【クアパーク長湯完全ガイド】大分空港から車で90分!世界に注目される秘境の温泉施設
「クアオルト」という言葉を聞いたことがあるだろうか。
クアオルトとは、厳格な基準を満たしたドイツの温泉療養地のことで、ドイツでは医療の一環として社会保険制度に組み込まれている。
クアオルトを日本で唯一体験できるのが、大分県竹田市にある温泉療養複合施設「クアパーク長湯」だ。
「若返りの湯」と称えられるクアパーク長湯の概要、楽しみ方を紹介したい。
クアパーク長湯とは?
ドイツの温泉療養地「クアオルト」の考え方を取り入れた温泉療養複合施設。
「クア」はドイツ語で「治療」や「療養」を意味し、パークは公園のような広い土地という意味を組み合わせて名付けられたのが「クアパーク長湯」だ。
アクセス&エリア
大分空港から車で約90分、熊本空港からは約1時間50分の場所にあるクアパーク長湯。
炭酸濃度、湧出量、温度から日本有数の重炭酸泉と称され、湯治場として長い歴史を持つエリアとしても知られる長湯温泉地にある。
重炭酸泉は全身の血流を良くし、難病のもとを立つ有効成分としても知られており、世界から注目を集めている。
クアパーク長湯周辺は秘境ともいえる山深い大自然が広がる。
特長
クアパーク長湯は大きく「温泉棟」「レストラン棟」「宿泊棟」の3つで構成されている。
そのなかでも温泉棟にある源泉掛け流しの温泉の優れた泉質が魅力といえるだろう。
中性の地下水に二酸化炭素が噴き出して溶けこんだ重炭酸泉が特長で、血行促進、アレルギー・冷え性・神経痛の改善、疲労回復、美肌効果、リラックス効果などさまざまな効能が期待できる。
通常の温泉などは衛生面を保つために塩素を加えることが多いのだが、クアパーク長湯では添加は一切行っていない。
毎日この広い浴槽のお湯を全部入れ替えて常にフレッシュなお湯を保っている点も人気の理由といえるだろう。
「温泉棟」での2つの入浴方法
温泉棟には水着を着用して混浴で楽しめるバーデゾーン(1F)と、男女が分かれた内湯ゾーン(2F)がある。
軽運動しながら楽しめるバーデゾーンは家族やカップルで楽しめ、ゆっくりとリラックスしたい時には内湯ゾーンに。
気分や同行者によって楽しみ方を選べるのも嬉しい。
運動を楽しみながら入浴を楽しむ「バーデゾーン」
温泉湯1階にあるのがバーデゾーン。
湯中運動浴槽や露天風呂、歩行湯、飲泉、サウナ、ジャグジーなどがあり、1日中温泉で楽しめる。
それぞれの浴槽は34℃から42℃までと温度が異なり、ぬるめのゾーンでプールのように体を動かしながら楽しむのもよし、あつ湯にじっと入るのもよしだ。
のんびりとリフレッシュする「内湯ゾーン」
温泉湯の2階にあるのが男女別の風呂がある内湯ゾーンだ。
長さ1.8メートルの丸太4本を組み合わせて作られたドーム型の屋根が印象的。
喧騒を忘れてのんびりと浸かりたい。
魅力が詰まったレストラン棟・宿泊棟も!
大分の旬の味覚が味わえる「レストラン棟」
「豊後牛」や「かぼすブリ」など、大分の食材をふんだんに使った料理が堪能できる。ランチは地元竹田市の新鮮で無農薬に近い環境で育てられた野菜を使用。夕食は豪華な和食のフルコースでおもてなしをしてくれる。
訪日観光客向けに英語メニューが用意されており、英語や中国語を話すスタッフも在籍。きめ細やかな心配りも嬉しいポイント。
大自然に囲まれたコテージ泊が楽しめる「宿泊棟」
せっかくここまで来たのなら、ゆっくりと宿泊して帰りたいー。
そんな要望に応えてくれるのが16棟のコテージだ。シングル、ツイン、ロフト付きのツインとさまざまなタイプが用意されている。
部屋のテーブルやベッドは使用しない時には収納できるという工夫もあって便利。
また外国人スタッフが常駐しているため、滞在中も安心だ。
クアパーク長湯のその他の楽しみ方
大自然を感じられるオートキャンプ
アウトドア感覚で温泉を楽しめるオートキャンプエリアもおすすめ。
クアパーク長湯に隣接している「グランパーク長湯」ではテント型のサウナ、天然水の水風呂、露天風呂があって、大自然を感じながら温泉を満喫できる。
自然と調和した美しい建築デザイン
クアパーク長湯の木造建築は、世界的建築家の坂茂(ばん しげる)氏によってデザインされたもの。
木や再生紙などのエコロジカルな資材を活用した独自の空間は、来館する人々に感動と安らぎを与えてくれる。
建築やアートが好きな人は、建造物そのものにもぜひ注目してみてほしい。
クアパーク長湯誕生秘話
〜秘境温泉・若返りの湯が生まれるまで〜
「クアパーク長湯」を運営する(株)長湯ホットタブの代表を務める小星重治さんは、コニカミノルタに43年間勤務した研究開発者である。
長年商品の研究・開発に携わり、会社時代には680もの特許を取得、55歳で紫綬褒章を受賞している。
この施設を立ち上げたきっかけは、小星さんが出張で訪れたドイツでのできごと。
クアオルトの「バート・クロツィンゲン」に立ち寄った際に衝撃を受けたという。
「2日の滞在だったが、その温泉効果に驚いた。
訪れる人たちが、最初は杖をついていたのに、帰りには背筋を伸ばして帰って行ったんです」と話す。
このクアオルトの文化を日本で広めたいと、退職後に日本全国の温泉を周り、「バート・クロツィンゲン」に近い泉質を探すことに。
ようやく見つけたのは、大分の秘境にある長湯温泉。
これまでの私財を投げ打ち、さらには当時の地方創生担当大臣であった石破茂氏、竹田市からの協力を得て、ついに2019年にクアパーク長湯をオープンさせた。
ドイツでは“若返りの湯”として注目される重炭酸泉。その温浴効果と健康増進をテーマにしたこの施設には、小星さんの健康への熱い想いが込められている。
温泉を持ち帰れる?! クアパーク長湯帰りにお土産忘れずに!
クアパーク長湯の泉質が気に入った方におすすめしたいのが「長湯HotTab」。
竹田市と共同開発した余計なものを入れない無色透明のやさしいお湯が自宅でも体験できる重炭酸入浴剤だ。
塩素を中和し、香料や着色料もない、pHが中性になるという入浴剤だ。
ぬるめのお湯にゆっくりと浸かれば、心身ともにリフレッシュ。
ぜひおみやげに購入してみよう。
まとめ
豊かな自然の中に佇む「クアパーク長湯」の素晴らしさを感じていただけただろうか。
日本ではまだ数少ない温泉療養地であるが、その効能には世界が注目している。
空港からのアクセスは山道も多く、コンビニもショッピングセンターもないけれど、それに変わる大自然と力強い温泉がある。
時にはスマートフォンをオフにして、温泉を心ゆくまで楽しんでみるのはいかがだろう。