岡本太郎記念館

1996年に84歳で亡くなるまでの42年間、岡本太郎氏が制作に励んだアトリエ兼自宅を公開した記念館。パートナーの岡本敏子さんが「岡本太郎を次世代に伝えたい」と、氏の没後わずか2年で開館した。モダニズム建築を実践した建築家・坂倉準三氏が設計した旧館はそのままに、隣接する木造2階建ての書斎と彫刻アトリエを新築し、展示棟に建て替えた。

アトリエでは、床に飛び散った絵具や乱雑に置かれたテーブル上の道具、棚にある描きかけの作品…すべてが実際に使われていた当時のまま。今にも太郎氏がひょっこりと現れそうな、臨場感のある空気が来館者の心をつかんでいる。記念館の庭では、自然のままに生い茂った植物の中に、彫刻作品を放り出したかのようにラフに配置。彫刻と自然が一体となった景観は、太郎氏の美意識を伝える重要なメディアとなっている。

さらに、2階展示室では年間を通してさまざまなテーマで企画展を実施。テーマ毎に作品が変わり、新しい空気感を生み出している。100冊を超える関連書籍や色とりどりのグッズが並ぶミュージアムショップも必見。入館しなくても利用できるため、買い物だけに訪れるファンも多い。