作並温泉

仙台市街地から車で約40分の場所に位置する「作並温泉」は、古くから仙台の奥座敷として称されてきた。歴代仙台藩主のかくし湯とも伝えられており、1796年の開湯以来、正岡子規などの文化人をはじめ多くの人々が足を運ぶようになった。

肌にやさしい泉質と豊かな湯量、そして多彩な湯めぐりを楽しめることから、いつしか美女づくりの湯として人気を集めるように。温泉郷に属する4つの宿には、露天風呂はもちろん清流広瀬川沿いの天然岩風呂や深さ1.3mの立ち湯、麦飯石風呂など、個性豊かな風呂が用意されている。

作並温泉郷は、名所が豊富なのも魅力のひとつ。鳳鳴四十八滝など広瀬川上流域の渓谷美はもちろん、周辺に聳える山々の美しさも見逃せない。なかでも鎌倉山はある角度から見るとゴリラの顔に似ていることから、ゴリラ山の愛称で親しまれている。

ニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所では、ウイスキー工場の見学や試飲を楽しむことも可能で、世界中から観光客が訪れる。広瀬川の源流近くにある作並渓流つリ場では、イワナやヤマメ釣りが楽しめ、温泉街にあるこけし店では、伝統工芸品である作並こけしの絵付け体験もできるので、観光にも飽きないのがうれしい。

また、平家落人伝説で知られる定義如来は地元の人々の篤い信仰を集め、日本の古い仏教寺院の情緒を楽しむことができる。