旅館あづまや

江戸時代中期頃、もとは神官をしていた創業者が開いた温泉旅館。世界遺産熊野古道の熊野本宮近くに佇む老舗宿だ。趣ある純和風の建物も魅力で、部屋付きの内風呂を備えた「まき」や「大杉」など4室の特別室をはじめ、客室はすべて和室でゆったりと寛ぐことができる。

温泉は日本最古の湯「湯の峰温泉」で、慎の香りが心地よい大浴場「慎風呂」や日本庭園を専門とする教授による設計の「露天風呂」、湧出温度が90度前後と高温の源泉を、加水なしで適温までさました源泉100%の「さまし湯」などで楽しむことができる。なかでも注目は、温泉地の多い日本国内でも数件しかないという「温泉むしぶろ」。高温で湧出する湯の峰温泉の蒸気を利用したミストサウナは、直接吸い込むことでのどの痛みなどに効果があるという。

料理も自慢のひとつで、温泉を料理に取り入れた特別なものが揃う。紀南地方でしか食べられないこだわりの美熊野牛を、温泉しゃぶしゃぶでいただく「美熊野牛のしゃぶしゃぶ」はぜひ食べておきたい逸品だ。ほかにも朝食も温泉をふんだんに使った特製温泉粥や温泉湯豆腐など、温泉を食でも堪能することができる。