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島の人々と触れ合い、心が豊かになる島時間。 ゆめしま海道の島々と生口島をアクティブに巡る2泊3日の旅
広島と愛媛のほぼ中央、しまなみ海道の東側にある上島町は、瀬戸内海に浮かぶ25の離島が集まった町だ。船でしか訪れることができないため、ゆったりした島時間が流れ、島の人々は素朴で温かい。そんな雰囲気に惹かれて、日本はもちろん海外から移住した人もいるという。
かつて瀬戸内の海上交通の要所だった生口島・瀬戸田港。この地で海運業や製塩業などで栄えた堀内家の歴史ある邸宅が、2021年3月に日本旅館として生まれ変わった。
手掛けたのは世界的なホテリエで知られるエイドリアン・ゼッカ氏。家庭的なおもてなしの心と、地域との共感を生む豊かさを最優先に追及したという。
建築家で数寄屋造り (日本の建築様式のひとつ) に精通した三浦史朗氏が、1876年築の貴重な柱や梁、意匠などを大事に残して改装。自然と調和したシンプルで上質な空間は開放的で、和と洋、伝統とモダン、光と影の調和も見事だ。
客室は旅館の美しさとくつろぎを感じる居心地のいい空間。1階の部屋には日本の伝統美を感じる箱庭、2階の部屋には入浴後にリラックスできるバルコニーがある。さらに、掘りごたつを備えたメゾネットタイプの部屋もある。
ダイニングの夕食は、瀬戸田を中心とした瀬戸内エリアの野菜を主役に、フレンチの技法を用いた料理。堀内家御当主から受け継いだ器に華麗に盛って提供する。シェフが生産者と語らい理解を深めた地元食材の“風味”を体感したい。
ホテルではアクティビティが豊富で、瀬戸田の自然・歴史・文化も堪能できる。
生口島の豪商、堀内家が1876年に建てた邸宅を日本旅館に
ロビーは天井が高く、海をイメージしたという青い壁が印象的
箱庭が見える客室、バルコニーのある客室ほか、メゾネットタイプの客室もある
建物の1階中央にあるダイニング。2階まで吹き抜けで開放的だ
シェフが生産者と語らい選んだ地元食材を使い、堀内家当主が受け継いだ器で提供
窓越しに緑が見えるガラス張りの個室もある。特別な日を祝いたい
建物随所に、さまざまな木材が贅沢に使われている
中庭をはじめ、パブリックとプライベートの境界を巧みに混ぜ合わせている
伝説のホテリエが手掛けた話題の日本旅館