
【広島交通ガイド】広島市内外の移動がスムーズかつお得になる情報が満載
広島は美しい自然景観や歴史的建造物、バリエーション豊かなご当地グルメなど、多彩な魅力がある観光地だ。
世界で初めて原爆が投下された場所で、他では感じられない平和の大切さを知れる特別な都市でもある。
市内には複数の公共交通機関があり、使い分けが難しいと感じる人も多い。
この記事では、初めて訪れる人にもわかりやすく、広島観光の交通手段や広島空港から市外の主要観光地へのアクセスを中心に紹介していく。
内容を参考にすれば、スムーズに観光名所を巡り、旅行を最大限に楽しめるはずなので、ぜひ最後まで読んでほしい。
広島観光の主な交通手段
広島観光における主な交通手段は以下の通りだ。
- 広島市内の主な交通手段
-
1. 路面電車(広電)
2. アストラムライン
3. 路線バス
4. JR在来線
5. 広島市内循環バス「めいぷる~ぷ」 - 広島市外への主な交通手段
-
1. JR新幹線
2. 高速バス
3. フェリー
4. 観光列車
その中でも、特に利用する機会が多い交通手段について、より詳しく紹介していこう。
広島市内の主要交通手段となる「路面電車」
「広電」の愛称で親しまれる路面電車は、広島のシンボル的な乗り物である。
「広島駅」を起点に、市内中心部から広島港・西広島・江波・横川など広範囲に運行しており、観光時の主要な交通手段となる。
宮島口まで直通する路線もあり、市内だけでなく宮島観光の際にも便利だ。
大人240円・小児120円の全線均一運賃と比較的安く、後述の一日乗車券を使えば、コストを抑えて観光できる。
また、約10分に1本ペースと運行本数も多く、始発は6時台、終発は22時~23時台と長時間走行するため、時刻表・待ち時間を気にせず利用できるのも嬉しい。
主要観光スポットへのアクセスも優れ、「原爆ドーム」や「平和記念公園」などには乗り換えなしで行ける。

主要観光エリアを巡る方にお勧めの「電車一日乗車券(広電)」
「電車一日乗車券(広電)」は、広電の路面電車全線が1日乗り放題になるお得な乗車券。
JR広島駅・紙屋町・原爆ドーム前・広島港といった主要観光エリアをカバーしており、市内にある複数の観光スポット巡りに便利。
概要は以下の表にまとめた。
通常の乗車運賃は240円ため、1日に3回以上路面電車を利用する場合は、購入をお勧めする。
- 料金
- 大人用700円 / こども用(6~12歳)350円
- 購入場所
- 広島駅案内所、路面電車の車内(運転手から購入)、市内の主要ホテルなど
- 適用範囲
- 広電電車全線 (宮島線を除く)
- 利用方法
- スクラッチ式(利用年・月・日の該当部分を削り、運転手に見せる)
※2025年2月時点の情報
フェリーも利用する方にお勧めの「一日乗車乗船券(広電)」
「一日乗車乗船券(広電)」は、広電の路面電車全線に加えて宮島松大汽船(フェリー)の1日乗り放題券がセットになった乗車券だ。
広島市内と宮島(厳島)を1日で効率よく観光するのにお勧めのチケットで、路面電車とフェリーを個別で使うよりお得になる。宮島ロープウェーの特典を受けられるのも嬉しいポイントだ。概要は以下の通り。
- 料金
- 大人用1,000円 / こども用(6~12歳)550円
- 購入場所
- 広島駅案内所、路面電車の車内(運転手から購入)、市内の主要ホテルなど
- 適用範囲
- 広電電車全線、宮島松大汽船(宮島口~宮島航路)
- 利用方法
- スクラッチ式(利用年・月・日の該当部分を削り、運転手に見せる)
- 特典
- 宮島ロープウェーの運賃割引(大人往復2,000円→1,500円)
※2025年2月時点の情報
市内中心部と北西部へのアクセスに便利な「アストラムライン」
「アストラムライン」とは、広島市を走る新交通システム(モノレールのような鉄道)で、ゴムタイヤで走行する高架鉄道だ。
電力駆動による自動案内軌条式旅客輸送システム(AGT)を使用しており、滑らかで低騒音の走りが特徴。
広島市中区の「本通駅」から広島市安佐南区の「広域公園前駅」までの全22駅・18.4kmを結び、途中の新白島駅・大町駅ではJR線と乗り換えができる。
特に市内中心部から北西部(安佐南区・西風新都エリア)へのアクセスに便利だ。
基本的に渋滞や信号機の待ちがないため、他の交通手段と異なりスケジュール通りに行動しやすく、目的地までスムーズにたどり着けるのがメリット。
沿線上には「広島護国神社」や「ヌマジ交通ミュージアム」などがあり、観光スポットも充実している。

何度も利用する予定がある方にお勧めの「アストラムライン1日乗車券」
「アストラムライン1日乗車券」は、アストラムライン全線を1日中何度でも乗り降りできる乗車券。
各駅の券売機や窓口で購入可能。料金は大人950円・小児480円。
アストラムラインの初乗り運賃は190円、最大運賃は490円なので、1日で3往復以上する場合はお得になる可能性が高い。
同交通手段を中心に市内の観光予定の方は、チケットの購入を検討しよう。

広島市から市外の観光地へのアクセスに利用する「JR」
JR「広島駅」には、山陽本線・呉(くれ)線・芸備線・可部(かべ)線・山陽新幹線の全5路線が乗り入れている。
市内の各エリア(中区・西区・南区・東区・安佐南区・安佐北区・安芸区・佐伯区)へのアクセスが可能。
ただどちらかと言うと、広島駅を拠点に市外や遠方の観光への移動時に使われ、市内観光における交通手段にあまり選ばれない。
例えば、宮島口・呉(くれ)市、尾道(おのみち)市・福山市といった広電では行きづらい(時間がかかる)エリアや、新幹線・飛行機で他地域に行く際に便利だ。
ちなみに、広島駅の徒歩圏内にも「広島東照宮」や「マツダZOOM ZOOMスタジアム広島」などの観光スポットがある。

運行エリアの広い「路線バス」
広島市内の路線バスは、広島駅・紙屋町・八丁堀などの市中心部から、郊外の観光地まで運行している。
複数の路線がありカバー範囲も広いので、路面電車やJRが通っていない観光地に行く際のシチュエーションでの利用が多い。
路線バスでアクセスできる代表的な観光スポットは、「三瀧寺」や「広島本通商店街」が挙げられる。
主なバス会社と運行先を以下に列挙したので、合わせて参考にしてほしい。
- 広島電鉄(広電バス)
- 広島駅~広島港・宮島口方面(西広島・紙屋町・比治山下など)
- 広島バス
- 広島駅~市内各地
- 広島交通
- 広島駅~北部方面(安佐南区・安佐北区など)
- 芸陽バス
- 広島駅~東広島・呉・竹原方面

人気観光スポット巡りに便利な広島市内循環バス「めいぷる~ぷ」
広島市内循環バス「めいぷる~ぷ」は、広島駅新幹線口を起点に市内の主要観光スポットを回る観光客向けの循環バス。
バスの外観は赤や緑のレトロデザインになっているので、一目でわかるだろう。
運行ルートはオレンジ・グリーン・レモンの3つに分かれており、いずれも「原爆ドーム前」と「平和公園前(平和記念公園)」を経由する。
その他、「広島城」や「縮景園」など代表的な観光名所のほとんどにアクセスできると言っても良く、車内には無料Wi-Fiも完備。
1日で効率的に巡りたい場合や初めて広島を訪れる方にとって便利な手段だ。
なお、1回の乗車で大人240円/小児120円だが、利用時はよりお得になる1日乗車券(大人600円/小児300円)の購入がお勧め。

広島空港から広島の人気観光地へのアクセス
広島空港から広島市内外の人気観光地へのアクセスを地域ごとに紹介していく。
バスでの移動が基本となるので、バス乗り場を間違えないように気を付けてほしい。
いずれの場所にも約1時間で到着できるが、市内を除き運行本数が少ない点を覚えておこう。
広島空港から広島市内へのアクセス
広島空港から、広島市内の観光拠点となるJR「広島駅」と市内の中心地である「広島バスセンター」までのアクセスは以下の通り。
空港には電車が乗り入れていないため、バスを使った移動となり、いずれも21時過ぎまで1時間に2~3本のペースで運行している。
なお、広島バスセンター周辺は、「広島城」や「ひろしま美術館」、「広島護国神社」など観光スポットが多いため、空港から直接向かう場合に利用すると便利だ。
JR広島駅へのアクセス
- 経路
-
1. 「広島空港」から空港バスの2番乗り場まで徒歩移動
2. 連絡バス・芸陽バス・リムジンバス・広島駅新幹線口行に乗車し、「広島駅新幹線口行」で降車、到着 - 所要時間
- 約50分
広島バスセンターへのアクセス
- 経路
-
1. 「広島空港」から空港バスの1番乗り場まで徒歩移動
2. 連絡バス・芸陽バス・リムジンバス・広島BC行に乗車し、「広島BC」で降車、徒歩数分で到着 - 所要時間
- 約55分
広島空港から呉市内へのアクセス
広島空港から呉市内(呉駅)へのアクセスは以下の通り。
リムジンバスに乗車すれば、乗り換えなしで直接アクセスできる。
ただし、午前は1時間に1本、午後は2時間に1本間隔と運行本数がとても少なく、空港の到着時刻によっては、長い待ち時間が生まれるので注意が必要だ。
急ぎの場合はタクシー(約55分/約15,000円)の利用も検討してほしい。
- 経路
-
1. 「広島空港」から空港バスの1番乗り場まで徒歩移動
2. 連絡バス・広島電鉄バス・エアポートバス・クレイトンベイホテル行に乗車し、「呉駅前」で降車、徒歩数分で到着 - 所要時間
- 約1時間5分
広島空港から福山市内へのアクセス
広島空港から福山市内(福山駅)へのアクセスは以下の通り。
こちらも同様にリムジンバスの直行便が出ているが、1日の運行本数は6本のみで、1本乗り遅れると次発まで3時間弱待たなければならない。
そのため、福山市に向かう予定の方は飛行機の発着時刻とバスの時刻表を事前に確認し、スケジュールを調整するのがお勧め。
他の選択肢には、タクシー(約1時間/約17,000円)、空港から中国バスで三原駅に行き、JR山陽線を乗り換えて行くルート(約1時間45分)がある。
- 経路
-
1. 「広島空港」から空港バスの3番乗り場まで徒歩移動
2. 連絡バス・中国バス・リムジンバス・福山駅前行に乗車し、「福山駅前」で降車、徒歩数分で到着 - 所要時間
- 約1時間15分
広島空港から尾道市内へのアクセス
広島空港から尾道市内(尾道駅)へのアクセスは以下の通り。
他の地域と異なり、電車への乗り換えが必要でやや行きづらく、空港発のバスは1日に4本(10時30分、11時45分、15時10分、20時10分)のみだ。
該当の時間に乗れない場合は、事前予約制の乗合タクシー「大平交通・でべライナー」を検討しよう。
降車場所は尾道駅だけでなく、東尾道駅や対象ホテルなど約80カ所から選べ、空港から目的地まで約50分で快適に移動できる。
ただし、利用料金は1人4,000円と高額、運行本数も4本(9時10分、12時15分、16時55分、20時15分)に限られるのがデメリット。
- 経路
-
1. 「広島空港」から空港バスの3番乗り場まで徒歩移動
2. 中国バス・三原駅前−広島空港・三原駅前行に乗車し、「三原駅前」で降車、徒歩でJR「三原駅」まで移動
3. JR「三原駅」からJR山陽本線・糸崎行に乗車し、「糸崎駅」で降車
4. 「糸崎駅」からJR山陽本線・岡山行に乗車し、「尾道駅」で降車、到着 - 所要時間
- 約1時間25分
広島の交通手段に関するよくある質問
Q
広島で使える交通系ICカードは?
主に西日本で流通する「ICOCA」のほか、全10種類の交通系ICカードが利用できます。
Q
広島市内から宮島へのアクセスは?
JR「広島駅」から山陰本線でJR「宮島口駅」まで行き、下車後「宮島口港」まで歩きます。「宮島口港」からフェリーで「宮島港」に行くルートがお勧めです。(所要時間:約45分)
まとめ
広島観光における主要な交通手段、広島空港から市外の人気観光地へのアクセスを中心に紹介してきた。
市内には複数の公共交通機関があるため、目的地や予算に応じて上手く使い分けてほしい。
ポイントを押さえれば効率よく時間を活用でき、移動のストレスが少なく観光も充実するはずだ。
旅行計画や日数に合わせてお得なチケットを購入し、たくさんのエリアを巡ろう。
広島で人気の飲食店、お勧めのショッピングスポットなど、観光プラン作成に役に立つ情報をまとめた、こちらの記事も合わせて要チェック。