明神池

針葉樹林に囲まれ、ひっそりと佇む上高地の明神池。「一之池」と「二之池」から形成される池に行くには梓川の左岸または右岸を通る2つのルートがあり、どちらも河童橋から池まで1時間程度と適度な散策コースになっている。

「鏡池」というかつての名の通り、澄み切った水面が周囲の景観を映し出す「一之池」。新緑や紅葉など季節によって移り変わる眺めを楽しめるだけでなく、時にはマガモやオシドリといった野鳥が泳ぐ姿を見ることもできる。水面に靄（もや）が出やすく、神秘的な雰囲気が増す早朝も身が引き締まるような美しさで必見だ。「二之池」は小ぢんまりとした池に岩石群や立ち枯れた木々が配され、庭園のような趣深さが特徴的。

池の周辺は穗髙見命を祭神とする穗髙神社の神域になっており、パワースポットとして人気が高い。池のほとりには祀られる穗髙神社の奥宮はもちろん、池に突き出た桟橋の先端でも参拝が可能。毎年10月8日には山の安全を感謝する神事「明神池お船祭り」が行われ、祝詞や舞の奉納に加え平安装束の神官たちが御船に乗り込み池を周遊する姿を見ることができる。