
日本の伝統と神道、サムライの世界に触れる【1DAY】特別府中旅プラン
府中エリアには、歴史と文化が息づくスポットが点在している。
その中でも特におすすめなのが、1900年以上の歴史を誇る「大國魂神社」と、サムライの作法や技術を学び殺陣体験ができる「芸道殺陣波濤流 高瀬道場」。
今回は、この2つのスポットを巡る特別プラン、府中旅【1DAY】ツアーを紹介しよう。
日本のローカルに根付く神道・武家文化を体験したい人はぜひチェックしてほしい。
「大國魂神社」の隠された宝物と武士の遺産を探索する

「大國魂神社」の神道に触れる
「大國魂神社」は大國魂大神(おおくにたまのおおかみ)を武蔵国の守り神としてお祀りした神社。
大昔、武蔵国を開かれて人々に衣食住の道を教えられ、医療法やまじないの術も授けられた神様といわれ、俗に福神または縁結び、厄除け・厄払いの神として名高い神様だ。
東京の長い歴史を通じて中心的な信仰の場所であり、武家文化や地元の伝統と深く結びついている地でもある。
このツアーでは、拝殿で参拝するだけでなく、「大國魂神社」で日々執り行われている儀式や習慣、またその背後にある意味について神主から説明を聞くという特別な体験ができる。

貴重な文化財が鎮座する宝物殿を鑑賞
その後は、通常平日は一般公開されていない宝物殿の見学へ。
江戸時代に奉納された日置光平作の太刀や御蛇丸・烏丸・伊吹丸のほかに10振の奉納刀や江戸時代最後の将軍・徳川慶喜直筆の書などの貴重な文化財を鑑賞することができる。
これらは神社と武家文化の間の精神的および歴史的つながりを垣間見ることができる貴重な資料だ。神道文化への理解を深めるとともに、日本のサムライの歴史、伝統を学ぶ貴重な機会になるだろう。


江戸末期から続く老舗の名店で鰻を味わう
「大國魂神社」で神道文化に思いを馳せた後は、地元のレストランで伝統的な日本料理のランチをいただこう。
このツアーでは府中市内にあるラーメン店、カフェ、うなぎ店等の中から、好みに合わせて選定ができるのだが、今回は江戸末期から続く老舗の名店「うなぎ ・日本料理 魚元」へ。



江戸末期から明治初頭(1853〜1868頃)に開業し、もともとは甲州街道神戸地区に構えていた由緒ある料理店だ。現在は、大通りから少し外れた静かな住宅街で営業している。
「うな重(上)」、「うな重(並)」のほか、数量限定の「特上うな重」や、刺身や煮物など5品を楽しめるコース(要予約)もあり。


東京の伝統的な道場「芸道殺陣波濤流(げいどうたてはとうりゅう) 高瀬道場」で殺陣体験
ランチを食べた後は、舞うように斬る、非日常の世界を演出してくれる「芸道殺陣波濤流 高瀬道場」へ。
この道場は、トムクルーズ主演の映画『ラスト サムライ』、ジャンレノ主演の『Wasabi』。
そして真田広之が監督主演をつとめる話題作の『SHOGUN 将軍』などの作品に携わっている日本でも有数の道場だ。
今回の取材では、三世代に渡って受け継がれている「芸道殺陣波濤流 高瀬道場」の主宰であり、プロの俳優にもレッスンを行う殺陣界の第一人者である多加野詩子先生から直接指南いただけることに。

※指導者は日程により異なる場合あり
稽古着に着替えて殺陣体験へ
道場に着くと、まずは着替え。
動きやすいものなら自分の着衣で参加するのも可能だが、事前予約すればレンタルも行っている。
自分で着付けができなくても、先生が丁寧に着付けをしてくれるので安心だ。
着付けの最中には、稽古着の下部にあたる袴や刀にまつわる歴史を教えてくれる。
例えば、「折目正しい」という日本語ならではの表現があるが、その言葉の由来は着物を折り畳む時の「折り目」からきているなど、興味深い話をしながら着付けをしてくれる。

殺陣に触れ、基本を学ぶ
まずは「殺陣」というものが何かを教えていただく。
多加野先生は「殺陣は勝敗を決する競技ではなく演技。演技なので美しく魅せることが大切」と語る。
刀の扱い方の基本を習得し、武道や格闘技などと混同することなく、アクションを生かした「体のセリフ」を表現できるようになることが目的だ。


ますは本物の刀を持ってみるとその重さに驚く。1.5kg から2kgとずしりと重い。
一方、殺陣で使う刀は350g と軽く、本物の刀の4分の1の重さで取り扱いやすいものだが、「本物の重さに見せるように動くことが大事」だと多加野先生は言う。



レッスンでは、まず殺陣の基本の型の「半身」と「小手返し」を学ぶ。
それから「正眼」、「上段」などの5つの構えを、さらに「ケサ斬り」、「胴斬り」「唐竹割り」などの斬り方を学ぶ。
これを前後に組み合わせて動いていくプログラムだ。




本格的な殺陣のレクチャーへ
持ち方や納め方など基本的な刀の取り扱いを学んだら、本格的な殺陣のレクチャーへ。
基本はふたつで、ステップで腰を開く「半身」と、手首を柔らかく回して持ち、安全を確保しながら動く「小手返し」というもの。
競技では後ろに人がいないことが前提だが、360度人がいて見せる演技の殺陣では、安全が重要なポイント。
先生が初めに見本を披露して、しっかりと動作を教えてくれる。



基本形の動きを確認したら、次は「五行の構え」と呼ばれる構えを学んでいく。
相手が正面にいる上で万能な構えの「正眼」、刀を振り上げて上に持っていく「上段」、相手に対して縦に持っていく「八双」などを5つの動きを伝授。
さらに次ステップでは3つの「斬り方」を体験していくという、盛りだくさんのプログラムだ。


レッスンの後半になると、型に動きを加えていく。前、後ろに進みながら行うのはとても難しいが、多加野先生の的確なアドバイスで練習を繰り返すと少しずつ上達してくるのがわかる。



1時間半〜2 時間のセッションはあっという間に過ぎ、最後は記念撮影で体験終了。

まとめ
「大國魂神社」の参拝から神道のレクチャー、特別な文化財の鑑賞、「芸道殺陣波濤流 高瀬道場」での本格的な殺陣体験はいかがだったろうか?
日本人に根付く神道の精神性とサムライの世界に触れられる貴重な1日。
どちらも楽しみたい方はぜひ、府中旅【1DAY】ツアーへ出かけてほしい。