高尾山の登山に必要な持ち物リストと持ち物を選ぶポイント
年間およそ300万人の登山客が訪れる「高尾山」は、標高599mと初心者でも気軽に登れるだけでなく、見どころが多く整った設備もあり、人気観光スポットとなっている。
確かに1号路は舗装路が多く、ケーブルカーとリフトもあり、道中には様々な設備もあるため、最低限の持ち物と動きやすい普段着でも充分だ。
ただ、6号路と稲荷山コースは、舗装されていない山道が続き、道中にはお店もトイレもない。
安全で快適に登山を楽しむためにも、必要な持ち物と適した服装を準備しておこう。
この記事では、主に6号路と稲荷山コースを登る人に向けて、必要な持ち物と持ち物を選ぶ際のポイントを紹介していく。
その他の登山コースを登る予定の方も、ぜひ参考にしてほしい。
高尾山に必要な持ち物リスト
高尾山の登山に必須のアイテムから、あると便利なアイテム、季節によっては必要なアイテムを以下の画像にまとめた。
画像をスマホにダウンロードして、登山の準備の際に役立ててほしい。
高尾山に必要な持ち物を選ぶポイント
高尾山に登る際に必要な持ち物を選ぶ際のポイントをそれぞれ紹介しよう。
これから購入予定の方はもちろん、既に持っているものを使う方もポイントを押さえておけば、安全かつ快適になるので参考にしてほしい。
1. 登山靴
登山靴は登山に欠かせない重要なアイテムのひとつ。
高尾山のメインルートである1号路は、比較的整備されているので歩きやすく、履き慣れたスニーカーでも問題ないだろう。
ただ、1号路以外を歩く予定があれば、以下の表を参考に登山靴を購入してほしい。
- 履き心地
- つま先やかかとが固定され、足にしっかりフィットする
- 素材
- 防水性能のある素材
- 軽量
- 軽量でありながら、しっかりとしたサポート力のある靴
- 靴のタイプ
-
・平坦なコースならローカット
・足場の悪いコースならハイカットの靴 - ソール
- 滑りにくいラバーソール、適度に硬いグリップ力のある靴底
2. リュックサック
日帰りがメインの高尾山では、生活で使っているリュックサックで充分だと考える人も多いだろう。
ただ可能であれば、山歩きを安全かつ快適にするように設計された登山用の購入をお勧めしたい。
その理由は、登山時の体への負担、疲労の蓄積度が大きく変わるからだ。
リュックサック選びの主なポイントは以下の通り。
購入前に実際に背負って、フィット感を確かめるとより良い。
- 容量
- 20〜30L程度 ※少しスペースが余るぐらいが目安
- 機能
- 肩ベルトや腰ベルトで調整ができ、ストラップが付いた体に負担をかけない設計のもの
- 素材
- 耐久性のあるナイロン、ポリエステル製が一般的
- 収納
- ポケットが多く、様々な場所に配置されているタイプ
- 防水性
- 防水素材でレインカバー付き、背面は通気性が良いメッシュ素材が望ましい
3. 飲み物
高尾山は標高が低く、登山時間は短い場合も多いが、飲み物は持参しておくことをお勧めする。
快適で安全な登山を楽しむには、こまめな水分補給が非常に重要だ。
油断すると、脱水症状や熱中症の恐れがあるため気を付けよう。
自動販売機は高尾山の麓や1号路に設置されているが、1号路以外を歩く場合は、道中に飲み物を購入できる場所がないため、必ず持参してほしい。
飲み物を用意する時のポイントは以下にまとめた。
- 容量
- 1L以上 ※夏場や汗をかく時期は1.5L以上を目安
- 種類
-
水は必須、塩分やミネラル補給に役立つスポーツドリンクを推奨
※利尿作用を持つコーヒー・お茶は注意 - 容器
- ペットボトル(水筒・ステンレスボトルでも問題ない)
4. 雨具
山の天気は変わりやすく、晴れの予報だったとしても、急に雨が降ってくることも珍しくない。
雨で体が濡れると、季節によっては低体温症の危険も考えられる。
以下の内容を参考に、万が一に備えて雨具も準備しよう。
- タイプ
- 防水性能が高く、上下に分かれたフード付きのレインウエア
- 重量
- リュックサックに入れてもかさばらない、軽量でコンパクトなもの
- フィット感
- 風でバタつかず、リュックサックの上から着られる適度に余裕がある大きさが望ましい
5. 帽子
日差しを防ぐ紫外線対策として、帽子も用意しておこう。
急な雨天時や転倒した際のケガ防止などの役割もあるので、持っていると想像以上に活躍する。
帽子を選ぶ時のポイントは以下の通りだ。
- タイプ
-
ハット型:低山、日差しが強い日、紫外線対策向き
キャップ型:雨の日、天候が変わりやすい山、通気性を好む人向き - 素材
- 通気性の良いメッシュ素材
- フィット感
-
頭にしっかりフィットし、サイズを調整できるもの
※あご紐付きのデザインだと、風が強い日でも飛ばされにくく便利 - 特徴
- 広めのつばがあるキャップ、首元をカバーするフラップ付きのハット
6. 地図
高尾山には登山コースの所々に標識が立てられているため、登山コースから外れなければ迷う心配はない。
ただ、念の為、以下の高尾山のマップもスマホにダウンロードしておこう。
見どころもマップ内に記載してあるため、マップを参考に歩けば、登山をより楽しめるはずだ。
7. 救急セット
登山する以上、ケガや病気のリスクは避けられない。
高尾山は初心者向きの山だが、いざという時に備えて救急セットを用意しておくと安心だ。
救急セットとして用意しておきたい、カテゴリー別のアイテムを下記の表にまとめた。
これらから必要なものを選び、コンパクトにまとめ、防水性のあるポーチやファスナー袋に入れよう。
リュックサックの取り出しやすい場所に収納しておくのがお勧めだ。
- 必須のアイテム
-
絆創膏、包帯、消毒液、ガーゼ、テーピング、ハサミ、ピンセットなど
※応急処置に必要なアイテム - あると便利なアイテム
- 虫除けスプレー、かゆみ止め、予防テープ(靴擦れ用)、簡易縫合セット、エピペン、緊急連絡カードなど
- 体質・体調に合わせて用意しておきたい薬
- 常備薬、鎮痛剤、胃薬、アレルギー用の薬など
8. 行動食(お菓子)
登山は日常生活とは比べ物にならないくらいエネルギーを消費する。
長時間にわたって歩き続けていると体内の血糖値が下がり、放置しておくと全身の力が抜けて、車で言うガス欠のような状態になってしまう。
行動食(お菓子)はそれらのリスクを防ぎ、疲労回復やリフレッシュにも役立つ。
選ぶ時のポイントは、持ち運びやすい・食べやすい・高カロリーの主に3点、持ち物全体のバランスを考え、適度な量にとどめるのも大切。
チョコレートやナッツ類、ゼリー飲料、ラムネ、塩分タブレットなどが、代表的な行動食だ。
9. 日焼け止め
高尾山は木陰の多いルートもあるものの、山頂や開けた道では日差しが強い。
強い紫外線を受け続けると、体力の消耗にも繋がるため、日焼け止めは必需品と言える。
日焼け止めの種類が多すぎて違いがよくわからない方は、以下の3点を軸に考えるのがお勧め。
敏感肌の場合は低刺激性・無香料の製品が安心、肌荒れ防止のために成分も確認しよう。
- SPFとPA
- SPF30〜50程度でPA+++以上
- 特徴
- 汗や水に強いウォータープルーフタイプ
- 形状
- 数時間ごとに塗り直しができるスティックタイプやスプレータイプ
10. 防寒具
秋から冬にかけて高尾山に行く場合は、冷え込みが厳しいので防寒着の準備も必要となる。
選ぶ時のポイントは、防風性の強さ(アウター・ダウンジャケットなど)と軽量でコンパクトにできるものだ。
登山系のアウトドアファッションブランドの製品はこれらに対応した設計が多い。
必要に応じて手袋・ニット帽・ネックウォーマー・厚手の靴下を身につければ、足元や首元の冷えを防ぎ、全身の暖かさを保ってくれる。
なお、春は簡単に脱ぎ着が可能なジップアップパーカー、夏は薄手の長袖をリュックサックに入れておくと役に立つ。
11. サングラス
標高が高くなると紫外線も強くなるため、目を紫外線から守るサングラスも重要なアイテムだ。
サングラスには砂・木の枝や葉から守るという役割もあり、掛けた方が安全・快適に登山ができる。
選ぶ時のポイントは以下を参考にしてほしい。
- タイプ
- UV400や100%UVカット仕様は必須、どちらかというとスポーツタイプが人気
- レンズ色
- 色味が変わりにくい、薄めのブラウンやグレーのレンズがお勧め
- その他
- 曇り止め加工が施されたもの、通気性の良いデザイン
12. ヘッドライト
日照時間が早まる秋冬は、夕暮れが近づくと辺りが一気に暗くなる。
日没後は周囲が見えづらく気温も下がるため、ケガのリスクが高まり、精神的にも不安定になりやすい。
高尾山は都市部に近いものの、予期せぬトラブル時に自分の身を守るためにもヘッドライトがあった方が安心だ。
特にスケジュールの都合で下山する時刻が15時を過ぎる場合は、日帰り登山でも必要不可欠だと考えよう。
なお、スマートフォンは光源が不十分で片手がふさがり危険、バッテリーも消費することから代用は難しい。
ヘッドライトを選ぶ時の主なポイントは以下の通り。
- 明るさ(ルーメン)
-
最低でも100〜200ルーメン程度の明るさがあると安心
※ルーメンは明るさの単位、数値が高いほど明るい - 給電方法
-
乾電池式:比較的安価、予備の電池で緊急時にも対応できる
充電式:登山を続けるならばコストパフォーマンスが高い、高出力タイプが多い
※ハイブリッド型もあり - 防水性能(IP)
- 防水性や防滴性があるIPX4以上のモデルを推奨
- その他
- 連続照射時間:4時間程度、リュックサックの幅を取らないコンパクトなデザイン
高尾山の持ち物に関するよくある質問
Q
なぜゴミ袋が必要なの?
高尾山に限らず山には基本的にゴミ箱がありません。自分のゴミは自分で持ち帰り、自然を保護するのが登山における最低限のマナーだからです。
Q
なぜ現金が必要なの?
現金のみに対応しているお店もあるので、少額でも持っておくといざという時に役に立つでしょう。高尾山にはATMがないため、登山を始める前に現金を準備しておくことをお勧めします。
Q
子連れ登山する場合、必要な持ち物は?
一般的な持ち物に加えて、子供の着替え・タオル・おんぶ紐などが挙げられます。あまり詰め込みせず、シンプルにまとめるのがお勧めです。
まとめ
高尾山を登山する予定がある方に向けて、用意すべき持ち物と選ぶ際のポイントを紹介してきた。
自分の身を守るためにも、快適に登山を楽しむためにも、記事を参考に必要な持ち物を準備しよう。
特に6号路と稲荷山コースは本格的な登山コースとなるため、記事で紹介した持ち物はぜひ用意してほしい。
高尾山の登山コースやお勧めの服装、見どころなどをまとめた、こちらの記事も参考に山登りを満喫しよう。