
古くから続く食文化を堪能!奈良のカテゴリー別人気飲食店27選
日本の歴史と文化が息づき、国内で最も多い3つの世界遺産がある古都・奈良。 「法隆寺」や「東大寺」といった建造物が注目されがちだが、古代から受け継がれる伝統的な食文化も観光客を魅了する。 この記事では、奈良のご当地グルメをカテゴリーごとに分けて、お勧めのお店と一緒に紹介していく。 奈良の食文化に詳しくなくても魅力が伝わるようにまとめたので、ぜひ最後まで読んでほしい。
日本随一の桜の名所・吉野山にある柿の葉寿司の老舗。柿の葉寿司とは、ひと口大に握った酢飯に鯖や鮭をあわせ、柿の葉で包んで重石などで押し固めた寿司のこと。奈良県の名物として全国的に知られるが、元々は吉野地方を中心に作られた郷土料理だ。
江戸時代(1600〜1868年)、和歌山県・熊野灘で獲れた鯖は、痛みを遅らせるために腹の部分に塩を詰め各地に運ばれた。これを薄く切ってご飯に乗せ、吉野の山に多く生えていた柿の葉に包んで重石をかけ、熟成させたのが柿の葉寿司の始まり。当時は夏祭りのご馳走として食卓に並んだという。
金峯山寺蔵王堂のそばにある「柿の葉寿司 やっこ」は大正年間(1910年代)の創業で、現在は三代目と四代目が看板を守っている。柿の葉寿司は、創業当時から受け継ぐレシピをかたくなに守り、一つひとつ手作りで丁寧に仕上げている。保存料や添加物は一切使わないので、身体にもやさしい一品だ。
店では程よく味が馴染んだ最も食べ頃に提供される。風味豊かな鯖、目にも鮮やかな鮭、その両方が味わえるコンビの3種類を用意。うどんや蕎麦とセットになったメニューやシーズン限定メニューもあるので、好みでセレクトしよう。地元名物・吉野葛を使った葛湯、葛餅、ぜんざいなどの和スイーツもおすすめだ。
金峯山寺蔵王堂のそばに立つ
店内の窓からは吉野の山々が望める