泉龍寺（東京都狛江市）

東京・狛江市にある緑豊かな寺院で、創建は天平神護元年（765）。狛江駅からすぐの立地にありながら境内は緑がうっそうと生い茂り、桜や新緑、紅葉など四季を感じる自然景観が広がっている。

伝承によると、東大寺を開山した僧・良弁がこの地で雨乞いをして建てたのが「泉龍寺」。創建当初は法相宗兼華厳宗の寺院だったが、平安時代に天台宗に転宗。一度は衰退するも、戦国時代に曹洞宗の参禅修行道場として復興した。江戸時代後期には、「江戸名所図会」や「四神地名録」などにも広く紹介され、狛江地域随一の歴史を感じるスポットになっている。

境内には珍しい二層式鐘楼や、安政6年（1859）に再建された山門などが点在。宝永3年（1706）に再建された本堂は狛江市内最古の建造物だ。また、良弁が雨乞いをしたときに湧き出たと伝わる「弁財天池」も境内すぐ隣にいまも保存されている。