自然豊かな山々に囲まれる日本有数の観音霊場。大和国から伊勢国へと続く初瀬街道の中腹に建ち、「隠国(こもりく)の泊瀬(はつせ)」と『万葉集』にも詠まれている。
伝承によると創建は686年。道明上人が天武天皇のために「銅板法華説相図」を西の岡に安置したことが始まり。その後、徳道上人が727年に聖武天皇の勅願により「十一面観世音菩薩」を造り、観音信仰の聖地として人びとの信仰を集めるようになった。
399段の長い登廊を登り終えると本堂へ辿り着く。国宝に指定されている入母屋造本瓦葺の本堂は断崖絶壁に建てられ、正面にせり出した舞台造りから見事な絶景が眺められる。本堂には本尊の十一面観世音菩薩立像が安置され、高さ約12mを誇る日本最大級の観音様が出迎えてくれる。
古くから「花の御寺」としても知られ、現在も一年を通して四季折々の美しい花が楽しめる。桜や梅、アジサイやハス、キンモクサイなどが咲き誇るなかでも、特に有名なのは牡丹。
1,000年以上前から「長谷のぼたん」「ぼたんの長谷寺」と呼ばれ親しまれ、日本一の牡丹の名所として名高い。毎年見頃になる4月下旬から5月上旬にかけて「ぼたんまつり」が行われ、約150種・7,000株の牡丹が鑑賞できる。
ポイント
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観音信仰の聖地として信仰を集める日本有数の観音霊場。
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自然に囲まれた本堂の舞台造りから絶景が楽しめる。
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本堂へと続く399段の長い登廊は壮観。
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本尊の十一面観世音菩薩立像は日本最大級の高さ約12mを誇る。
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四季折々の花が美しい。特に4月下旬から5月上旬に見頃になる牡丹の名所。