江戸時代中期の1703年、五穀豊穣を祈願して行われたのがはじまりと伝わり、以降約300年もの間、地元・岸和田の人びとの間で受け継がれている秋の祭礼「岸和田だんじり祭」。岸和田城下を中心に、各町ごとに「だんじり」と呼ばれる地車を曳行する。
「岸和田だんじり祭」のみどころは、なんといっても「やりまわし」。約4トンにもおよぶだんじりを、約500人の曳手によって、スピードを落とさずに一気に角を直角にまがるものだ。だんじりの屋根に乗った「大工方」の指示で、一気に曳手がだんじりを動かす豪快な様子は圧巻!
夜になると、「灯入れ曳行」も。これは、夜19時から22時までの間、灯りをともした約200個の提灯でだんじりが飾られ、昼間とはまた異なった、美しいだんじりを観ることができる。
また、「だんじり」の細やかな装飾にも注目したい。だんじりをよく見ると、至るところに歴史上の人物や馬、霊獣などさまざまな彫刻が施されている。各町のだんじりの彫刻を見比べてみるのもおすすめだ。
岸和田の街全体が熱狂する「岸和田だんじり祭」。祭の日には、だんじりを曳く勇壮な様子に目を奪われるが、「やりまわし」が行われる角は特に危険なのでご注意を。また、だんじりが曳行する道には、祭礼関係者などが見物人を誘導するので指示に従おう。
ポイント
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江戸時代中期以降、約300年もの間、岸和田の人びとに大切に受け継がれている秋の祭礼。
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約4トンの「だんじり」で、一気に角を曲がる「やりまわし」は圧巻。
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約200個の提灯でだんじりが飾られる夜も趣があり美しい。
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だんじりの至るところに施された彫刻にも注目したい。
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祭の日には祭礼関係者などの指示に従おう。