理で立っているの?」と驚く人もたくさんいるそうですが、ボトルと竹のボトルスタンドが絶妙なバランスで支え合って自立しているのだとか。
お気に入りのお酒を飾ってみてはいかがでしょうか?もちろん、スタイリッシュなデザインなので、ボトルを挿し込まなくてもインテリアにもぴったりです。
3. 竹の中に宿る、美しい光
真下さんは竹のインスタレーションの制作も行っています。
期間限定のものですが、竹を使ったオブジェやイルミネーションは大変好評です。
4. 竹あかり
さらに、竹の魅力を世界中にも伝えたいと、日本国内だけでなくアメリカなど世界中で竹の中に明かりを灯すイベントを、実演をして開催しています。道具を使って2mほどの竹の表面に型紙を使って無数の穴をあけ、竹の中には明かりを灯します。すき間なく竹を並べて1枚のボードにしているのも、竹垣の技術が使われています。
ほかにも油抜きをしていたり防虫をしたり、長く使える工夫をして海外に送っているそうです。竹あかりはさまざまな模様に見えるように計算されてデザインされているため、幻想的で絵画のようにも見えます。竹垣や竹工芸品として一流の真下さんならではの技法やワザの数々が竹のオブジェや竹あかりの燈にも使われています。
5. 竹で作ったQRコード
竹で見ている人を楽しませたり驚かせたりしたいと考えている真下さんは竹でQRコードまで作りました。ありそうでなかったアナログとデジタルの融合です!
真下さんは、京都産の京銘竹を茶色や緑色に染めて長さが異なる12種類のピース状に切り出し、QRコードの図面をもとにして配列を考えました。QRコードの複雑な模様通りになるように合板に貼り付けていき、完成。
QRコードは65cm四方です。300以上のピースが必要だったといいます。
もちろん、実際にこのQRコードにスマートフォンなどをかざすと読み取ることができるのです!
※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
読み取ると、長岡銘竹株式会社のHPに移動することができますよ。これを正しく読み取るためには数ミリのズレも許されません。竹を裁断する工程に大変苦戦したそうです。でも、そんな細かい作業ができるのも、竹を愛し、これまでさまざまな竹製品を作ってきた真下さんだからこそなのでしょう。
この竹のQRコードが出来上がるまでにもたくさんの竹工芸の職人の手が関わっているのだとか。
例えば、竹藪で竹を切る竹職人、竹の汚れを取るために水洗いする竹職人、竹を火あぶりし、油抜きをする竹職人、日に当てて白竹にする竹職人、竹を茶色や緑色に染める竹職人、竹を割る竹職人、竹の幅を揃える竹職人、竹の長さを切る竹職人、竹を図面通りにボードに貼り付ける竹職人などです。全ての工程で熟練した技が必要です。日用品などの分野で、大量生産できる製品が主流になる中で、日本で竹を扱う職人の数が減っていると真下さんは言います.。
この竹のQRコードのような、あっと驚くような製品を竹で作りだして、消費者に竹の素晴らしさや可能性を知ってもらうことで、新たな需要を生み出し、竹職人の減少に歯止めをかけたいと思っているそうです。PR用のディスプレイとして、オーダーメイドで竹のQRコードを作成してもらうことも可能です。
6. マリオ
ちなみに、この竹のQRコードの技術を使って、任天堂のビデオゲームシリーズのキャラクター「マリオ」のボードを趣味で作っています!マリオシリーズの初代はドット絵でした。その頃のマリオを再現!コインや?のブロック、敵キャラクターのクリボーまで!
あくまで真下さんの個人の趣味で作ったものなので販売はしていませんが、長岡銘竹株式会社の亀岡工房へ行くと見ることができます。真下さんの遊び心が伝わってくる竹の作品です。
7. パンダの食べ残した竹から生まれたユニークな竹工芸
真下さんの遊び心はほかの製品にも。和歌山県白浜町にある動物園、水族館、遊園地が一体になったテーマパーク「アドベンチャーワールド」。ここでとても人気な動物のひとつがパンダです。園内には4頭のジャイアントパンダの家族が暮らしています。そのパンダが主食として食べるのは「竹」。しかし、パンダはグルメのため、柔らかい部分を中心に食べ、竹の幹の部分などは食べません。園内では、そんな食べない部分や食べ残した竹が年間90~100トンも出ているため、真下さんはこの竹を有効活用して指輪を作ろうと考えたのです。その名も「パンダバンブーリング」。
職人が加工した京都産の竹を使用していて、ジャイアントパンダが実際に食べ残した竹で作った竹ひごを差し込み、ワンポイントデコレーションしたものです。京都産の強度のある竹で指輪を作成し、その指輪に、運動場に食べ残されていた竹で作成した竹ひごを最後に差し込んで完成させています。廃棄される竹が少なくなり、地球環境にやさしいだけでなく、4頭のパンダごとに食べ残した竹で指輪が作られていて、パンダファンからも大人気のひとしなです。
竹工芸品を自分で作ってみよう!
真下さんは工房などでワークショップも行っています。
かごや箸などの日用品など京都では(古くから)生活と竹が古くから結びついています。竹にしかない魅力である美しさ、しなやかさ、強さを身近に感じてほしいから始めたそうです。
これまでご紹介した、竹かごや指輪、お箸、さらに竹明かりの燈までも作ることができます。実際に竹工芸品を作って、出来上がった製品を生活の中で使うことができます。体験中に通訳者はいませんが、翻訳機で対応していて、ヨーロッパ、オーストラリア、アメリカ人など様々な国の人が訪れています。
体験で作る竹明かりの燈は、竹に描く下絵は50種類以上から選べ、組み合わせは自由!
体験できるメニュー
オリジナリティ溢れる、世界にひとつだけの自分の竹明かりの燈が作れます。
中にキャンドルを入れて室内インテリアとして長く使えるため、大変人気ですよ。
以下が体験できるメニューです。
1. 竹かご編み
- 所要時間
- 60分~120分(人数により異なります)
- 費用
- プレーン4,500円、カラー5,500円(1名様、税込)
2. 竹のお箸削り
- 所要時間
- 60分(人数により異なります)
- 費用
- 2,500円(1名様、税込)
2. 竹の指輪編み
- 所要時間
- 60分(人数により異なります)
- 費用
- 2,500円(1名様、税込)
ほかに、
・竹あかり製作
・竹のコースター
・一輪挿し
・鍋敷き
など。一例ですので、他に体験できるメニューは直接お問い合わせください!
長岡銘竹株式会社 亀岡工房
- 郵便番号
- 〒621-0005
- 住所
- 京都府亀岡市保津町三ノ坪50
- 電話番号
- 075-925-5826
- アクセス
- バス停「保津」より徒歩10分。またはJR亀岡駅よりタクシーで5分
- 公式サイト
- 公式サイト
まとめ
古くから日本の文化や日常生活に欠かせなかった竹。
しかし現代ではさまざまなものがプラスチック製品に置き換わってしまっています。ぜひ今一度竹に触れてその魅力を味わってみてください!ワークショップでマイ箸を作ったり、指輪やボトルスタンドを友人へのお土産にしてみたりしてはいかがでしょうか。
母国に帰ってもその竹の美しさや持ちの良さ、使い勝手の良さに感動するはずです。